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たいせつなもの。すきなこと。

明治の洋館/旧岩崎邸

2010-01-30 | 古い建物 のこと



土偶展の後、Kさんと上野公園の不忍池をぐるりと歩いて
「旧岩崎邸庭園」へ。

Kさんとは、何かと好みが似ていて、
偶然同じモノを持っていたり、
たくさんのものを前にしても、選ぶものが一緒だったりする。
なので、必然的に行ってみたい場所や
観たい展覧会もよく合致する
ご近所に、貴重な趣味ともだちを持てたのは本当にありがたいこと!
しかも、彼女は方向音痴のわたしとは違い、
たいへん地理に強い。これもありがた~い!

旧岩崎邸は言わずと知れた三菱財閥の創設者岩崎家の邸宅である。
前から一度訪れてみたかった洋館なのだ。

わたしには、誰の持ち物だったかということよりも、
歴史に翻弄されながらも、取り壊されずに現存する美しい建築物
としての興味の方が強い。

明治29年(1896年)に完成。
建築家ジョサイア・コンドルの手による素晴らしい洋館だ。
子どもの頃すきでよく訪れた、鳥取の「仁風閣」を設計した片山東熊も
このジョサイア・コンドルの門下生だったという。









圧倒される荘厳さ。
窓の造りや装飾ガラスひとつとっても、まさに芸術品。
階段や柱、天井に彫られた彫刻の細やかさや、
暖炉のデザインの美しさ、ドアノブの繊細さ、
どこを見てもため息がでるほどだ。
それにしても、暖炉がどんだけあんねん!ってくらい多い。
それだけおもてなしにこころを配っていたということなのだろう。







壁紙の美しさにも驚いた。
「金唐革紙(きんからかわかみ)」という伝統工芸なのだそうだ。
金箔の貼られた凹凸のある紋様が壁を覆い、
部屋に重厚感をもたらしている。





広い芝生の庭を見下ろすアイボリーのバルコニーの清々しさ。
陽光たっぷりのサンルームの穏やかな暖かさ。
一日中ここで過ごしていたいくらい。。。











明治時代、こんなサンルームやバルコニーのある家なんて
庶民からしたらまさにお城。今でもそうだけれど!
しかも、二階にあるトイレは水洗式の洋式。
明治時代なのに!?
手洗い場もかわいらしい。



隣接する撞球室(ビリヤード場)はスイスの山小屋風で
こじんまりとかわいらしい。
この「撞球」という古めかしい言葉の響きがしっくりくる建物だ。







この御邸、戦後はGHQに接収され、のちには国有財産となり
1999年に屋敷全体が重要文化財に指定されたそうだ。

ジョサイア・コンドルは鹿鳴館、ニコライ堂なども手掛け、
終生日本を愛し日本に永眠するという。



「龍馬伝」の影響で混んでいるかなあと心配したけれど、
平日だからか、思ったほど人出も多くなく、
自分のペースでゆっくりと観覧できた。ホッ。

都内に居ながらにして、
どこか遠~くへ旅してきたような気分だったな。
素晴らしいものをたくさん観たいな。
次は、旧古河邸を訪れようかな!?


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