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「彼らは世界にはなればなれに立っている」
太田愛著
太田愛氏の最新作を読んだ。
今までの作品とは趣が異なると聞いてはいたけれど、物語に入り込むまで見知らぬ別の著者のファンタジーを読んでいるかのよう。。。
けれども、読み終える頃には他作品と同様に太田氏の言わんとするところの共通項がしっかりと見えてくる。
「大多数の人にとっては、考えるよりも、信じるほうがたやすい」
この言葉がとても刺さる。
ひとりひとりがちゃんと自分のこころで考えること。
どんな時代に於いても
どこの土地に身を置いていても
とてもたいせつなことだ。
それにしても。
この物語は
正直言って、とても哀しい。
とてもものを考えさせられるけれど、どこまでもやるせない。
これまでの太田愛氏の作品を好む読者の中でも好き嫌いが大きく別れると思う。
個人的には…
素晴らしい作品だと思うが、こころが弱っている時に読むのはお勧めできないかな。
あの彼ら3人が登場するシリーズの新作を待望す!!