国際子ども図書館へ出かけた折りに、
お隣にある黒田記念館へ。
運よく、ちょうど木曜の公開日。
スクラッチタイル貼りの重厚感のある古いお屋敷。
入り口の黒い扉とアーチ状のガラスの明り取りがうつくしい。
公開は木曜日と土曜日の1時~4時だけ。 1時少し前の、扉が開く前と開いた後。
そして、中から通りを見下ろしたところ。
この建物は、画家・黒田清輝の「遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるように」
という遺言により、昭和3年(1928年)に竣工されたという。設計は岡田信一郎氏。
とても気品のあるすばらしい建物。写真もフラッシュなしならOKとのこと。
絵画に行き着くまでに、建物のあちこちに見惚れてしまって、なかなか進めず。
階段の手すりのデザインがうつくしい~~。すきだ~。
実はわたし、黒田清輝の絵は切手で有名な「湖畔」だけしか知らなかった。
ずっと昔、小学生の頃に祖母に連れられて、どこかでこの「湖畔」を目にした記憶があるんだなあ。
どこでだったかは思い出せない。
もしかしたら、大きな複製画だったのかもしれない。
いずれにしても、子どもだったわたしのこころにこの美しい絵はしっかり焼きついた。
(パンフレットより)
このたび、こうして縁あって黒田清輝のさまざまな肖像画や風景画を
初めてじっくり観ることができた。
1888年(明治21年)フランス留学中に滞在したという小さな村の風景画も
美しくてすてきな絵だったなあ。
風景画で特にこころ惹かれたのは、6枚組の「雲」という油絵。
ショップで売られていたのでポストカードを買っちゃった。
きれいだ~~。
静かに時間の積もったこの部屋のソファーに腰掛けて画集を開く老紳士を目にした。
ソフト帽にウールのコート、この部屋になんともぴったりくる佇まい。
優しげな眼差しでゆっくりとページを捲る・・・。
古い映画のワンシーンを観ているようで、しばし、遠くから見とれてしまった。
思わず、写真、いいですか? と声をかけてしまいたくなったのだけれど、
その方の大切な時間のお邪魔をしてしまうことになったらいけない・・・、と思いとどまってしまった。
少しお話をしてみたかったな。。。
こんな機会があったら、次は臆せず声をかけてみよう。
遠くから一枚だけ、ごめんなさい!
外の横手にすごく好みなドアを発見しちゃったし、
今度はちゃんと時間をとってゆっくり訪れよう。
[ 黒田記念館] 東京国立博物館 台東区上野公園13-9 上野駅下車徒歩10分
公開日:木曜日・土曜日 午後1時~4時