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時々、古本屋で本能だけで本を選ぶ。
「舟を編む」で有名だし、(でも読んでない)
三浦しをん原作の映画もいくつか観ていてすきだし
という安易な気持ちで中は全く見ずに手にとった。
しかし、これは…。
酷くきつい。
この本の発行は2013年。
読むうちに、東日本大震災のあとによくこれを書けたものだな…と苦しさを超えて不快になり、もう一度巻末をのぞいてみると単行本が刊行されたのは震災以前の2008年だった…。
それはそれで、なんとリアルな、まるで体験したかのような描写にまた驚く。
これは、津波被害に遭われた方の目に触れてはいけない本だと、個人的に思う。余計なお世話かもしれないけれど。
裏表紙にでも警告の文章を載せていただきたいくらいだ。
圧倒的な自然の暴力。人間による理不尽な暴力、そして闇。救いようのない重さ。逃れられない過去。。。
早く、なるべく早く
この闇から抜け出したくて
正に光を早く見たくて
一気に読んだ。
それでも読むことを止めようと思わせないところが、この著者の文章力の凄さなのだろう。
最後はこう終わるのか。。。
なんとも言えない読後感。
こういう時、頼りになるのは巻末の解説だ。
すがるような思いで解説のページへと進むと、なんとクラフト・エヴィング商会の吉田篤弘氏が待ち受けてくださっていた!
たいへん頼もしい解説文に出迎えてもらえて胸を撫でおろすような気持ち。
これでやっとこの物語から抜け出ることができる。
次に読む本はリハビリ的にやわらかいものにしておくとしよう。
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