時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

「ことば」と「感情」

2009-12-11 | essay
うちの子はみんな言葉が遅い方だったけれど
末の娘は特に遅く、三歳で幼稚園に入るまで
ほとんどセンテンスでは喋れないくらいだった。
これが第一子ならば、または心配性のお母さんだったならば
しかるべき機関に発達相談に行っていただろうなあって思う。

三歳児検診でも、保健婦さんも慣れたもので、
「三番目のお子さんには言葉の遅い子が多いのよ。オッ~ホッホ」
てな感じ。上のふたりが競い合うように四六時中喋るし、
親も忙しくてついYES/NOで答えられるような聞き方を
してしまいがちだから、娘はうんかううんと、
首を縦か横に振るだけで済んでしまうのだった。

そんなわけで、ほんのちょびっと気にかかり始めた頃、
喋らない彼女も、ちゃんと物事を深く理解していることが
証明される出来事が起きた。

みんなで「ニモ」のDVDを観ていた時のこと。
ニモが人間に捕まってしまって、お父さんがパニックになる場面で
突然娘が「うえ~んうえ~ん」と泣きじゃくり、テレビをぶちっと消したのだ。
なんとかなだめて続きを観ていたら、今度は水槽で目覚めたニモが
突然不安に襲われる場面でまたもやオイオイ泣きだした。

そうかあ…ムスメよ、何にも喋らないアナタだけれど、
物語の中の悲しい気持ちまでちゃんと酌めるほど成長していたんだね。。。
なんだかほっとするやら感心するやら。

その後も「やさしいライオン」という絵本を読んでやっていたら、
親子が引き離される悲しい場面で、突然オイオイと泣き出したり、
どうやら「別れ」に敏感な様子。(前世でなにかあったのかい???)

ちゃんと感受性も育っているから大丈夫。と
すっかり安心するのんきな親なのであった。
三歳で入園するときも、自分の名前を言うのがやっとこさで、
名字は言えないほどだったっけなあ。
そんな娘ももう2年生、毎日九九を念仏のように唱えている。
お~、九九まで言えるようになってるし!
上出来、上出来!

お勉強はゆっくりでいいから、
ひとの痛みをちゃんとこころの目で見ることのできる、
きれいな心根をもつ女性に育っていってほしいな。

最新の画像もっと見る