時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

クリスマスシーズンにみる夢

2009-12-10 | essay
子どもの頃、クリスマスが近づくと
一度だけ必ず見る夢があった。

それは、お菓子だけを売っている大きなデパートで
すきなだけお菓子を買ってもらう、という夢。
登場するのは、いつも父と子どもたち三人。
そのデパートがどこにあるのかわからないけれど、
気球に乗っていくこともあれば、車でいくこともあったなあ。
夢なんだけれど!まさに夢のような場所なんだ。
絵本の中のお菓子の家のデパート版みたい。
あまりに毎年見るから、夢なのか本当なのかよくわからなくなる。
買い物かごにすきなだけ食べたいお菓子をつめこむ時の
あのワクワク感!夢とはいえ、実体験みたいに覚えている。
記憶の中の「思い出」と「夢」は、時間が経つほどに、
どちらであろうと同じ自分の一部になってゆく。

いつの頃からか、あの夢を見なくなってしまった。
それがきっとオトナへの一歩を踏み出した頃なんだろうなあ。
再入場不可の、おとぎの国の出口。

今でもクリスマスシーズンになると
あの夢を思い出す。
今度はわたしが連れていく役回りでもいいから
もう一度あの場所へ行きたいなあ


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