時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

ヒッチコックの「 バルカン超特急 」

2009-09-11 | 映画 のこと

ヒッチコックのイギリス時代の作品、
「バルカン超特急」(The Lady Vanishes)1938年
を、初めて観てみた。

主人公の若い女性が、同じ列車に乗り合わせた初老の女性、
ミセス・フロイと知りあう。
しかし、ミセス・フロイは列車内で忽然と姿を消す。
周りの人に聞いても、誰もがそんな人は初めからいなかったと言う…。
観ているこちらまでもが、霧に包まれていくような
不安な気持ちにさせられてしまいながら、列車は走りつづけ、
ストーリーは思わぬ展開をみせる。

いやあ、面白かった!
やっぱり名作って、時代が経ってもすごいパワーを持っている。
すっかり引き込まれてしまった。
冷静な眼で見れば、超アナログな、模型や絵で出来ている風景に、
クスッとしちゃうけど、それはそれで味があってまたよろし。

このところ、DVDをレンタルする機会が増えた。
というのも、近所に新しくオープンしたレンタル屋さん、
品揃えも料金もなかなかいいのだ~。

子どもらが眠ってから、ひとりどっぷり上映タイム。
ささやかな至福の時~
ちなみに、夫とは映画の好みがまるで対極。
彼がひとりでレンタル屋さんに行く場合には、
『彼が観たくない映画』を一本借りてきてもらう。
これがなかなか、宝くじみたいで面白い。
大抵、もう観たよ~ってのが多いのだけれど、
た~まには、大当たり~~
思わぬいい映画に出逢えたりもするのだ


ねんどのお仕事

2009-09-10 | essay
かつて情熱を注いでいたもの。
ねんどオブジェの制作。

「一生かけてやりたい仕事が見つかりました!」
と堂々宣言して、出版社を辞めたあと、
フリーの立体イラスト制作を生業としていた。
(時折派遣バイトもしつつ!)

今となっては、昔ばなし~。
子どもが生まれてからは、赤ん坊に夢中。
どんな作品よりも、大傑作創っちゃった!という
錯覚に陥り、ねんどはそっちのけで、
育児を楽しんでいるうちに、子どもも三人に。
早くも十年以上経っちゃった。
つくづく、わたしって不器用なんだなあ。
あっちもこっちも、ってことが同時にできない性質。

いわさきちひろの手記を読んでいたら、
「目の前の赤ちゃんを描かずにはいられなかった。」
と記されているくだりがあった。
実際、自分の息子さんをモデルに
たくさんの素晴らしい作品を残している。
本物の芸術家って、こうなんだろうなあ。。。
子どもへの気持ちとは別の、消えない情熱…。

次男が生まれたあとに、少しだけローカルテレビの
オブジェの仕事をしたのだけれど、
自分って人間は、心身共に制作に埋没しないと
納得のいくものが作れない、と気づいてしまった。
でも、それもわたし。って客観的に眺める余裕は
もてるようになったかな。

またさらに月日は経ち、
このまえ、昔の作品を娘が初めて見て、
「これホントにお母ちゃんが作った?すごいよ!なんでもう作らないの?」
と言われてしまった。
時を経て、我が子に言われるとは!
人生って面白いものだ。

ジョン・レノンが、育児に専念していた時に、
小さかった息子のショーンに
「パパはビートルズだったの!?」と驚かれたことで、
発奮してまた新たに活動を再開した、というエピソードを
思い出しちゃったよ。
ジョンと一緒にするつもりは毛頭ないけれど!

時に、子どもって、真理を衝く言葉を口にする。
「九つまでは神の子」ってホントかも。
ここらでもう一度、発奮してみようか!?
また一から営業…できるかな~


映画 「 ダージリン急行 」

2009-09-09 | 映画 のこと

ウェス・アンダーソン監督。独特なポップな色彩と音楽。
この「ダージリン急行」(2007年 アメリカ)も
とってもユニークなロードムービー。

疎遠になっていた三兄弟。長男に召集をかけられ、
インドを列車で心の旅をする。その目的は、
行方知れずだった母親を訪ねることだった…。
というストーリー。
大筋はハートウォーミングなのだけれど、
そうは問屋が卸さない的な、寄り道がいっぱいなところが
この映画の魅力。

その列車、この映画の為に手描きでペイントされ、
内装のひとつひとつにも職人技のこだわりが見える。
こんな風に好きなものを、思うように配置して
映画を撮るのってたのしいだろうなあ。

最初は、互いに疑心暗鬼な、全然似ていない三兄弟が
旅が進むうちに、本物の三兄弟に見えてくるから不思議。
インドの風景と匂いも重なって、この独特な世界に、
いつの間にかすっかり引き込まれてしまう。

以前観た、この監督の「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」
もとっても面白かったなあ。
このひとの、音楽の乗せ方がとっても好み。
この映像にこの曲~??って、一瞬思うんだけれど、
それがやっぱりしっくりきちゃうんだなあ。

「ダージリン急行」のサントラ、レンタルしてこよう。
インドも一生に一度は訪れてみたいものだ。
あんな風に異国の列車で寝起きして何日も旅してみたいなあ。


物づくりのしあわせ

2009-09-08 | essay
何かを作り出すことってたのしい。
作ってる最中も、出来上がった瞬間も、
そして、誰かに気に入ってもらえて、
そのひとの手に渡る時も。
連鎖する物づくりのしあわせ。
一枚の布が、一枚の革が、カタチに変わるフシギ。

ご近所の友人8人で、手作り作品を持ち寄って、
年に2回だけ「一日だけの雑貨屋さん」という
ONE DAY SHOPを開催している。
毎回ご好評をいただいて、次回は第9回目。
そろそろ準備にかかるところ!

今回は革小物に力をいれようかなあ。
いまちょっとづづ構想を練っているところ。
この、あれやこれやと想いを巡らせてるだけの、
とりとめのない空想作業もまた楽しいもの。

写真は、本革のがまぐちポーチ。
オリジナルのモチーフをミシンステッチでアップリケ。

次回も楽しもうっと

ブックマークに載せました

幻の乗馬クラブ

2009-09-07 | essay
六年生の時、乗馬の物語の少女マンガにはまって、
友達とふたりで乗馬を習いに行く計画を立てた。

車で30分くらいのところに、乗馬クラブが
あることを探し当て、ある日曜日、父親にお願いして
友達と一緒に見学に連れていってもらった。

英国式のきちんとした乗馬クラブ。
なにもかも想像通りにステキで、馬にも触らせてもらって
ふたりして舞い上がっていたのだが。

通された応接室で、風格のあるオーナーと父が雑談している間に、
壁に掲げられた、入会金と月謝の金額を見てしまったわたしたち。。。
子どもながらに、現実と夢の境界線を知る瞬間
当時にして、入会金10万円!月謝はいろいろ含めて2~3万円!
パンフレットだけいただいて、おとなし~く帰った。
わがままを言うほど、コドモでもなかったわたしたち。
庶民のお稽古ごとではないのね。
幻に終わった憧れの乗馬クラブ。

大人になってから、何度か一日体験とかの乗馬は経験したものの、
子どもの頃に夢みた、自分の馬を自宅に持ち、
どこへ行くにも馬に乗って…という理想の生活は、
もちろん、当然、今も叶わず
ま。叶わずとも、夢をみて楽しむのはだいじなことよ!
(と、開き直る)
子どもたちよ、夢を抱け~~











スポンジ

2009-09-06 | essay
ときどき、ふと思い出す。
昔、仕事仲間でもあり元彼でもあった友人に
「おまえはスポンジみたいだなあ」って言われたこと。

仕事のことでめっちゃ凹んでいるわたしを
励ましてくれていたのだけれど・・・

「何でもかんでもスポンジみたいに
吸い込めるだけ吸い込みすぎるんだよ。
もうちょっとほどほどに受けて、
あさってくらいにすっ飛ばしちゃわなきゃあ!」

う~ん。その言葉、目からうろこだった。
がむしゃら過ぎる性格も考えもの。

不器用な性格だから、ひとの裏側を推測するのは
苦手だしキライ。今でも全部額面通りに受け取ってしまう。
ときどき、自分がいっぱいいっぱいになってるなあって
感じる時に、ああ、「スポンジ」になってる、と思い出す。
そして、あさってくらいにすっ飛ばしてみる。
いいこと言ってくれたよね。今でも感謝しているよ。

スポンジボブみたいに、体ごとぎゅぎゅっと絞れたらいいね!



「引込線」 所沢ビエンナーレ美術展

2009-09-05 | 展覧会・アート のこと

西武鉄道の旧車両工場において、
「所沢ビエンナーレ美術展 引込線」が行われている。
この鉄骨のゴツゴツ感いっぱいの広い空間に
現代アートがとてもよくマッチしている。
大きな作品もすっぽり収まる包容感があり、
屋内にもかかわらず、車両工場ならではのこの開放感。
観る者にも精神的なゆとりを与えてくれる。

今回は第1回目だが、去年の9月にプレ展が行われていて、
子どもがお世話になっている絵画教室の先生に教えていただき
行ってみたところ、子どもたちもすっかり気に入ってしまった。
昨年の会期中、何回足を運んだかなあ。
アートに触れる機会は、ないよりはあった方がいい。
現代アートって、創る側も受け取る側も枠に囚われないから、
かえって子どもも大人も楽しめる。

ラップのようなビニールで作られた透明な人形が
扇風機の風に生き物のように揺らぐ造形物や、
川面の反射を描いたという大きな絵、
高い天井からぶら下がる長い布の作品、
大きな、凹凸のあるキャンバスに木炭が塗りつけて
ある作品、巨大な鏡のオブジェ、などなどの不思議な
芸術作品がポツンポツ~ンと置いてある。
今日は久しぶりに、部活のない中2の長男を連れ出して訪れた。
彼も絵や造形は小さい時から好きなほう。
彼は、木の小屋の中に造られた苔の庭の作品が気に入っていた模様。
う~ん、好みも親子で似るんだなあ!
もっとオトナになっても、たま~には一緒にアートを
観たりしたいものだなあ。

昔は、ふらっとあちこちの美術展や個展を
観に行くのがすきだったものだけれど、
最近は厳選の上、たまにしか行っていなかったので、
こうして近くで美術展が開催されるってすっごく嬉しい。
去年のプレでは、美大生のお姉さんが大きな木に
のみをあてて、巨大な人形を彫ってらしたのが印象的で、
彼女の作品に一番こころ惹かれた。
完成品を観られるかなって期待していたのだけれど、
今回は参加されておらず、ちょっとざんねん
どこかで個展をされていないかな~?
探してみようっと。

この旧車両工場、建物もあちこち面白い。
鉄道好きなひとにはきっとたまらないだろうなあ。
息子も、作品も観入ってはいたけれど、
レトロな工場のあちこちにも興味があるようで、
カメラを向ける場所が、わたしと似ていて笑っちゃう。
錆びついた線路の切り替えとか、古い扇風機とか!

お手洗いの標示にも踏切のような黄色と黒が!
大真面目なところがニクイ!

9月23日まで開催中。西武線沿線の方はぜひ


古本市

2009-09-04 | 本 のこと

古本がすきで、近くで催される古本市は
毎回のぞかずにはいられない。
一度では見きれないほど大量の古本にワクワク。
探している、ジェーン・オースティンの小説は
見つからなかったのだけれど、
今回の掘り出し物は、挿絵のかわいいレトロな
洋書の絵本と、カロリーヌ・シリーズの復刊絵本!
子どもの頃、カロリーヌの絵本がだいすきで、
特に世界旅行のと、この北極に行くお話は、
なんどもなんども読んでいたので、どのページの絵も
全部見覚えがある!懐かしい~

この古本市、レコードが並んでいるのも魅力で、
毎回掘り出し物を物色。今回思わず買っちゃったのは・・・
なんと「南太平洋」(1958年アメリカ映画)の
オリジナル・サウンド・トラック!
この映画、ストーリーはさておいて、
音楽がとっても良くて、楽しいのだ。
曲が聴きたくてなんどか観に行った。
特に有名なあの「バリハイ」と「魅惑の宵」がすき。
久しぶりにまた聴けてうれしいな~。
古い映画好きは母の影響かな。
ミッツィ・ゲイナーも母のお気に入りのハリウッド女優だ。
ミュージカルって基本的には弱いんだけれど「雨に唄えば」と
「パリの恋人」と、この「南太平洋」だけは自分の中では別格かな!

レコードコーナーで、モンキーズの当時モノのレコードも
見つけちゃったんだよなあ~。
買えばよかったかな、と沸々と…。復刻盤は持ってるんだけれど、
オリジナルの、60年代後半らしいあのサイケなムードの
ジャケットがカッコイイのだなあ~
またのぞきに行っちゃうかも~


洗濯のあやまち

2009-09-03 | essay
何が嫌って、
洗濯機にうっかりティッシュが紛れたまま
回してしまうことほど嫌なことはない!
フタを開けた途端、ゲンナリ。。。
だいたいポケットチェックはしたつもりでも、
この大雑把な性格では見落としが多いのだろうな。
急いでいる時に限ってそんな破目に…。
几帳面なひとには、きっとありえないんだろうなあ。
でも、誰でも一度はあるよね?(と思いたい。)

ティッシュなんてかわいいほうで、
以前、紙オムツを一緒に洗濯してしまったことがあり、
あれはさすがに我を呪った。
オムツの中身って、水分を含むとポロポロした
ゼリー状に変化する。それが紙から破れ出て、
すべての衣類にべろべろり~ん。
一枚一枚ゼリーを落として手洗いしてから
再度お洗濯~

思い返せば、アドレス帳を一緒に洗ってしまったこともあったな。
紙製だったから、見事に粉々になっちゃった。
最近では、本も一冊・・・
これはたまたまゴツゴツ音が聞こえて、間一髪で救出!
肥っちゃったけどまだ本のままだった~。

こう何度もやっちゃうのは、やっぱりおっちょこちょいなのか?
明日からはもうちょっと気合いを入れて洗濯に挑むぞ
(って、毎回反省して、そう思うんだけどなあ~)


九九のイントネーション

2009-09-02 | essay
小二の娘、もうすぐ九九を学ぶ。
上の子が九九を習っていたとき、
彼がソラで唱える九九にすごい違和感が!
標準語の九九は、抑揚がほどんどなく
念仏のように感情を抑えたような
抑制的なトーンなのだ!と気付く。

わたしが九九を覚えたのは大阪在住時代で、
九九は音程がつけられそうなほど抑揚があった。
この方が断然覚えやすいと思うよ!
そうやって覚えたものはそのまま記憶づけされるもので
今でも九九は関西トーンバージョンだ。

ということは、地方によって九九の唱え方が違うのかも。
それぞれ独特のイントネーションの九九があるのかな。
東北地方の九九とか、聞いてみたいなあ~♪

そういえば、その大阪のころ、奇妙な唄みたいなのが
流行って、あれも覚えたまんま大阪弁やなあ。
「どんより曇った日本晴れ、一歳か二歳のばあさんが
九十五歳の孫連れて・・・」ってつづくナンセンスな小話風。
現在では最後まで言えないくらい放送禁止用語だらけ。
あれって大阪の子だけに流行ったのかなあ??
学校の帰り道とかに、みんなで大声で唱えて歩いたっけ。
へんなの~関東に来てからは聞いたことがない。
いまでも謎の唄だ

マツダR360クーペ

2009-09-01 | essay
憧れの車マツダR360クーペ。(1960-1969製造)
免許を取りたての二十歳。この車がだいすきで、
手に入れて自分で乗ってみたいなあって夢見てた。
あの頃は、まだレトロ中古車を専門に扱うお店に行けば、
ときどきお目にかかることができて、本気で買おうかなって
思ったこともあった。けれど、レトロカーの扱いの大変さを
知れば知るほど、メカ音痴のわたしにはますます高嶺の花に…。
車のことなんて何にもわからないのだけれど、
この車の持つムードは最高。かわいさの中に気品もあり、
たれ目のライトが何とも愛らしい!!

当時は、家にあった父親の「スカイフォーク」という
空色のちょっと古いGM車に乗っていた。
あんなにノーズの長い頑丈なアメ車に初心者マークをつけて
都内を走り回っていたとは、自分でも空恐ろしい。。。
その後、引っ越しで、父が大阪に車を持って行ってしまったために
免許を取ってからの運転歴はたったの二年間くらいかな~。

気がつくとペーパードライバー歴20年。
かわいいかわいい憧れのR360クーペも、
クラシックカーのフェスティバルなどで、
出逢えるだけとなってしまった。

もう、運転するのは怖くて無理!
マニアの方々がたいせつに乗り継いでくださり、
後の世にも残るよう、ファンとして影で応援したいワ


メッセージ♪

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