久しぶりに、まったりゆったり系のいい映画に出逢った。
「ストレイト・ストーリー」監督はデヴィット・リンチ
(The Straight Story 1999年アメリカ映画)
今まで観ていなかったのが不思議。
なにもすごいことは起こらず
だんだん、じんわりとココロが温まるロード・ムービー。
ロード系は、昔の「いつも二人で」にハマって以来、結構すき。
デヴィット・リンチといえば、「エレファント・マン」とか「イレイザー・ヘッド」とか
ちょっと苦手な分野の映画で有名な監督だから
無意識に意識の外へ置いてしまったのかもしれないなあ。
些細なことで仲たがいしたままだった兄が倒れたと聞いて
十年振りに会いに行くことを決めた高齢の主人公。
目も衰えて、車の運転が出来ない彼は、芝刈り機に手作りトレーラーを繋げて
560km離れた兄の住む町へと旅に出る。
さまざまな人に助けられたり助けたりしながら旅は続く。
スゴイのは、このストーリー、なんと「ストレイト氏」の実話だということ。
それでストレイト・ストーリーなのね。
これまた高齢のお兄さん役にびっくり。
昔からとてもすきな「パリ、テキサス」の主人公トラヴィス役のハリー・ディーン・スタントン。
かなりお年を召していたので、
このひと、見たことあるけどだれだっけか・・・・と観た時はわからなかったのだけれどね。
何週間もかけて、やっと辿りついた兄の家。
どんなに長い時間が、会わない間に流れ去ってしまっていたとしても、
ほんの一言二言コトバを交わすだけで
瞬時に繋がるココロ。。。
それが家族ってものです。
ふたりが一緒に見上げる星空が
何よりも雄弁にこれまでのふたりの絆を語っているようでした。
あえて、時間の流れをスローにしたいひとにおすすめの映画です。