時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

35年前の暮しの手帖の記事に教えられる

2016-09-10 | 本 のこと



ご近所のともだちが貸してくれた「花森安治伝」を読み始めた直後
北の国のおともだちから「暮しの手帖」の古本をいただきました。

「暮しの手帖」の存在を知ってはいたものの手にしたことはなかったわたしですが、
現在の朝ドラにはすっかりハマっています。
広告を扱わない雑誌が存在し得るとは驚きです。
いただいた1981年の74号は、花森氏亡き後のものですが
やはり広告は一切掲載されておらず、気持ちのいいくらい実のある記事がぎっしり。
(現代、ちまたに溢れる雑誌は、何ページも広告が続いていてばかばかしいくらい!)

この号の商品試験は石油温風ヒーターの特集。
この中の一台、確か昔我が家にもあったものです。懐かしい~。

そして、記事の中のひとつ、「あたらしい憲法のはなし」にどっぷりと引き込まれました。


終戦の2年後、昭和22年、文部省著作発行の「あたらしい憲法のはなし」という
戦争放棄を語りかける教科書が存在していたが、昭和25年、朝鮮戦争が起きると
わずか3~4年で姿を消したという・・・。
以後、軍備増強が謳われていることを危惧する記事となっています。

「私たちはいまもう一度、この焼け跡に生まれた《あたらしい憲法のはなし》の決意へ
どうしても戻らなければならない。この本はいまの日本人のために書かれていた教科書といえると思う。」
と結ばれています。

戦後すぐの日本の決心は、70年の時を経て揺らいでしまっています・・・。
1981年、35年前の記事は、今でもそのまま警鐘を鳴らし続けているように感じました。

「あたらしい憲法のはなし」はネットでも読むことができるようです。
記事中では復刻版の取り寄せの案内が掲載されていましたが、今はクリックひとつで読めちゃう・・・
なんとも、ちょっと軽々しいくらい便利な世の中ではありますが、
二度と戦争をしないと誓った終戦直後の日本のこころを取り戻すべく
一読すべき教科書なのかもしれません。

それにしても、1981年なんてついこの前のよう。
しか~し、わたしはまだ女子高校だったわけで。ついこの前なわけがないのでありました~(笑) 


おにんぎょうのココロ

2016-09-09 | essay

わたし、たいせつに思ったものは捨てられない。
ましてや、物心ついた頃から大事にしてきた人形は
ほぼ全部と言っていいほど実はまだ持っているんだなあ。

現在中学生の娘もわたしに似て人形好き。
小学生のころまでは、わたしの古い人形(ジェジェとかリカちゃんとかね)
と自分の人形、新旧入り混じりでよく遊んでいた。

ここ数年仕舞い込んでいた抱き人形たち。
埃をはらって陽に当てるために引っ張り出してきた。

娘が小さい頃、一時期何処へ行くにもよくおんぶしていた小さめの赤ちゃん人形。
あまりに懐かしくて
「ほら~~あなたの娘さんですよ~。ほんとにカワイイ顔してるよねえ?」
と娘の目の前に人形を出したら・・・

なにやら、わたしの背後に回ると、ひそひそ耳打ちをするムスメ。
どうしたのかと耳を澄ますと
「・・・名前なんていうんだっけ?」

え~~?忘れちゃったの?自分でつけた名前なのに~。
ちょっとヒントを出したらすぐに思い出したけれど
なんでひそひそ話~??とわたしが笑うと
「だって、かわいそうじゃん!」とムキになる14歳ムスメ。

名前を忘れちゃってたことを人形に聞かれたら可哀そうだと思ったらしい。
そういうとこ、かわいいなあ。(親バカだけど!)

なんだか、可笑しくて可笑しくて
思い出しても笑っちゃう^^

どうやら、わたしのドリーマー体質は彼女に引き継がれたようです。
ああ、おもしろい!

 名前は「ぷくちゃん」
ほっぺがぷくぷくしてるからと娘が命名。
おくるみの洋服は娘が着ていたベビー服をリメイクしたもの♪
 (人形がニガテなひとにはコワイ??)


いい感じのイギリス映画

2016-09-08 | 映画 のこと

「しあわせはどこにある」(原題Hector and the Search for Happiness 2014年イギリス)

コメディ映画なんだけれど深いなあ。
ほろっときちゃう。
この映画、学ぶところ多し。

真面目な主人公、精神科医のヘクターがいろんな国を旅する中で、
こころを動かされるたびに思ったことを日記に綴る。
その一言一言が、なかなかいいんだなあ。

一番沁みたのは・・・
Listening is loving. (聴くことは愛することである) 

なあるほどなあ~。確かにね。
覚えておこう。

肩のチカラを抜いて観れる、骨太なコメディ映画です。
数年後にまた観たくなりそう!


いっそ夢でもいいから行きたい場所

2016-09-07 | 展覧会・アート のこと



FIVE GRAPHY  EOS 5Dシリーズ 13人写真展へ。

ともだちKさんに誘われて行ってまいりました。
点在するあちこちのギャラリーをハシゴして、計6名の写真家の方々の展覧会を巡ってきました。
うつくしい日本の四季や、世界のさまざまな動物、はたまた東京の街などなど
たっぷりと美しい写真にひたってまいりました。

なかでも、感嘆のため息なしには眺めることができなかったのは
野町和嘉氏の壮大な風景写真の数々。


いつか行ってみたいなあと夢見てる場所のひとつ。「ウユニ塩原」
そして、自然が作り上げた広大な美しい造形「シウダッド・デル・ローマ」などなど。
こんな光景を目の当たりにしたら、一体どんな気持ちがするだろう・・・と
ワクワクする写真の数々にすっかり魅了されてしまいました。

ボリビアかあ・・・と
写真を見ていたら思い出したことが。
ボリビアといえば・・・
ずっと以前、仕事の取引先で知り合った人が「ボリビア行き」のバスに乗って旅立つ夢を見たので
本人にその話をしたら、彼はひどく驚いて「ブラジルに行ってきたばかりだよ!」
え~~~!こっちこそ驚きました。ボリビアはブラジルの隣だからニアミスですが(笑)

夢でいいから、行きたいなあ ウユニ塩湖。

「13人写真展」は2016年9月11日まで銀座にて開催中。


未来を読む

2016-09-05 | essay

ひとは、変化する決意を固めると
そのこころのエネルギーが、輝くようなうつくしさとなって表ににじみ出る。

わたし、ひとのオーラが見えるとかってわけじゃないんだけれど
昔から、いろんな場面で
あれ?なんか輝いてる? とか、
あれ?なんかキレイになった? とか思うと
たいてい、そのひとはその後キャリアアップのためにその場を去ることに。

仕事場、馴染みのお店、美容院などなど、はたまた子どもの習い事の先生とかね。

今回も、十年近く前から時折お邪魔しているお気に入りの洋服のお店で
ついこの前、「あれ?なんかどっか変えた?カワイイ!」
と思った(本人にも思わずそう言っちゃった)店員の女の子から
20代最後にチャレンジしたいことがあり退社することになりました。
というご挨拶のお便りが届き・・・。
ああ、なあるほど!と納得。
なんだか眩しく輝いていたもの~。彼女には必ずすてきな未来が待っている!

すごいことだなあ。進化を遂げようとするこころの輝きはちゃんと外側にも現れる。

こころの作用。。。
よそのひとのことは、そうやって自然に感知することがあるんだけれどなあ。
自分のことや我が子のことは、近すぎてよくみえない。

我が家の次男坊のささやかな新しい一歩の気配を心待ちにしつつも・・・
なかなかみえてこない。最早待つことに慣れすぎの感。
まあ それでも、変化しないものは何もないと信じて
水面下で起きている日々のちいさな進化に期待しよう。

それにしても・・・「こころの声」が外にだだ漏れなわたしは、
逆の意味でちょっと気をつけなくちゃあいけません。


だからだったんだ。

2016-09-04 | MUSICのこと

サラ・ヴォーンの「ラヴァーズ・コンチェルト」を聴くたびに
なんだか泣きたい気持ちになるのはなぜなんだろうとずっと思ってた。

サラ・ヴォーンの唄うものの中で一番すきなこの曲。
もともとこの曲は、作曲者がバッハのメヌエットの一部をアレンジして作ったもの。

そういえば「メヌエット」といえば、想い出す光景がある。
あれは、大阪から転校してきたばかりの小学四年生の春。

給食の時間に流れてきたメロディーにこころを奪われて
すっかり放心してしまったわたし。
その曲は、大阪で通っていた小学校で毎日掃除の時間にかかる曲だったのだ。
「大阪のともだち・・・みんな今頃どうしてるやろ。」
懐かしさに捲かれて、泣きそうな顔をしていたのだろうか、9歳のわたし。
担任の先生に、遠くの席から「Kさん、どうしたの?食べられないものでもある?」と
問い掛けられて、はっと我に返り、すごく恥ずかしくなったことをよく覚えている。

先生ってものは、みてないようでよ~くみてはるんやなあ・・・と驚いたものだ。

そして、その後音楽の授業でそのメロディーが「メヌエット」という名であることを知る。

あれからしばらくは、メヌエットが流れると
大阪の小学校を思い出す・・・という条件反射的な流れが出来上がってしまっていた。

そうか。だからだったんだ。
「ラヴァーズ・コンチェルト」が切ないのは
メヌエット=郷愁 だからだったんだ。。。
わかっていながら何故か脳のどこかがコネクトされていなかったような??
こんなに時間が経ってから、今更すごく腑に落ちるってのがまた不思議だなあ。


お茶の時間のひとしずく

2016-09-03 | essay

先日、ともだちと銀座の写真展を観たあと、
おしゃべりしながらブラブラと。
ちょうどお茶の時間となったので
Yさんおすすめの紅茶専門店へ。

すっごい多種類の紅茶に迷いつつ、
最初に惹かれた「アールグレーフレンチブルー」を注文。
アールグレーはもともとすきなのだけれど、こんな深い味わい初めて。
さすが、紅茶好きなら知らぬ人はいない有名店ですね。

ランチよりお高いティータイムになっちゃったけれど
たまにはね! 自分へのご褒美も必要です。

 クリーム・ブリュレも美味♪

Yさんは、数年前息子の高校の保護者会のご縁で出逢ったともだち。
古い建築、絵、音楽などなど何かとすきなものが似ていて
機会がある毎にお出かけしては、おしゃべりに花を咲かせます。

舶来のティーカップに造詣が深い彼女、紅茶にもさすが詳しい。
ゆったりと、日常とは違う午後の紅茶をたのしんでいたら・・・

ふと、高校生の頃、アガサ・クリスティーの小説の影響で
紅茶文化にたいへん憧れていたことを思い出しました。
自分の部屋に紅茶の缶を並べて、(親が贈答品でいただいたようなやつね)
遊びに来たともだちにティーポットで紅茶をふるまうという、ちょっと優雅なお茶ごっこ。
ほんの束の間、そこだけイギリスのティールーム気分でございました。
(ローテーブルに床座りだったんだけどな^^;)

その割には、その後紅茶の世界をたいして掘り下げなかったのは、
なんでもアバウトなわたしならでは~。
それでもやっぱり、優雅な紅茶の世界は永遠の憧れです。

 
植民地時代的ムードの調度品もすてきですねえ。
しばし、マダ~ムな午後のお茶でありました。
(そういえば、給仕のお兄さんに「奥様」と言われたような・・・?笑)


ここだけ写すとヨーロッパね~。 でも、ニッポン。すずらん通りです♪


ギンザフクロウ

2016-09-03 | essay




先日、銀座にて。フクロウに遭遇。



思わず一緒に観光客化してしまった。
だって、ふくろう、うつくしい~~!

ふくろうを連れたおねえさん、カフェのPRでございました。

ふくろう・・・あんなに大勢に囲まれても動じないってすごいな。
生まれながらにひとに育てられているのでしょうね。

ふくろうがしゃべったら。。。なんていうかな~。

「いやあーもうほっといてんかー」 ?

 


写真展「星野道夫の旅」

2016-09-01 | 展覧会・アート のこと



銀座松屋にて開催中の写真展へ。
「没後20年特別展 星野道夫の旅」

大自然に寄り添って生きたからこその写真の数々。
そして、こころにすうっと沁みとおる飾らないコトバ。

すばらしい写真展だったなあ・・・。

「人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり
勇気づけられたりすることが、きっとあるような気がする」

この一文を目にして、この方の書いたものも読んでみたくなりました。

生き物に、自然に、目にはみえないものに、
溢れんばかりの慈愛のココロを持つひとだったのだなあ・・・
ということを、写真がそのまま物語っているようでした。






(ポストカードより)
こんな不思議な森に身を置いてみたいものだなあ・・・

「星野道夫の旅」は松屋銀座にて 2016年9月5日まで開催中です。


メッセージ♪

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