本「世界が驚いた科学捜査事件簿」

警察捜査で事件解決の鍵となる７つのテーマ（身元確認、弾道学、血液、微細な証拠物件、死体、毒物、DNA)について、約30の具体例を挙げながら、捜査手法の歴史を解説した本。
被害者の身元を確認し、犯人を特定するのは、現代のように写真やビデオが無い時代は大変な作業だった。被害者の身元が判らずに事件が迷宮入りしたり、逆に誤認、誤証言により無実の身でありながら、それが証明できずに処刑された人も多かった。身元の特定には、体の特徴や寸法を測る方法、指紋を使った方法が開発され、最終的にDNA鑑定へと行き着く。また凶器のピストルの条紋が犯人の特定に使われたり、現場に残された塗料や髪、体の一部も証拠として認められるようになったのも最近の事である。この本を読むと、現在は当たり前になった科学捜査の手法には、先人達の紆余曲折の歴史や苦労があったことが判かる。
映画やテレビに出てくる科学捜査は楽しめるものですが、現実の世界で自分が科学捜査のお世話にならないように気をつけたいものです。