眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

切手

2012-12-20 23:58:34 | 忘れものがかり
小さいなりの
不安があることは
後になってわかった

早く詩のようなものや
クリスマスソングを書きたくて
公的な文書は振り返らずに
殴り書きした

コーヒーが冷めていく時間の中で
どうしても
最初の一行が書き出せなくて
もう少しうまく
自分の中から自分でないものを取り出せる
自分になれたらいいのに

二リットルの十六茶と
四分の一カットの白菜を
パソコンの背中に滑り込ませて
歩き出してすぐ
封筒のことを思い出した

女の手の上の裸の八十円
そのまま僕の手の中へ
帰り道は激しく冷え込んでいる

ポケットの中で
小さいものは
指先に触れて不安だった

「袋にお入れしましょうか?」
その日最後の一行を
手離してしまった後に
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うたいびと

2012-12-20 06:04:03 | 短歌/折句/あいうえお作文
裏切りの
田んぼの中を
生き抜いて
ひとりじゃないと
とけるときまで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇宙少年

2012-12-20 05:12:38 | 短歌/折句/あいうえお作文
UFOが時空を超えてキャッチする前に捕らえよ宇宙少年
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つながる Everything (やまとなでしこ)

2012-12-20 00:09:18 | アクロスティック・メルヘン
山に山菜を取りに行くので
真っ白い軍手をはめて、
都会を離れる準備をすると
夏にさよならを告げてから、
手を振って歩き始めました。
白い犬を伴っての旅立ち……
これは決勝点につながる旅立ちでした。

ヤモリをたくさん見つけるというので
窓辺にたくさんの興味を向けて、
時の経つのも忘れるくらいに、
長いしっぽがいつか顔を出すまで、
哲夫君は頑張っていました。
宿題は置いたままでの見張り……
これは決勝点につながる見張りでした。

野菜をもっと食べなければいけないので、
ママは校庭を畑に変えてしまいます。
「特別授業ですよ!」
茄子にトマトに人参、
「手が空いている人は水をやって!」
叱られる子供が四方八方に……
これは決勝点につながる四方八方でした。

宿から宿へと渡り歩いて、
まだこの靴を履いている。
と、足元を見つめていると、
「懐かしい靴だね」
哲夫君は、友達に言われたことを思い出して、
しばらくの間、靴と話をしていたのでした。
言葉は靴とつながっています。

約束された被り物も、
幕の向こうの作り物も、
トマトやナスの栽培も、
「なんだかすべてはつながっているようで」
テストや椅子の並び方も、
4分音符もテキスト文も、
言葉も物も人も……

やる気をなくしてしまった日に、
「真冬の寒い日こそが大事なんだよ」
友達の声が遠く空から聞こえてきて、
名前もすっかり忘れていたのに、
哲夫君は、友達の顔を思い出して、
しばらくの間、雪と話をしていたのでした。
言葉は雪とつながっています。

優しい人の贈り物も、
まどろっこしい悩み事も、
トスやパスの通り道も、
「なぜかすべてはつながっているような」
てんとう虫やカブトムシの歩き方も、
シンデレラもサイゼリヤも、
言葉も物も人も……

「野郎共しゃんとしねえか!」
マガト率いるボルフスブルク
と戦うのはたった10人ばかりの選手たち。
何だかんだとやっている内、
点が生まれたその少し前に、
シャルケのサイドを駆ける疾走……
これは決勝点につながる疾走でした。

やっぱりね
まったりとね
とどのつまりが
「何もかもがつながっているんだ」
てっきりね
しっかりね
ここもどこかにね

やっとこさたどり着いた町では、
魔法の馬車に運ばれて、
特別な輝きを放ちやってきた、
「なんでしょうかいったいこれは!」
ティーをいただいたのでした。
シュガーをほんの少し加えて……
これは決勝点につながる紅茶でした。

「ヤモリがやってきましたよ!」
待ちに待ったヤモリがやってきました。
「父さんヤモリがきましたよ!」
「なんとヤモリがやってきたのか!」
哲夫君の周りにヤモリの花が咲いています。
知る人ぞ知るヤモリがついにやってきた。
これは決勝点につながるヤモリでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする