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「ホタルノヒカリ」 吉野洋監督 ○ ☆ 無煙映画賞候補
原作は人気コミックです。職場ではバリバリ働きますが、家に帰った途端ごろごろしている「干物女」こと雨宮蛍(綾瀬はるか)と「ぶちょお」こと高野誠一(藤木直人)のふたりを中心に織りなすおはなしです。2007年にテレビドラマ化し2010年ふたりがめでたく結婚したところで終了。そして、その後ローマにハネムーンに行くというところから映画は始まります。テレビドラマを見ていなくても十分楽しめます。
ローマへの機内で知り合った若者・優(手越祐也)とはスーツケースを取り違えた縁で、優の姉・莉央(松雪泰子)とはホテルが同じ縁で知り合います。ホテルに住んでいる莉央も「ローマの干物女か」と思いきや実は悲しい過去を背負っていることがわかり、コメディタッチながらも3・11後の多くの人が味わった悲しみをさりげなく映像化し泣かせます。また、「ぶちょお」の好きな「ゲーテの名言」だけでなく、「なぜ生きるのか」といった「ホタルの名言」も散りばめられ、笑いの中に哲学が隠され、映画初心者の皆さんにお勧めです。とっつきやすいながらも奥の深い名作です。
タバコはなし。無煙です。カフェの場面で灰皿が一度映りました。