無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

沖縄 うりずんの雨

2015-10-22 | 2015以前の映画評


「沖縄 うりずんの雨」 ジャン ユンカーマン監督 ◯

 日本人よりも日本を知っているアメリカ人監督が沖縄の戦後70年をドキュメンタリーにしました。
「うりずん」とは草木が芽吹く3月から5月の頃を指す言葉です。1945年4月1日にアメリカ軍が上陸し、6月23日の「沖縄慰霊の日」まで、この時期は何年たっても沖縄の人々の心が落ち着かなくなる季節なのです。
 監督は、沖縄の人々やアメリカの元軍人たちからたくさんの証言を引き出し、沖縄の近現代史を掘り起こします。また、米軍の映像資料なども紹介され、アメリカ軍が沖縄をどう捉えているのかがよくわかります。沖縄では米兵による犯罪が後を絶ちませんが、軍人教育の中ですでに沖縄人や女性を差別した教育をしていることなどが問題の根深さを浮き彫りにしています。軍隊は善良であるはずの一般人を殺人者に育てる組織であることがわかります。
 沖縄は米軍にとってペリー提督上陸から続くアジア等への出撃基地という認識があり、日本を守るのではなく米国本土を守る防波堤であることも理解できます。このままの植民地状態を続けさせていいのかという問題提起でもあります。
 タバコは、古いフィルムの中で登場していましたが、現代の場面では出なかったので◯です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徘徊 ママリン87歳の夏

2015-10-22 | 2015以前の映画評


「徘徊 ママリン87歳の夏」 田中幸夫監督 ☓

 認知症の母親と娘との不謹慎にも爆笑してしまう日常をドキュメンタリーにしました。
 大阪の繁華街近くに認知症の87歳の母と自宅でギャラリーを営む娘が住んでいます。母親は娘のことを「アッコ姉ちゃん」と呼び、親子であることや住んでいるところが自宅だという意識もなく、「なんで刑務所に入ってんやろ」と何度も訪ねたりします。娘の章子さんはそんな母親への接し方も見事で模範的とも言える対応をとっています。一方、ママリンの方は徘徊が始まると故郷の門司へ帰るべくその道を探し歩き続けます。会話が巧みなママリンは道がわからなくなると「交番はどこですか。」と信頼を置く交番を訪ねます。何度もお世話になってはいるものの地域の中でママリンは徘徊しながらも人生を全うするのでしょう。
 母娘ふたりともかなり教養があり会話がちぐはぐではあるものの上方漫才を聞いているようなおかしさがあります。現実的には笑える状態ではないのでしょうが、思わず笑ってしまいます。娘の章子さんは「10年付き合う覚悟をした。」と言っていましたが、昼間からのアルコール摂取と喫煙は大変気になりました。
 タバコは、前述のように章子さんが喫煙者で度々喫煙しています。「認知症の親を見ているから自分は認知症にならないため今から気をつけている。」と言っていましたが、そのためにはまず禁煙ではしょうね。それとも認知症になる前に肺がんで死んでしまおうという、ブラックユーモアなのでしょうか。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする