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「沖縄 うりずんの雨」 ジャン ユンカーマン監督 ◯
日本人よりも日本を知っているアメリカ人監督が沖縄の戦後70年をドキュメンタリーにしました。
「うりずん」とは草木が芽吹く3月から5月の頃を指す言葉です。1945年4月1日にアメリカ軍が上陸し、6月23日の「沖縄慰霊の日」まで、この時期は何年たっても沖縄の人々の心が落ち着かなくなる季節なのです。
監督は、沖縄の人々やアメリカの元軍人たちからたくさんの証言を引き出し、沖縄の近現代史を掘り起こします。また、米軍の映像資料なども紹介され、アメリカ軍が沖縄をどう捉えているのかがよくわかります。沖縄では米兵による犯罪が後を絶ちませんが、軍人教育の中ですでに沖縄人や女性を差別した教育をしていることなどが問題の根深さを浮き彫りにしています。軍隊は善良であるはずの一般人を殺人者に育てる組織であることがわかります。
沖縄は米軍にとってペリー提督上陸から続くアジア等への出撃基地という認識があり、日本を守るのではなく米国本土を守る防波堤であることも理解できます。このままの植民地状態を続けさせていいのかという問題提起でもあります。
タバコは、古いフィルムの中で登場していましたが、現代の場面では出なかったので◯です。