無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

岸辺の旅

2015-10-21 | 2015以前の映画評


「岸辺の旅」 黒沢清監督 日仏 ◯ ☆

 カンヌ映画祭で「ある視点」部門グランプリ受賞作です。 
 3年間失踪していた夫優介(浅野忠信)が突然帰ってきました。探し疲れていた妻瑞希(深津絵里)は喜びますが、夫はすでに死んでいたのです。そしてふたりは優介が死んでから妻の元へたどり着くまでにお世話になった人々を尋ねるたびに出るのでした。自分の死を受け入れられず出て行った妻を待っている老人(小松政夫)、12歳で死んだ妹を叩いてしまったことを後悔し続けている女性、死んだことが受け入れられず妻を苦しめる亡霊の夫など、優介を通して瑞希はそれらの人と出会います。そして、それぞれの苦しみをふたりで溶かしていくのでした。やがて瑞希も優介の死を受け入れ、見送ることになるのでした。
 死んでいるとは言っても姿は全く普通で食べ物も食べるし生きている時と変わらない幽霊なので不気味さはほとんどありません。優介が田舎の集会所で宇宙についての講義をしますが、その話を聞いていると、生きていることと死んであちらの世界へ行ってしまったことと、137億年の時とを重ねるとそれほど変わらないのかと思えます。深津と浅野、そして出演者それぞれの演技がすばらしい作品です。
 タバコは、なし。無煙です。


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マイ・インターン

2015-10-21 | 2015以前の映画評


「マイ・インターン」 ナンシー マイヤーズ監督 米 ◯ 

 退職後妻を亡くし、退屈な日々を送っていた70歳の男性がシニアインターンとして再就職し、豊富な経験を活かして女性社長を公私にわたって支えていく物語です。
 ベン(ロバート デ ニーロ)はアパレルのネットショップで急成長した会社のCSRのひとつとして制度化されたシニアインターン生に応募します。誠実な人柄と豊富な経験が評価され社長のジュールズ(アン ハサウェイ)のアシスタントとして採用されます。ジュールズは仕事と家庭の両立をパワフルにこなしていましたが実はストレスもたくさんありました。ベンは人生の先輩として彼女の問題を少しずつ解消させていくのでした。
 妻が仕事をし、夫は主夫として家庭を守ることの難しさや仕事ができる女性への社会的な偏見などの問題も提起されていてアメリカ社会の勉強になります。ただ、登場人物が仕事は忙しいもののみんな学歴もあり経済的に恵まれている人々ばかりなので「ミドルクラス」の現状だけですが。
 タバコは、なし。会社のお抱えマッサージ師の「椅子に座ってするデスクワークは喫煙の次に体に悪い。」というセリフがありました。また、エンドロールには、「タバコ会社とは関係なし。」

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靴職人と魔法のミシン

2015-10-21 | 2015以前の映画評


「靴職人と魔法のミシン」 トム マッカーシー監督 米 △

 人生を諦めていた靴職人の男が「魔法のミシン」の力で違う自分と出会いますが・・・ 
 ニューヨークの下町で代々続く靴職人のマックス(アダム サンドラー)は毎日退屈な仕事と家では認知症の母親の世話をするだけの面白くもない日々を送っていました。ある時、ミシンが壊れてしまい、先祖伝来の旧式ミシンを使います。すると不思議な事にそのミシンで仕上げた靴をはくと持ち主の姿に変身するのです。はじめは気味悪く思っていたマックスも他人の人生を疑似体験する快感に溺れていくのでした。隣の床屋のジミー(スティーブ ブシェミ)は落ち着きをなくしたマックスを心配します。そして、マフィアとのトラブルに巻き込まれるのでした。
 大人が主役のファンタジーです。こういう奇跡はありえませんが、きっかけとなるのが、「家をノックした貧相な老人を暖かく迎えたら実はその老人は神様だった。」という経緯は古今東西どこにでも伝わるお伽話なのですね。誰にでも優しく接するときっといいことがあるのでしょう。
 出演者が2つの人格をうまく演じ分け俳優の演技力が試される作品でした。
 タバコは、「(タバコの)火あるかしら?」が2回ほど使われていました。この手で近づくのはもう古いですね。


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