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「お盆の弟」 大崎章監督 ☓
群馬県出身の俳優を中心に群馬で撮影した群馬県ご当地映画です。
売れない映画監督タカシ(渋川清彦)は兄のマサル(光石研)が入院したことがきっかけで故郷に戻って看病をしていました。その間に妻(渡辺真起子)は母子での自立した生活にすっかり満足してしまい、夫の荷物を次々と実家に送り返してきていました。タカシはいい映画さえ撮れれば妻の気持ちも戻ってくるだろうと親友のシナリオライター藤村(岡田浩暉)と新作の構想を練るのでした。しかし、藤村は彼女ができ、そちらにゾッコン。ついでにタカシにも彼女を紹介してやるからとおせっかいをし、涼子(河井青葉)と合わせるのでした。青春はとうの昔に過ぎたこの40歳前後のおとなたちの関係はどう発展するのでしょうか。
地味だけれど実力派の俳優がモノクロームの映像の中で、心優しい大人たちがそれぞれを思いやりながらもちょっとちぐはぐで笑わせてくれます。個人的にはタカシの妻役の渡辺真起子のセリフにはかなり共感を覚えました。「離婚しても子供の父親であることは認めるから」という言葉はなんと愛情のある言葉でしょう。暴力シーンがほとんどなくそういう点でも爽やかでした。
タバコは、兄のマサルがガン患者でありながら医師から「タバコとお酒と脂っこいものは控えるように」と言われた矢先に喫煙と飲酒をしていました。(☓)満たされない人生にはタバコがつきものなのでしょうか。