
「最高の人生の見つけ方」 犬童一心監督 ☓☓☓
2007年公開された同名のアメリカ映画を原案はそのままに多少アレンジしました。
主婦の幸枝(吉永小百合)と会社経営者で大金持ちのマ子(天海祐希)は余命宣告をされ、偶然同じ病室になります。家庭と会社それぞれが問題を抱えていますが、残りの人生には限りが見えていました。そんな折、同じように病気と闘っていた少女が残した「やりたいことリスト」が書かれたノートを拾います。二人は少女の代わりにそのリストに書かれていることを実行する旅に出るのでした。
大金持ちだから可能になったという設定は元の映画と全く同じでしたが、この前提を覆すような設定でも「最高の人生」は「見つけられる」のではないかと思います。豪華な顔合わせで映画の画面としては見どころも、泣かせどころも満載で、サユリストのみなさんも満足されたかと思いますが、別バージョンにも期待したいところです。
ムロツヨシが期待どおりの名演でした。
タバコは、天海祐希がニコチン依存症で、禁煙の病室でも喫煙し、病室が水浸しになるという事件をおこしますが、あの後始末は不問だったけどそれでいいの?また、ドキッとしたのが吉永小百合が病院の庭で喫煙している天海に「私も吸ってみようかしら・・・。」と言ったことです。その後子どもが喫煙しようとしているのを見かけ、吉永が止めに入ったので実際には喫煙しませんでしたが、ハラハラしました。その子どもは先を悲観して無謀にも喫煙しようとしていたのでした。吸っていたらあのラストはなかったでしょう。
子どもに限らず、末期の病人でも生きている間は禁煙に挑戦しなければ「最高の人生」にはならないのではないでしょうか。「禁煙できなかった・・・。」と思い残すのは悔しいではありませんか。遺影にタバコを(シガレットケースでしたが)供えるのはいい加減辞めよう。