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「ポトフ 美食家と料理人」 トラン アン ユン監督 仏 ✗✗
19世紀の末、美食家と料理人が料理にかけた情熱を描きます。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞受賞作です。
フランスの片田舎で美食家のドダン(ブノワ・マジメル)の考える究極のメニューを料理人のウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)は見事に再現しドダンの仲間の紳士たちに振る舞います。ある時噂を聞いた皇太子から特別なメニューをたのまれますが、ウージェニーが倒れてしまうのでした。
冒頭の料理をする場面が圧巻です。ひとつ言わせて貰えば動いている対象を撮るときにはカメラを動かさないでほしいです。観客は映画酔します。それくらい無駄な言葉掛けのない、キビキビ動く厨房はドラマチックでもありました。
その後の話はおまけのようなもので、美食もいいけど鍋や食器を片付けるのは誰なのだろうとか、費用は誰が払うのだろうとか、庶民的な疑問が湧きました。美食も一つのファンタジーかもしれません。
ドダンとウージェニーの関係が新鮮でした。
タバコは、紳士たちが食後食堂からサロンへ移動すると食後酒とともにパイプや葉巻を吸っていました。タバコを吸っていて微妙な味がわかるのでしょうか? たいしたグルメではないってことかな。