無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「枯れ葉」

2024-02-24 | 2024映画評


「枯れ葉」 アキ カウリスマキ監督 フィンランド独合作 ✗✗✗

 ヘルシンキを舞台に孤独な男女が惹かれ合う姿を過酷な労働現場とともに描きました。
 アンサ(アルマ ポウスティ)は理不尽な理由で職場を首になります。溶接工のホラッパ(ユッシ バタネン)はカラオケバーでアンサを見かけデートに誘いますが、せっかく書いてもらった電話番号のメモを無くしてしまいます。それでも忘れられず映画館の前でずっと待ち続け・・・。

 ほとんど笑顔を見せないアンサが唯一笑うのは迷い込んできた薄汚い犬と出会ったときです。このワンコが結構な役者でこの作品の☆に貢献しています。特にラストで初めてこの犬の名が呼ばれ「ワン!」と応える場面はなぜか感動的です。またこの名前が映画ファンなら思わず☆をつけてしまう名前です。ラストシーンは犬の名前の監督の名画のラストシーンでしたね。ネタバレになるから秘密ですが。気持ち的にはこの場面だけで☆☆です。そしてタイトルの「枯れ葉」が絶妙なタイミングで流れるのです。なお、音楽はさまざまな名曲が流れますが、「五木の子守唄」にはびっくりです。

タバコは、この監督の唯一の困ったところで、タバコが大好きらしいのです。昔の演出でタバコの吸い殻の山で時間経過を表す手法を未だに使うし、居酒屋のような店ではカウンター内のスタッフの女性も多くの客も喫煙者でした。主役のホラッパは職場の「禁煙」表示の前で平気でタバコを吸います。カラオケバーでも壁で隠れ喫煙。彼はタバコ依存だけでなくアルコール依存で仕事も酒を飲みながらなのでそれで失業してしまうのです。一方のアンサは父と兄と母をその酒が原因で亡くしていたのです。そのためホラッパは振られますが、決意して断酒します。ついでにタバコも止めた方が断酒も続けられると思いますが・・・。


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