「アイミタガイ」 草野翔吾監督 ◯ ☆
中條ていの小説が原作です。
ウエディングプランナーの梓(黒木華)は中学からの親友叶海(藤間爽子)が事故死したことに衝撃を受けますが、彼女とのスマホ上のつながりは続けていました。叶海の両親(田口トモロヲ、西田尚美)は悲しみに沈んでいましたが叶海がしていた活動を知り心を動かされます。仕事で金婚式のピアニストを探していて梓はヘルパーの叔母(安藤玉恵)の紹介でこみち(草笛光子)の家へ行きます。そこが中学時代に叶海と演奏を聞いていた人と知ります。プロポーズに踏み切れない梓の恋人(中村蒼)と宝石店の店主、叶海の両親が乗るタクシー運転手など周囲の人々がさまざまに関係しあっていくのでした。
タイトルは梓の祖母(風吹ジュン)が隣家のボヤを梓と澄人が消した時に言う言葉です。
ひとつの死をきっかけにつながりが可視化する練られた脚本です。ちなみに亡くなった佐々部清監督が温めていた企画をもとにしています。
筆者は図書館に勤める父親役の田口トモロヲの「悪い人が登場しない小説を信じられるようになった」という意味のことばがこの作品を一言で表していると思います。この父親と澄人の対面場面も見てみたかったです。
タバコは、なし。無煙です。