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「うんこと死体の復権」

2024-10-13 | 2024映画評


「うんこと死体の復権」 関野吉晴監督 ◯ ☆

 世界を旅してきた関野吉晴が「地球永住計画」の一環として訪れた研究者たちを紹介するドキュメンタリー映画です。
 「糞土師(ふんどし)」として野外排泄にこだわる伊沢正名は自由に野外で排泄するため自宅近くの一山を手に入れ「プープーランド」と名付け排泄したあとの変化を調べたり何の葉がおしりふきに快適かなど調査実践しています。
 生態学者の高槻成紀は排泄物と昆虫など生物との自然なリンクを研究し、季節や場所でどう違うか、また排泄物を他のどのような生物が餌にしているかなどを調べています。人間の都合だけの行き過ぎた開発が他の生物をいかに苦しめる結果になるのかと警鐘を鳴らしています。
 絵本作家の舘野鴻は小動物の死体がどのような生物によってどのように分解されていくのかを調査しそれを細密な絵に描いています。
 関野はアマゾンのマチゲンガ族と暮らしていた体験から環境負荷を全くかけない彼らの生活をモデルとし月に数日石器時代に近い生活を実践しているのでした。

 世の中にはいろいろなことを真剣に考えている人がいることにまず驚かされます。考えてみれば百数十年年くらい前なら排泄物は貴重な肥料だったし、動物や人間の死体もずっと身近にありこの映画の中のことは日常だったと思います。
 筆者もできることなら死んでからも化石燃料で始末されるのではなく他の生物の栄養となって巡り巡って再生したいものだと希望していますが・・・。

 タバコは、なし。無煙です。

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