「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 呉美保監督 ✘✘
五十嵐大のエッセイ集「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」が原作です。
大(吉沢亮)は子どもの頃はろうの母親と社会との通訳を当たり前にしていましたが、成長とともに周囲の目が気になるようになり逃げるように東京へ出てなんとか生きていました。疎ましかった母からある一言を告げられショックを受けるのですが・・・。
母親役の忍足(おしだり)亜希子、父親役の今井彰人、そして登場するろうの役はすべてろうの俳優が演じています。
2014年のフランス映画「エール!」では冒頭からろうの家族が遠慮なく出す日常生活のガチャガチャドンドンといった音がやかましく「聴こえない、とはこういうことなのか」と気付かされましたが、今作は静かでちょっと違和感がありました。
「小さな親切大きなお世話」的なやりとりがあり、聴こえなくても生きやすい環境をどうすればいいか考えさせられました。
タバコは、新生児が仕切りのない隣の部屋にいるのに喫煙し、突然死のリスクが高いので大変気になりました。
編集者の部屋がタバコもくもくでした。特にその中のひとりユースケ・サンタマリアは1971年生でそろそろ喫煙は命に関わるお年頃、せっかくの貴重な俳優を大切にしてほしいです。セクハラ、パワハラだけでなくスモハラにももっと神経を使いましょう。