色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 | |
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文藝春秋 |
1Q84以来の村上春樹本である。一晩と朝の電車の中で読み終えた。例によって最後のところは読者の想像に任せるようになっている。いろいろな人が読後感を書いていそうだから、私はちょっと違って観点から。
主人公「多崎つくる」と私の共通点を探してみた。田舎から東京に出てきた。土木工学を学んでライフライン会社に勤めた。そして水泳が好きだ。結構共通点がある。
違う点は沢山ある。同じ土木工学でも彼は「駅」を作っている。私は「ガス管」だ。そして私には高校時代のグループはない。中学時代のグループはあったが女性は入っていない。また、私はフィンランドなど行ったことがない。おそらくこれからもないだろう。さらに小説に登場する美人ようなとの恋愛もなかった。
途中主人公と友人になった灰田が出てきたが、消息不明になり、小説としては中途半端な感じ。後半に灰田の秘密が出てくるかと思ったが、それもなかった。それでも夢中になれる小説であった。