産能大で卒論に取り組んでいる。私のテーマは「資格試験の効果的な学習法」、先日、大学事務局に中間報告をした。以下はその中間報告の一部です。中間報告ですからまだ内容も変わることがあります。
1.アトキンソンの動機付け理論とは
心理学者アトキンソンの動機付け理論とは、
達成に向けて喚起されるモチベーション=達成動機×成功の誘因価×成功確率 (出典:モチベーションマネジメントP28 産業能率大学出版部より) というものである。
これを私なりに解釈して、資格取得に引き直すと、
・達成動機:職業上の要請、会社の能力開発ルール、上司や先輩からの指導(主に外的刺激)
・成功の誘因価:合格による昇進・昇格の期待、周囲の評価、友人家族の祝福(外的内的刺激)
・成功確率:合格の可能性の大小(主に内的刺激)
であり、マズローの段階欲求説やマクレガーのX-Y理論より、試験合格という達成目標の決まっている受験生にはフィットする。そこで、この理論を、受験生に説得力を持たせるべく、私の経験から、さらに展開してみた。
2.アトキンソン理論を資格試験へ応用
「達成動機」は、これから挑む試験合格というプロジェクトにとっては、初期段階で感じるものとした。いや、初期段階で、一定以上の達成動機があったため、プロジェクトに参加すると言ってもいいだろう。また「成功の誘因価」は、プロジェクトの初期から途中段階で励ましなどにより、動機を継続させる役割をするとした。しかし、時間の経過とともに徐々に効果は薄くなるものと思われる。
一方、「成功確率」の上昇は、「合格の可能性」を示すのもで、長い受験勉強期間に、感じるモチベ―ションの低下を防ぐ役割があり、成功確率をいかに上げていくかは、プロジェクトの成功の可否を左右するものであると考える。
以上の動機付けの要素の大小を時系列で図示すると、下図のようになる。

資格試験の場合、達成動機や成功の誘因価は、個人の置かれた環境によって様々である。そこで今回の研究では、受験生に共通な課題である。「成功確率」のアップについてさらに研究して行きたい。
アトキンソンは、成功確率50%の時が最もモチベーションが高まると言っている。成功確率は単純な一次関数ではないようだ。そこで、成功確率0%→50% に持っていく方法について検討する。(以下略)