国体選手、色々あって強行出場することにしました。レースを欠場しても何か言われるでしょうし、走っても記録のことで何かを言われるのは分かっていました。通常の状態なら誰かに何か言われることはないと思いますし、選手個人のことですから問題はないと思います。しつこいようですが「国体」とは特別なことなのです。コーチという立場で関わって様々なことが分かりましたが想像を超える「特別」があります。色々な憶測が飛び交っています。コーチだから選手を選考できるわけではありません。ここはご理解いただきたいと思います。特に我々のような自分のところの選手が関わっている場合、ほとんど何も言えな状態が生まれます。これ以上は書きません。問題があるかもしれないので。
前日の練習を見ているとなんとか12秒後半くらいの走りはできるかなと感じていました。が、当日になって明らかに動きが硬くなっていました。見えないプレッシャーが大きく影響しているのだと思います。本人には予選だけでも走れればいいと言っておきましたが走るからには記録を出さないといけないという気持ちがあったのだと思います。今年の女子の短距離は今まで以上にレベルが高い。この状態で戦うには厳しすぎます。準備をしっかりとしてから戦うのであれば問題はないのですが、練習開始5日目での練習では・・・。12秒後半で走れれば国体までの3週間で何とか間に合う、間に合わせることができると思っていましたが私自身にも色々と見えない(?)プレッシャーがかかっていました。
実際のレースは最初から動きが悪く本来の走りとは全く別物でした。それでも組の1着でフィニッシュしましたが記録は13秒0。決勝に進むことは出来ないであろう状態です。中間からスピードが上がらない云々ではなく、自分の走りをすることが出来ていません。明らかに意識しすぎです。自分の状態を冷静に分かることが出来れば練習開始から数日である程度まで回復しているということに手応えを感じることが出来ると思いますが、「記録を出さないといけない」という見えないプレッシャーが大きすぎて分からなくなるのだと思います。予選終了後、準決勝を棄権することを告げました。本人はかなりショックだったと思います。次走れば記録が出せたかもしれないという気持ちがあったかもしれませんが今はそれどころではありません。練習をすることにしました。
が、練習を開始して少ししてからここ最近安定していた足首がまた痛いと言い始めました。これにより練習も中止。分からない部分がありますが「走れない自分」がいることを受け入れられないというのも痛みの原因だと思います。走れないのはどこかが痛いからだという理由探しをしてしまいます。「練習が出来ていないから走れない」のは明らかなのですが、高校生にはそれは受け入れられない事実なのです。走らないといけない、でも走れない。どうしようという混乱とプレッシャーから自分自身を見失っている感じでした。見ていて本当にかわいそうでした。色々なことがあって本人が「絶対に国体を走る」という覚悟が見られ始めました。今からというときに大会があり、「走れない自分」がいることを突きつけられる。「今から良くなるだけだから」「数日間でここまで走れるようになったのだから」と言ってもそれはなかなか入っていきません。
加えて私にも大きなプレッシャーがかかりました。これは書きません。が、この状態では私には何も言えない。「国体で走れるように最大限の努力をする」とだけしか言えません。本人のプレッシャーと私自身にかけられるプレッシャー、どちらも計り知れないものがあります。とにかく走れるようにと多くの指導者の力を借りました。治療していただくというのは当たり前のことではありません。多くの時間と労力を使ってもらっているのです。この中で自分自身が「絶対に走る」という気持ちを持たなければ治るものも治りません。治療をしていただいてかなり痛みが引いたというので本人は安心してレースを見ていました。が、ここが甘いと思います。厳しいようですが治療してもらえるチャンスがあるのだから図々しく痛みが完全に引くまで見てもらう必要があると思います。ほかの指導者の善意に甘えるというわけではありませんが、「絶対に走る」という気持ちが本物であればこういうときはもっともっと図々しくなる必要があります。話をして私がもう一度お願いに行きました。これによりレースが終わるまですべての時間を治療に。ありがたいことです。
レース終了時には私が言われていたプレッシャーからは解放されました。私自身の力を超えてどうにもならない部分でしたが、多くの人のご理解と期待により救われました。本当に涙が出ました。この年になって人前で涙を流すというのは・・・と思いますが、それほど大きなことでした。本当に競技を辞めてしまうのではないかという気がしていましたから・・・。このことも含めて学校に戻り国体選手と話しました。周りは下級生ばかりでしたから抱え込んでいるプレッシャーを見せることは出来なかったようです。走れない自分、周りが速く見えて失ってしまう自信・・・。この状況では仕方ないことです。話をして随分楽になったようです。今回の大会期間中、多くの先生方が声をかけてくださった意味が分かったと言っていました。これが本当の意味で理解できて、覚悟を決めることが出来ればこれから見違えるほど強くなると思います。
走れなくなって初めて気づく多くの人の支え。走れるのは当たり前ではない。あれもこれもやりたい、それで競技の結果も出したいはあり得ないのです。高校生レベルでは何かを我慢しなければ集中できないと思っています。遊びたい、彼氏とデートしたい、でもインターハイに行きたいというのは両立できないと考えています。持っている力は限られています。多くのモノに分散してでも届くほど甘くはありません。
これから飛躍的な回復を見せていきます。また書きます。
前日の練習を見ているとなんとか12秒後半くらいの走りはできるかなと感じていました。が、当日になって明らかに動きが硬くなっていました。見えないプレッシャーが大きく影響しているのだと思います。本人には予選だけでも走れればいいと言っておきましたが走るからには記録を出さないといけないという気持ちがあったのだと思います。今年の女子の短距離は今まで以上にレベルが高い。この状態で戦うには厳しすぎます。準備をしっかりとしてから戦うのであれば問題はないのですが、練習開始5日目での練習では・・・。12秒後半で走れれば国体までの3週間で何とか間に合う、間に合わせることができると思っていましたが私自身にも色々と見えない(?)プレッシャーがかかっていました。
実際のレースは最初から動きが悪く本来の走りとは全く別物でした。それでも組の1着でフィニッシュしましたが記録は13秒0。決勝に進むことは出来ないであろう状態です。中間からスピードが上がらない云々ではなく、自分の走りをすることが出来ていません。明らかに意識しすぎです。自分の状態を冷静に分かることが出来れば練習開始から数日である程度まで回復しているということに手応えを感じることが出来ると思いますが、「記録を出さないといけない」という見えないプレッシャーが大きすぎて分からなくなるのだと思います。予選終了後、準決勝を棄権することを告げました。本人はかなりショックだったと思います。次走れば記録が出せたかもしれないという気持ちがあったかもしれませんが今はそれどころではありません。練習をすることにしました。
が、練習を開始して少ししてからここ最近安定していた足首がまた痛いと言い始めました。これにより練習も中止。分からない部分がありますが「走れない自分」がいることを受け入れられないというのも痛みの原因だと思います。走れないのはどこかが痛いからだという理由探しをしてしまいます。「練習が出来ていないから走れない」のは明らかなのですが、高校生にはそれは受け入れられない事実なのです。走らないといけない、でも走れない。どうしようという混乱とプレッシャーから自分自身を見失っている感じでした。見ていて本当にかわいそうでした。色々なことがあって本人が「絶対に国体を走る」という覚悟が見られ始めました。今からというときに大会があり、「走れない自分」がいることを突きつけられる。「今から良くなるだけだから」「数日間でここまで走れるようになったのだから」と言ってもそれはなかなか入っていきません。
加えて私にも大きなプレッシャーがかかりました。これは書きません。が、この状態では私には何も言えない。「国体で走れるように最大限の努力をする」とだけしか言えません。本人のプレッシャーと私自身にかけられるプレッシャー、どちらも計り知れないものがあります。とにかく走れるようにと多くの指導者の力を借りました。治療していただくというのは当たり前のことではありません。多くの時間と労力を使ってもらっているのです。この中で自分自身が「絶対に走る」という気持ちを持たなければ治るものも治りません。治療をしていただいてかなり痛みが引いたというので本人は安心してレースを見ていました。が、ここが甘いと思います。厳しいようですが治療してもらえるチャンスがあるのだから図々しく痛みが完全に引くまで見てもらう必要があると思います。ほかの指導者の善意に甘えるというわけではありませんが、「絶対に走る」という気持ちが本物であればこういうときはもっともっと図々しくなる必要があります。話をして私がもう一度お願いに行きました。これによりレースが終わるまですべての時間を治療に。ありがたいことです。
レース終了時には私が言われていたプレッシャーからは解放されました。私自身の力を超えてどうにもならない部分でしたが、多くの人のご理解と期待により救われました。本当に涙が出ました。この年になって人前で涙を流すというのは・・・と思いますが、それほど大きなことでした。本当に競技を辞めてしまうのではないかという気がしていましたから・・・。このことも含めて学校に戻り国体選手と話しました。周りは下級生ばかりでしたから抱え込んでいるプレッシャーを見せることは出来なかったようです。走れない自分、周りが速く見えて失ってしまう自信・・・。この状況では仕方ないことです。話をして随分楽になったようです。今回の大会期間中、多くの先生方が声をかけてくださった意味が分かったと言っていました。これが本当の意味で理解できて、覚悟を決めることが出来ればこれから見違えるほど強くなると思います。
走れなくなって初めて気づく多くの人の支え。走れるのは当たり前ではない。あれもこれもやりたい、それで競技の結果も出したいはあり得ないのです。高校生レベルでは何かを我慢しなければ集中できないと思っています。遊びたい、彼氏とデートしたい、でもインターハイに行きたいというのは両立できないと考えています。持っている力は限られています。多くのモノに分散してでも届くほど甘くはありません。
これから飛躍的な回復を見せていきます。また書きます。