火曜日。この日はkrkと一緒に練習をすることになっていました。タータンでの練習が必要になるのでうちの選手も場所を移動しての練習としました。夏休みに入っているので練習開始時間が早くなります。暑いのもあるので8時開始としています。krkの電車の時間もあるのでこの日は少し遅くしましたが。それでも8時過ぎには始めます。そうなると練習計画を立てるのが大変になります。
選手は待っていたら提供されます。しかし、このメニューを提示するというのも簡単ではない。かなり早い時間に職場に行ってその日の天候と状況を見ながら試行錯誤して考えます。必要な練習要素を自分の中で考えながらやる。それを計画した後に荷物の不足分を車に積み込んで移動する。結構な負担です。
こういう意味では「与えすぎ」なのかもしれません。毎日毎日、飽きないように一工夫も二工夫もしながらやっています。どうすればやりたい動きを身につけられるか。様々な方法論を考えてやっていく。「ちょっと変わっているかもしれない」という自覚はありますが、私の中では「練習をする」「指導をする」というのはこれくらいやるのが当たり前という感じになっています。できるだけ良い者を提供したい。「無料で良い食材を調理して料理を作る」という感じに近いのかもしれません。職人か?!(笑)
で、競技場にて練習メニューを提示する。すると、なぜか前半部分のメニューがきちんとしたものになっていません。過去のメニューを参考にしながら組み合わせて作っています。が、印刷したものが全く違うものになっている。ショックでした。仕方ないので、一部分だけは手書きで書きなおしました。後半部分からは問題なかったのですが。うーん。
ハードル準備なども含めて練習開始は少し遅くなっていました。これも仕方ない。お客さんが来てくれているので最大限の接待をしなければいけないと思っています。練習に関しては途中まで一緒に。400mHのための練習に来ているのは間違いありませんが、それだけをやるのでは先がありません。基礎的な部分もきちんとやっておきたい。こうやって任せてもらえる部分があるのでこちらも最大限のことはやりたいと思います。
バランス系をやってDM∞。krkはこれまでも一緒にやっているのでこの辺りのメニューをやるのは分かっています。得意。そこから反発系の動きを。これは本当に「手本」という感じですね。もう天才的な動きです。実際にこの動きをうちの選手が見れるというのは大きいと思います。縄跳びを使ったもも上げも直線的な動きをします。基本コンセプトが同じなのでこういう動きをさせても直線的な足運びができます。台を使った練習もほぼこちらの求めている通りの動き。これをうちの男子が見てどう感じるか。参考になる部分がめちゃくちゃあるのですがそれを感じ取れるか。
スイッチング+スキップも実施。krkが唯一といっていいほど苦手な「片足スキップ」があります。やはりできません。ここができればもっともっと進む感覚ができるのですが。ここまでやってうちの選手とkrkは別メニューに。走る基礎的な部分だけをやってあとハードル。krkはショートダッシュとカーブ直線を実施。速い。もうどうなんだろう・・・(笑)。
うちの選手と離れて別にハードル練習を。先日の高体連記録会のときに1台目のアプローチが不十分でした中国大会前に一緒にやった時にかなり修正できていたのですがまた元に戻っていました。流れを作るという意味でここに時間を割く。走れているので21歩で詰まります。何度も何度も走りの感覚の調整をしました。1台目で詰まって2台までの13歩が大きくなりすぎる傾向がある。走りの中にハードルがあると考えれば十分対応できるのですが。
実際問題、ハードリング・逆足・インターバルの調整力は「日本一」だと思います。もう別格。きちんと走れれば勝てるのではないかと思っています。高いレベルの400mHですがkrkが力を出し切れば可能性はある。勝手にそう思っています。レース展開についてもかなり詰めました。どういうパターンで走るかを決める。風の条件もありますからその場で判断するしかない。一応2つのパターンで考えています。最後の本人の走っている中での感覚。
kd先生が練習でランダムハードルをされています。krkと話をしている中で「ハードルが来たら勝手に跳べる」という言葉がありました。これはランダムハードルの最大効果だと思います。女子ではこれでビビッて足を合わせてしまうのですがkrkは「来たら跳ぶ」感覚です。昨年はこれができませんでしたが1年間で全くの別人のように調整できるようになっています。「チョコチョコ」になる可能性はほぼ0だと思っています。この感覚の選手と話ができるというのは本当に面白い。感覚のすり合わせができるというのは勉強になります。
ある程度の流れができたので最後に負荷をかけることに。「たくさん量を走るよりは1本集中して走るほうが得意」と言います。まーその話に乗っかるようにしています。200mH+200m+200mHをやろうということに。1本ではないですが(笑)。スタブロから200mHを走る。これは実際のレースと同じ感覚で走ります。13歩。走り終わったら少し休憩して200mを全力。さらに3分程度休息をして「15歩で押し切る」ための練習を。
本人が自信を持っているところをしっかりと磨きたいと思いました。15歩になった時にしっかりと走っていく。もともと走りが大きいので13歩で行けますが、最後の15歩はある程度ピッチで走らなければいけません。それも疲れている中での15歩。試合を意識しての練習です。インターハイで戦うために。任せてもらっている部分があるのでレースパターンと本人への意識づけは私の役割だと思っていました。追い込むというだけではなく「レースを意識する」中で実際に近い走りをする。
一人で走ると「楽をしてしまう」部分があるのでうちの男子を一緒に走らせることに。全力で走っても200mHに勝てないかもしれません。それでも引っ張ることができるだけやらせようと。内容を説明して各場所に分かれて引っ張ることにしました。200mHは予定通りの展開で走れる。ここで休憩を少し挟みます。が、うちの選手は何を思ったかkrkが200mHを走ってきたのに合わせて後半の200mを走り始めました。「引っ張る」という意味をでやっているのに何もない中で勝手に走っています・・・。一事が万事。全く話を聞いていないし、何のために練習をしているのかを理解していない・・・。辛すぎる。もう一度、前半の200mを走ってきた選手に引っ張らせることにしました。
最後の200mHの15歩。1-2台目を失敗して14歩になってしましました。途中から戻して15歩で走る。がむしゃらになっている部分はありましたがしっかりと走れていました。20分ほど休憩して今度は「4台目まで+150m+200mH」にしました。疲れもあるでしょうから距離設定を変えて。4台目までが13歩なのでそこまできちんと流れを作る。少し休んで150m。これは速かった。うちの選手があっという間に抜かれてしまったので最後の一番きつい50mが一人になってしまいましたが・・・。
3分休んでの200mH。もう圧巻でした。15歩で走り続ける。うちの男子はハンデを与えていましたが負けました。スピード持続半端ない。本人も手ごたえを感じていました。いや強い。練習が終わってから本人が「準決勝と決勝の想定練習ですね」と言っていました。一応そのつもりでしたが本人が底をイメージして走っていたとは。ちょっと泣きそうでした(笑)。
本当に貴重な経験をさせてもらっています。私もうちの選手も。400mHに関しては色々な考え方があります。単純に走っておけば勝てるというものではない。戦略戦術がある。また、走り方のコツやポイントになる部分歩数の調整のやり方もあります。これまで培ってきた部分をkrkの指導にかかわらせてもらえることで洗練されてきた感じがあります。こういう機会を与えてもらえることに感謝しかありません。やはり400mHは面白い。
うちの練習については触れられていません。可能であればまた書きます。たぶん。