kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

理解すること

2019-07-13 | 陸上競技

少し思うことを。

 

「各自で練習を」という指示を出した。これは前の記事にも書いたが「理解しているかどうか」によってその意味合いは大きく変わってくる。物事に対してはほとんどがこの部分が影響すると思う。何かをやるにあたって「何のためにやっているのか」が分からなければその効果は著しく低くなる。とはいっても大半は「流れ」でやっているのでわからないことが多くなるのだが。

 

自分が現役時代のこと。やりたいな思う練習がある。しかし、全体に合わせてやらなければいけない内容も多く効率が悪い部分がたくさんあった。当時は「量」を追うことが自分の中で多くあった。これも非効率的な練習だったと思う。今の考え方の中で競技ができていたらもう少し違った結果になっていたと思う。集団で練習をすることも多くなる。そうなると「これはやっておきたいな」と思うメニューができない。当然の話。指導者がいない中での練習が当たり前だったので「一律のメニュー」の中で実施していることが多かった。

 

当時、他校にライバルがいた。その選手は大学1年生のときから実績を出していた。少しずつ追いついて大学4年生のときにはなんとか勝つことができるようになっていた。私は大学院でもう2年競技を続けたがライバルであった彼はそのまま教員になっていた。実際に私が教員になって数年後、初めて国体にコーチとして参加した秋田国体。ライバルだった彼は「競技者」として参加していた。教員になってからも競技を続けて学生時代から1秒以上も記録を伸ばしていた。国体のときにその理由を聞くと「自分でやりたい練習ができるようになった」ことが一番の要因だと話していた。学生時代は「合わせる」ことが求められる。今は自分の思うように練習を組み立てられるのでそれが結果につながっているのだと。

 

正直、うらやましいなと思った。私は「完全燃焼」で競技を終えたわけではない。400mHに出場したいと思っていたが「日本選手権リレー」と重なっていて最後は400mHを走っていない。明確な「終わり」を迎える前にいつのまにか引退してしまったという感覚がある。「リレー」か「個人」か。これも非常に難しくなる。このときに「集団」と「個」についてかなり考えた。どちらも大切。どちらか一方ができればいいという話ではない。

 
今、練習はメニューを提供してそれに従って実施している。本来であればある程度「自由度」があるほうがいいと思う。一律のメニューよりもそれぞれに必要な練習をするほうが感覚的に良くなる可能性がある。そこには良し悪しがある。理由は明確。「理解度の差」があるから。自由度を与えるというのは「考える」という意味では本当に大切。しかし、それは一定水準の理解があるという前提があって初めて成り立つ。
 
「やるだけ」の選手にとっては「フリー練習」は本当にフリーでしかない。やらなくて済むという意味でのフリー。二日間、意図的に「フリー」の時間割与えたが「膝締め歩行みたいなこと」をひたすらやっている者も。これに関してはフリーにすることによって本当にフリーになる。必要なことが何か。何をするべきかを考えることができない状態でやっているのであればその時間は有益ではない。
 
理解する。与えられるのが当たり前になっていると「考えること」を放棄してしまうのではないかなという気もする。もちろんその前提が「速くなりたい」という想いがあるかどうかだが。本当に強くなりたいと思う者に合わせるならある程度「考えてやる」という時間も必要かなと感じている。結局はどこに合わせるのかになるのだが。
 
感覚的な磨こうとする選手でなければ「フリー練習」の時間は本当に自由に適当にやるだけの時間になってしまう。性格的な「きちんとやりたい」というのがありました。全員がきちんとできる練習を作る。そう思っていましたが今の時代であればもうそれは不可能なんだろうなと感じています。適度にやる者に関してはそれで自分が満足するのであればもうそれで良いかなと。自分のためになにをするか。強制するわけではない。
 
それなりの自信はあります。私自身が練習に関しては理解を深めています。だとしても100人いて100人がきちんとできる指導をするのは不可能だと分かりました。今更ですが。
 
理解する。ここを欲してやってくれる選手であれば必ず結果につながると思います。考えさせる、理解させるという部分はこちらで作り出したいなと。これまでのやり方を改めなければ先には進めないと思います。自分自身も変わらなければいけない。強く感じています。
コメント
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