kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

スパイクについて

2022-07-04 | 陸上競技

ちょっと真面目に。

 

先日、練習をしているときに「このスパイクをはくとふくらはぎが痛くなる」と選手からの相談がありました。1年生です。見てみるとアディダスのスパイク。かなりプレートが硬いものでした。高価(笑)。実際問題、このことは「故障の原因」になっているのではないかと改めて感じています。

 

同じタイミングで長距離がポイント練習でスピードを上げて走っていました。中距離選手はスパイクをはいて。多分「ドラゴンフライ」だと思います。接地した時の音がかなり強い感じがしました。スピードは出るんだろうなと。が、本当にそれが「練習」にとっていいのかどうか気になりました。これだけスピードが出るというのはその反面、「ダメージ」も大きいのではないか。

 

中学生がナイキの「エアマックスフライ」をはいているのを見たことがあります。このスパイクをはけば速く走れるというのがあるのかもしれません。上述のアディダスのスパイクをはいていた選手もかなり高価なスパイクをはいています。試合用ですね。

 

が、実際問題練習でこの「高反発」のスパイクをはくことはどうなのか。試合は1本ですが練習では何本か走ります。その中で大きなダメージがあるのではないか。もっというと、10秒中盤を出そうというスパイクを12秒を切るかどうかの選手が履いていることでメリットはあるのか。弊害のほうが大きいのではないかなという感じがあります。タータンで練習をするから怪我をするというのではなく、スパイクの問題を先に見直す必要があるのではないかなと思っています。

 

土のグランドで練習をする選手は「高反発」のスパイクで練習をすることは少ない。普通の学校にはタータンがないでしょうから。それにより足が守られる部分が大きいと思っています。けがが少ないから練習が継続できる。スピードが上がるとかではなく「継続できる」ことによって力が上がります。タータンがあるからよいスパイクでスピードを出すというのは一見いい感じに見えますが、その反面ダメージが大きい。11秒後半の選手が身体ができていないのに高反発の高価なスパイクで練習をしていると身体がついてこない気がします。良いスパイクをはいたら速く走れるというのはあると思いますが。早い段階から高価なスパイクで高反発の中で走るのは避けたほうがいいのかなと。

 

エフォートのような初心者向けのスパイクもあります。まーこのスパイクをはいていたら「速くない」と思われるのかもしれませんが。それでも毎日のことです。ソールが薄い高反発のスパイクで練習を重ねるとダメージが蓄積します。身体ができていない高校生が最初から高反発のスパイクに頼るのは良くないのかなと改めて感じました。

 

良いスパイクをはいているというのは競技者にとってはステータスなのかもしれません。クロノインクスでも当時はプレートが硬いというのがありましたが、今ではその比ではない硬さがあります。それが故障につながるとい可能性は高いと思っています。が、中高生はその感覚はない。「高いスパイク」に憧れます(笑)。

 

自分の競技力にあったスパイクを選ぶ必要があると思います。贅沢な話なのかもしれませんが練習用のスパイクと試合用のスパイクは別のもののほうがいいと思います。ポイント練習で試合用のスパイクをはいて走るのはいいと思いますが、すべての練習で試合用のスパイクで走ると故障につながるのかなと。中距離でもあの硬いプレートで走っています。そりゃ記録出るわという感じもありますが、まずは「継続して練習をする」というのが重要なのかなと思っています。

 

当たり前のことを書いています。が、高校生には分からない部分かもしれません。保護者の方が見ていたらぜひとも理解してほしい部分です。「高いもの」だから速く走れるというだけではありません。その前段階で「良い練習をする」というのが重要です。1本のスピード負荷が高くなるタータンの練習だからこそ「安全性」も考えてスパイクは選ぶべきではないか。土であれば反発が小さいから怪我をしにくい。もちろん、レースの感覚とは異なる部分もあります。それでも何を選ぶかというのは大きいかなと。

 

真面目な話でした。分かりにくいですかね。

コメント (2)
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できることを

2022-07-04 | 陸上競技

全く更新せず。疲労感もありながらですね。

 

日曜日の午後、他の学校の選手の指導をさせてもらいました。IHに向けて何をするかということで。100mHと400mHの両立をするのかどうか。昨年度から記録的には伸び切れていない部分もあります。能力的には過去最高のレベルだと思いますが、専門的な部分をどのようにすうるか。顧問の先生と先日話をして「今後どうするか」を検討。400mHで勝負をかけたいということだったので。それに合わせてレースパターンを大きく変えていこうと。そのための別練習です。

 

ほとんど練習をせずに高跳びで160を越える選手です。バネがあります。が、400mHのハードルインターバルが17歩。詰まります。練習会ではショートハードルにこだわりがあったのでそちらの練習がメイン。刻み切れない部分があるのでどうしてもタイムが出ません。昨年度13秒台に入っていますが今年はまだ。特性が生かせていない感じがありました。

 

今年度、親しい指導者が異動で赴任。細かい部分も話をすることができました。400mHで勝負する。そちらにシフトする感じでした。1か月しかないのでどこまでできるのか。分かりませんがこれまでのパターンでは勝負にならないのだけは確かです。しっかりとレースを作るためには「レース戦略の変更」が必要になります。

 

県総体の時からとにかく詰まる。ハードル前での減速が大きいのでその部分は個別に話をしていました。が、細かい部分の練習などは話していません。17歩で行くならもっと手前で刻む必要がある。これだけ減速して走っていたらスピードが上がる局面が作れない中で走ることになります。そうであれば23歩、16歩にするほうが良いと思っています。1年生の時から「逆脚の必要性」については話をしてました。レース中もなんとか使えるようになっていますが、ハイスピードでの逆脚をどれだけ使えるのか。

 

正直、「あと1か月」という制約があるのは確かです。「無難に17歩で」という選択もあるかもしれません。が、これでは最大でも61秒前半かなという感じです。これでは予選を何とか通過して準決勝で終わり。勝負するまでには届きません。そうであればチャレンジする必要はあります。バネがあるタイプ、のびやかに走るので「刻む」イメージよりも流れの中でハードルを跳んでいくほうが良いのかなと思います。ogw先生と確認をしながら方向性を考えていきました。こういう機会を与えてもらえるというのはありがたいことです。できることは最大限にやっていきたいなと。

 

アップを軽くしてもらってマークを置いて2m間隔で走る。16歩のストライドの確保です。オーバーストライド気味になるかどうかはこの辺りで事前に確認しておくほうが良いと思います。単純に「16歩で行けばよい」というのではなく走りの流れの中での「16歩」でなければいけません。見てみるとちょうどいいくらいの感じだったので16歩へのチャレンジを決定。あとは3台目までにするか5台目までにするか。徳島のysn先生に連絡をして競技場の感じを確認。バックストレートが若干の追い風になるかなと。当日の条件によるとは思いますが、今の段階では3台目までかなと。

 

まずは1台目までの23歩の練習。24歩で走ると完全に詰まるのでスピードを上げて走ることができない。これは中国大会の前日もでした。指摘はしましたがそれだけで終わっていた感じです。流れを作るためには23歩。スタンディングからの23歩はスムーズでした。スタートの足が逆脚になるのでどうかなというのもありましたが、スムーズ。こうやって「やってほしい」と思うことを実際に体現してくれる選手というのはありがたいですね。「やりたい」と「できる」は別です。それができるというのは大きい。

 

スタブロからの23歩。思うように届きません。追い風に助けられている部分もありましたが、それでも届かない。初めてやることなので当然戸惑いもあります。届かないのでどうするか。走りの中でどのようにするか。これもogw先生に手伝ってもらいながら。1台目が合わないときには「中間マーク」を使って調整します。これまでの経験上、1台目に合わせるのは難しいというのがあります。いきなり合わせるのではなくその前の段階で合わせていく。微妙な感覚だと思います。

 

最初の5歩はいつも通り。ここが大きくなると動きが崩れます。そこから10歩で調整。ストライドを確保していきます。最後の8歩は踏切のための準備。最後の4歩で調整するというのは難しいと思うので。自分で「どれくらいストライドを確保すればいいか」を理解してもらう必要があります。1歩で5センチかもしれません。10センチかもしれません。これまで刻んで走っていたところから、少し伸ばさないといけない。自由に走ればそれでいいという話ではない。ogw先生がいてくれたのでそのあたりのことを話ながら今後の練習の準備をしていきました。ある程度やるとできるようになる。すごいなと思いますね。これくらいの能力の選手が本気でヨンパをやれば本当に戦えるのではないかなと。

 

3台目までの練習を何本かやりました。この日は意図的に「直線」にハードルを置きました初めてやる23歩、16歩なので「いける」という感覚をつかんでほしいというのがあったからです。追い風で直線。それで届くようになれば「大丈夫」という感じがつかめるようになります。そこからカーブにもっていけばいいかなと。「なんとなく跳べる」という選手はたくさんいます。きちんと「組み立てる」中でレースを作っていく。

 

逆足の踏切が弱いので身体が浮きません。ハードリングは低くなるのですが「つぶれる」感じになってしまって2-3台目の走りが悪くなります。ここに関しても「高くなってもいい」というくらいの感じで伝えています。しっかり踏み切るほうがいい。逆足の1歩ハードルもやってもらうようにお願いしています。これが何とかなれば計算ができます。まーカーブの2台目になると別の要素が出てくるのでそれはまた別の機会にやらないといけないかなと思っています。まずは「大丈夫」という感覚づくり。

 

最後に1本タッチダウンを計ってもらう。6秒2-4秒6-4秒8でした。1台目は目測で測っているので早いと思います。が、その後のタッチダウンは面白い。無理をしている感じはありません。それでこのタッチダウン。もちろん、追い風と直線というのもありますから一喜一憂はできません。それでも「初めてのチャレンジ」で無難にこなせるというのはすごい。

 

1か月間、関わらせてもらえます。このことには感謝しかありません。自分がやりたいなと思っていること、その選手にとって必要だなというアプローチの仕方を提案してそれを体現してくれる。これは最高に楽しいなと思います。ありがたいことです。

 

なんとか58秒台を目指して取り組んでいけたらと思います。本当はもう少しあったのですがとりあえず記録として残しておきます。

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