ちょっと真面目に。
先日、練習をしているときに「このスパイクをはくとふくらはぎが痛くなる」と選手からの相談がありました。1年生です。見てみるとアディダスのスパイク。かなりプレートが硬いものでした。高価(笑)。実際問題、このことは「故障の原因」になっているのではないかと改めて感じています。
同じタイミングで長距離がポイント練習でスピードを上げて走っていました。中距離選手はスパイクをはいて。多分「ドラゴンフライ」だと思います。接地した時の音がかなり強い感じがしました。スピードは出るんだろうなと。が、本当にそれが「練習」にとっていいのかどうか気になりました。これだけスピードが出るというのはその反面、「ダメージ」も大きいのではないか。
中学生がナイキの「エアマックスフライ」をはいているのを見たことがあります。このスパイクをはけば速く走れるというのがあるのかもしれません。上述のアディダスのスパイクをはいていた選手もかなり高価なスパイクをはいています。試合用ですね。
が、実際問題練習でこの「高反発」のスパイクをはくことはどうなのか。試合は1本ですが練習では何本か走ります。その中で大きなダメージがあるのではないか。もっというと、10秒中盤を出そうというスパイクを12秒を切るかどうかの選手が履いていることでメリットはあるのか。弊害のほうが大きいのではないかなという感じがあります。タータンで練習をするから怪我をするというのではなく、スパイクの問題を先に見直す必要があるのではないかなと思っています。
土のグランドで練習をする選手は「高反発」のスパイクで練習をすることは少ない。普通の学校にはタータンがないでしょうから。それにより足が守られる部分が大きいと思っています。けがが少ないから練習が継続できる。スピードが上がるとかではなく「継続できる」ことによって力が上がります。タータンがあるからよいスパイクでスピードを出すというのは一見いい感じに見えますが、その反面ダメージが大きい。11秒後半の選手が身体ができていないのに高反発の高価なスパイクで練習をしていると身体がついてこない気がします。良いスパイクをはいたら速く走れるというのはあると思いますが。早い段階から高価なスパイクで高反発の中で走るのは避けたほうがいいのかなと。
エフォートのような初心者向けのスパイクもあります。まーこのスパイクをはいていたら「速くない」と思われるのかもしれませんが。それでも毎日のことです。ソールが薄い高反発のスパイクで練習を重ねるとダメージが蓄積します。身体ができていない高校生が最初から高反発のスパイクに頼るのは良くないのかなと改めて感じました。
良いスパイクをはいているというのは競技者にとってはステータスなのかもしれません。クロノインクスでも当時はプレートが硬いというのがありましたが、今ではその比ではない硬さがあります。それが故障につながるとい可能性は高いと思っています。が、中高生はその感覚はない。「高いスパイク」に憧れます(笑)。
自分の競技力にあったスパイクを選ぶ必要があると思います。贅沢な話なのかもしれませんが練習用のスパイクと試合用のスパイクは別のもののほうがいいと思います。ポイント練習で試合用のスパイクをはいて走るのはいいと思いますが、すべての練習で試合用のスパイクで走ると故障につながるのかなと。中距離でもあの硬いプレートで走っています。そりゃ記録出るわという感じもありますが、まずは「継続して練習をする」というのが重要なのかなと思っています。
当たり前のことを書いています。が、高校生には分からない部分かもしれません。保護者の方が見ていたらぜひとも理解してほしい部分です。「高いもの」だから速く走れるというだけではありません。その前段階で「良い練習をする」というのが重要です。1本のスピード負荷が高くなるタータンの練習だからこそ「安全性」も考えてスパイクは選ぶべきではないか。土であれば反発が小さいから怪我をしにくい。もちろん、レースの感覚とは異なる部分もあります。それでも何を選ぶかというのは大きいかなと。
真面目な話でした。分かりにくいですかね。