kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

徹底的に補強

2022-07-23 | 陸上競技

木曜日。夏休みに入りました。これまでと比べるとかなり時間が確保できるかなという感じがあります。時間をかけてじっくり取り組む。一段飛ばしではなく一歩一歩確実に。そのためには忍耐力も必要です。前日の最後、苦手な種目になった時に声が全くでなかったり、最大限の負荷をかけられない選手が複数名。ここは「自分で何とかしてほしい」ところです。本来であれば、「強くなるため」に練習をしているのだから弱気になる部分が出てきたら困ります。とはいえ、高校生なので「叱咤激励」をしながら背中を押すことも必要だと思っています。今の時代はそれさえも難しくなっているのかもしれません。

 

意図的に最初の段階でその話をしました。やはり、その選手の特徴は「苦しくなった時」に出てくると思います。楽しいときや調子のいいときにはガンガンできる。前向きになれる。が、苦手なことや面白くない練習になった時には気持ちが沈む。最大限の負荷をかけられない。この状況で本当に「勝負する」ということができるのか。地道な練習も必要不可欠です。が、状況を見る限る「ひたすらやる」というのができない状況もあるのかなと感じています。雰囲気の部分もあります。だからこそ意図的に「このままでいいのか?」という投げかけをします。結局「投げかけ」だけでは1年間経過しても大きな変化が感じられなかったのでこういう形で話をしたり、補強などでガンガン追い込む形をとるしかないのかなという結論になったのですが。

 

単独でやっているときには「練習の6割が補強」という感じでした。それほど強くない選手を預かっていたので一番手っ取り早いのは「身体づくり」をすることです。身体を動かすために必要な筋力をどれだけ上げられるか。時間がかかる部分ですが「徹底的にやる」ことで間違いなく上がっていきます。これまでの経験上、夏休みに入るときにはある程度のきょん力向上が見られました。身体つきも変わってきていた。今は学年が上がってもその部分が足りない気がします。妥協せずにしっかりとやらせることは重要だと思います。「自分なりに」ではなく「本当に必要な負荷」をかけていかなければいけない。

 

この日も基本的な流れは同じ。最初にバランス系をやってからサーキット。そこからドリルです。サーキットを見ていると「変化」があまり感じられません。強くなっている感じがない。やはり「自分のペースで負荷をかける」という感じになっているのかなと。1回でも多くやるという感じがない。ここは大きな課題です。声をかけながらやらせていかないといけない。「追い込みすぎる」というのが以前はあったようですが、今は「最大負荷をかける」というのができていません。それが「当たり前」になっているので「やっている」という感じが強くなっています。もっともっとできる部分があります。

 

結局、私の指導観としては「できないことを潰す」というのがあります。「ほめて伸ばす」というのが主流なのかもしれません。良いところだけみていく。しかし、大切な時には「良い面」よりも「できない面」が顕著に現れます。だからレースで失敗する。流れが悪くなって途中で中途半端な走りになる。それは事前にわかっていることなのです。分かっていても「仕方ない」というので終わるのか、「失敗しないためにどうするか」を考えるかで全く違ってきます。今は不十分な点がいくつもあるのでそこを潰していくのが最優先事項。重要なことだと思っています。

 

ドリルへ。IHまでの期間はとにかく「徹底的に基礎」だと思っています。この部分がどれだけできるか。詰め込む形になりますが、「無意識でできる」段階にならなければいけません。しつこく何度も繰り返す中で改善していく。「膝締め」と「接地の角度」を徹底的に。ハードルを使いながらやる種目もあります。股関節周辺の強化になる。やりたいことがあっても基礎筋力が低いとできないことも増えます。基礎ドリルをやるというのは筋力の向上にもつながっていきます。進むセンスがある選手はそれほどこういうドリルをやらなくてもよいのだと思います。進みますから。普通の選手を強化しようと思ったらやはり「進むために必要な動き」を習得させなければいけないと思っています。

 

そこからはウエイト。女子は冬の間に別メニューでトレーニングをしていました。1年生もそれに交じってという感じです。最近はほとんどやっていないので動きも雑になる。丁寧に説明をさせながらやっていきました。考えたときに思っていた負荷と比べてかなり軽くなっている感じがありました。慣れて来ていたので自然に「楽をする」感じになっていたのだと思います。そこを無理やりでも「しっかりやらせる」ようにする。ランジも「反発系のランジ」がいいという感じになっていましたが、よく見てみると全く負荷がかかってない。もっとベーシックなランジに戻しました。このほうが圧倒的に負荷がかかります。重い負荷をかけるのではなく自重プラスアルファでも大きな負荷がかかるのです。そこを重視していけば十分。大きな動きと正確な負荷をかけるだけでずいぶん違ってきます。1年生はへとへとになっていました。こういう練習が必要だと考えています。基礎筋力を上げるために何をするのか。徹底的にやる。

 

その後、男子と合流してMD投げと腹筋などを。夏の補強はメニューを決めて自分達でもできるようにというのもあると思います。他の顧問が「腕立て腹筋背筋」の繰り返しでもいいのではないかと話をしていました。本当に負荷をかけられるのであればそのほうがいいと思います。しかし、今の状況であれば「地道に積み重ねる」というのが十分にできません。そうであれば「様子を見ながら負荷をかける」というのがいいと思っています。「いかにさぼらせないか」という感じでしょうか。ある程度こちらで声掛けをしながら負荷をかけていきます。もちろん、苦しいところで手を抜いてしまう選手も出ます。自分が思っていなくても苦しさに負けて抜いてしまう。それをさせないために「バリエーション」を考えながらやっていく。それが本当にいいことなのかどうか分かりません。言わなくても自分たちで追い込めるのであればそれでいいですが、今は違うと思います。きちんとした負荷をかけられる補強を徹底する。

 

かなりの時間になりました。それでも妥協せずやり続けることが重要だと思っています。指導する側が「これくらいでいいだろう」と妥協していたらやはり選手を鍛えることはできません。こんな考え方は時代に即していないといわれるのかもしれません。それでも何でもかんでも「易きに流れる」のではなく「不易」の部分が必要だと思っています。徹底的にやることで本人たちにも感じる部分がある。自分自身に妥協せずに物事を取り組めるようになってもらいたいと思います。気分でやらないことも重要。

 

ちょっとやる気を出しています。何とかしないといけないという気持ちがあります。それだけは確か。

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