照る日曇る日第955回
私はすでに棺桶に片足を踏み入れた身なので、これまでてんで関心のなかった若手歌人を総特集した超便利なハンドブックずら。
若手というても無慮無数に散在しているので、それをなんと1970年代生まれ、80年代生まれ、90年代生まれの年代別にグループ分けして、それぞれの年代を代表すると編者が思った歌人の紹介とおよそ50首の作品を列挙して読者の便宜を図っている。
全部で40の名前があがっているが、そのほとんどが初めて聞く名前、初めて知る作品で、非常に面白く、また作歌上の多少の為になりました。いやならんかったかな。
その中で強いていうならば、花山周子、永井祐、望月裕二郎、吉岡太朗の4選手の作風が体に残りましたね。
『現代日本産業講座』の角が頭に当たれば即死するなり 花山周子
あの青い電車にもしもぶつかればはね飛ばされたりするんだろうな 永井祐
トランクスを降ろして便器に跨って尻から個人情報を出す 望月裕二郎
自転車のサドルとわしのきんたまとその触れ合いとへだたりのこと 吉岡太朗
こおゆうゆうぼうな若手たちが雨後のたけのこのごとく輩出してきているので、未来短歌界は安心じゃ。わいらあのよおなロートルは、まんず、あらエッサアサアと退場することといたしませう。
2曲目の協奏曲の演奏が終ると必ずアンコールをせがむ聴衆 蝶人