あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

シリーズ「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々満載挨拶スピーチ実例集!」

2017-10-11 18:18:16 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 264


第6回 「金婚式/金婚式を迎えた夫の感謝のスピーチ」


テーマ=愛妻と苦楽をともにした半世紀をしみじみと回顧

本日はご多用中にも係わりませず、かくも多数の皆々様のご出席を賜りましてありがたく厚く感謝致しております。

*1私ども夫婦が結婚しまして横浜の一隅に居を構えてから既に半世紀以上の年月が経過したとは我ながら信じられません。こうして、衣食住がまずは満ち足りて、何不自由なく「日々是好日」の毎日を送らせていただいているのも、普段世話になっております娘夫婦をはじめ、本日ご列席の皆々様のお陰です。

*2そんな平凡かつ平安に満ちた日常の中で、時とすると甦ってくるのは、やはり亡き戦友の面影であり、戦乱に明け暮れた不幸と不安の時代のことです。
幸いにも私は奇跡的に生きながらえて祖国に帰還することができましたが、異国の山野や海原に非業の死を遂げた戦友の末路を思えば、かえりみて内心忸怩たる思いにとらわれるときもございます。
彼らのためにも、また生き残った私自身のためにも、何事か意義あることをし残したいと毎日考えておりますが、気ばかり焦るうちにいたずらに歳月が流れてゆきます。

*3最近は、この年になって、息子の指南でゴルフを覚え、青空の下で体を動かし、無心に白球を飛ばす喜びに目覚めました。息子といっしょにコースをまわる度に、これが人生最高の幸せというものだと実感いたします。

*4幸せということでは、家内との旅行も私に生きていることの喜びを味あわせてくれます。もう年が年なので、あんまり遠くには行きませんが、家内といっしょに出かける一泊二日の小さな旅はとても楽しく、私が病気がちでいろいろ苦労をさせてきた家内へのせめてもの恩返しでもあります。

「いつも国内旅行ばかりだから一度ニューヨークかロンドン、パリに出かけてみませんか」、と息子がすすめるのでついついその気になって計画を進めていましたら、あの同時テロ事件が起こりました。「人生一寸先は闇」とはよく言ったものですね。

まあこれからはできるだけ息子夫婦や皆さまの迷惑にならないように留意しながら、あんまりあくせくしないで、のんびりマイペースで家内と二人三脚、ゆっくりゆっくり歩きつづけて参りたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。

○ スピーチのポイント
1) 妻と苦楽をともにした半世紀を振り返るわけですが、即興的に話すことに慣れている人は別にして、スピーチの要点をメモにして書き出し、時々そのメモを見ながら話すと重要なポイントを言い落とす心配がないので安心です。
2) 誰にもかけがえのない自分史があります。過去の日記や資料に中から幾つかのエピソードを選び出し、その旬の部分を全体のハイライトとして構成し、前後に枝葉をつけると立体的なスピーチになります。
3) 日頃お世話になっている方への感謝の気持を表現しましょう。その際、できるだけ具体的なエピソードを通じてスピーチすると聞く側の感銘が深まります。
4) 人生の同伴者である妻への感謝も忘れずに。


    自公維希有象無象を薙ぎ倒し衆院選を勝たねばならぬ 蝶人

コメント
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