照る日曇る日第1778回
日本赤軍の革命運動、なかんずく反イスラエルのパレスチナ解放闘争を主導し、懲役20年の服役を終えT22年5月に出獄した作者の第2歌集である。
塹壕の司令部室の空薬莢一輪挿のムスカリの花
カラシニコフ抱きて砂漠に寝転びて流れる星の多さを知りぬ
「愛と革命に命を投げ出した」とは彼女のためにあるような言葉だから、1首1首に込められた思想や行動の重さに思わずたじろいでしまうようなこともある。
殺されて殺され続けて奪われて尚空爆下のガザに住む民
喉仏ごくりとひとつ動かして弁解もせず去りし友あり
一時代の貴重な証言、あるいは、いまなお破天荒の人世を驀進しつつある、一人の勇気ある女性の内奥の声として、貴重な作品も多いようだが、おらっちの好きな歌はこれ。
津波燃え人家逆巻き雪しきり煉獄の闇 生き延びし朝
吾亦紅竜胆鶏頭女郎花獄に届きて秋を貪る
シルビーのヴァルタン嬢がレナウンのワンサカ娘を歌ってるこのCMは今井和也氏の企画なりしが 蝶人