西暦2023年睦月蝶人映画劇場その1
闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3148~57
1)ゲロ・フォン・ベーム監督の「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」
2018年の記録映画。誰かがニュートンはレニ・リーフェンシュタールが男性モデルに対してやったことを、女性モデルにやった、と評していたが至言だ。
2)アッバス・キアロスタミ監督の「トラベラー」
首都で行われるサッカー大会をどうしても見たくて、万難を拝してテヘランまで駆け付けた少年の夢と執念を鮮やかに描破した1974年のモノクロ映画。
3)アッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」
友達のノートを返そうとイランの貧しい村の中をあちこち駆けずり回る、ただそれだけの映画になんでかくも惹きつけられるのだろう?1993年のイラン映画。
4)アッバス・キアロスタミ監督の「そして人生はつづく」
「友だちのうちはどこ?」の続編で、1990年のイラン大地震に襲われた村の少年を訪ねる旅路を描く92年の作品。
5)アッバス・キアロスタミ監督の「オリーブの林をぬけて」
「友だちのうちはどこ?」の派生作品で、懸命に女の愛を求める若者の一念を描く。ラストの草原の長回しがとてつもなく素晴らしい1994年の作品。
6)アッバス・キアロスタミ監督の「桜桃の味」
自殺志望者がその協力者を求めるロードムービーであるが、主人公はどういう人物なのか、、なぜ死にたいのか、なぜ幇助者を必要とする死に方を選ぶのかが全く説明されないので、見ていてもその甲斐のない1998年の映画なり。
7)アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の「ラブレス」
2018年のロシア映画でめえだけにかまけて家出してしまった息子に衝撃を受ける阿呆莫迦夫婦を描く。親切なボランティア部隊が行方不明者を熱心に捜索してくれるので驚く。
8)イ・ジスン監督の「奴隷の島、消えた人々」
塩田の強制労働を舞台にした実際の殺人事件に基づく2016年の韓国の謎とき映画。思いがけないどんでん返しに驚く。
9)バート・レイトン監督の「アメリカン・アニマルズ」
4人の阿呆莫迦大学生が図書館の貴重図書を盗み出そうとして失敗した実話の顛末を描く2018年の阿呆莫迦映画なり。
10)スティーヴンナイト監督の「ハミングバード」
監視カメラに覆い尽くされた現代社会の中で、愛と正義に生きようとする一人のアフガニスタン帰還兵士の悲劇を描いた2013年の英国アクション映画ずら。
急速に男か女か分からない男女になりゆく氷川きよし 蝶人