チャールズ・ブコウスキー著・都甲幸司訳「郵便局」を読んで
照る日曇る日 第1842回
ついに登場したブコウスキーの出世作の最新版の訳本だあ!
おらっち、ブ選手の初めての自伝的長編小説を、清新な日本語で読める快楽を心ゆくまで堪能することができましたあ。
これは、実際に郵便局員として口を糊していたブ選手の、女と酒と競馬と文学まみれの日々をば、ヘミングウエイの初期風の文体でつづったパンキッシュな物語で、
例えばこんな風だ。
「彼のアレはでかいの」フェイは言った。「こないだの晩、彼が来て、こう訊いたの。『デカいアレでやられるのは好きかい?』で私言ったの。『愛でやられるほうがいい』って」
ブ選手は、生涯に60冊以上の本を遺して、1994年に白血病のためにサンペドロで73歳で死んだが、その墓石には「 DON'T TRY」と刻まれているという。
十五夜の満月のあとは見捨てられ見る人も無きの只の月かな 蝶人