あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第69回 

2019-06-09 13:29:11 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話op.312



「剣璽等承継の儀」は天皇家固有の神道儀式だから、国家とは無縁の儀式であり、その場に三権の代表者等が出席すること自体が政教分離を命じた憲法第20条1項、3項、および第89条に違反している。5/1

おお人々よ、「国の幸せと国に一層の発展、そして世界の平和を祈る」という言葉を下支えしている社会的・歴史的・階級的・思想的・人間的基盤について新しい目を向けてみようではないか。5/2

おいおい、なんで伝統的な友好国のイランから石油を輸入しないんだ。さすが令和一代男、安倍蚤糞。国民ことに沖縄県民の声は全く無視するくせに、トランプから言われたことなら、どんな理不尽なことでもハイハイと服従するんだね。5/3

平成は、日本中が土地投機に踊ったバブル経済の崩壊で始まった。それでも1990年代前半、日本経済は上向くと国民の多くが信じていたし、この国にはまだ細川連立内閣を誕生させて55年体制を終わらせるくらいのエネルギーはあったのだ。高村薫(朝日新聞19/4/30朝刊より)5/4

とはいえ、急激な景気後退は日本経済の零落を明るみに出し、90年代後半には山一証券や日本長期信用銀行などが廃業に追い込まれて、日本社会は「失われた10年」とささやかれ始めた。高村薫(朝日新聞19/4/30朝刊より)5/5

レイワとかテンノウとかアベとか、嫌なことを忘れるために久しぶりにカール・ベームの指揮でモザールの「レクイエム」を視聴。劇伴はウィーンフィルではなくウィーン交響楽団だが、ヤノヴィッツ、ルードヴィヒ、シュライヤー、ベリーの独唱とウイーン国立歌劇場合唱団の献身が、空前絶後の感動を呼ぶ。5/6

賃金が上がらなくなり、終身雇用が崩れ始めて非正規雇用が増加するにつれて、生活にも閉塞感が広がって、日本人は普遍的な価値観より、内向きで刹那的な生き方へと傾斜していった。死傷者6千人の地下鉄サリン事件でさえ市井と無縁のカルト事件として片付けてしまったことがそれを如実に物語っている。高村薫(朝日新聞19/4/30朝刊より)5/7

さらに「ウィンドウズ95」がもたらしたネット社会の爆発的拡大と進化は、私たちが日常的に接する情報量を飛躍的増大させ、人と人との物理的な距離を不可視化して、コミュニケーションのかたちを一変させた。高村薫(朝日新聞19/4/30朝刊より)5/8

生まれながらに特別な役割を持つ人の存在を認めることは、生まれながらに卑しい人の存在を認めることと同じだ。後藤正文「朝からロック」(2019/5/8朝日新聞朝刊より)5/9

エヴァ・ガードナー、ジェーン・マンスフィールド、アニタ・エクバーグ、ジーナ・ロロブリジダ、ラクエル・ウェルチ、ソフィア・ローレンたちと結婚した男性は、根性があるなあ。5/10

そしてiPhoneの発売から11年、スマートフォンはいまや身体の一部になり、私たちはまさに日常と非日常の境目が溶けだした世界を生きている。大人も子供も日夜スマホで他者とつながり、休みなく情報を求めて指を動かし続ける。高村薫(朝日新聞19/4/30朝刊より)5/11

そうして現われては消える世界と戯れている間、私たちはほとんど何も考えていない。スマホは、出口が見えない社会でものを考える苦しさを忘れさせる、強力な麻酔になっているのである。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/12

久しぶりに「素人喉自慢」を見たが、鐘一つがなくなって、どんなに下手くそでも最低2つ、まあまあ程度の歌に3つも鐘が鳴る。そして出演者全体がチームのようになって手拍子を打ったりしている。一体どうなってるんだ、公凶放送。5/13

平成は阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ未曾有の自然災害が頻発した時代だが、大都市神戸が震災で火の海になっても、東北沿岸で1万8千人が津波に呑まれても、福島第一原発が全電源を失って爆発しても、日本社会の思考停止は基本的に変わることはなかった。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/14

妻君が「2階でムカデを1匹殺したわ」というので、「そういえば僕もこないだ1匹殺したな」と返事したら、「それならちょうどよかったわ。いつも2匹セットでいるものね」とまた返事した。夫婦の会話5/15

妹よ、僕は樹木と蔓の囲む硝子玉にように明るい空間の、核心をなすひとつを見たのだ。そのなかには、妹よ、娘に成長したきみが入っていた。きみは燃えるように美しい恥毛で下腹部をかざっているほかは、全裸の躰じゅうをバターの色に輝かせて、その傍らには、再生し回復した犬ほどの大きさのものがつきそっていた。大江健三郎「同時代ゲーム」5/16

復興の名の下、被災地では大量のコンクリートを投じた巨大堤防の建設が進み、原発は各地でなおも動き続け、いつの間にか持続可能な新しい生き方へ踏み出す意思も機会も失って、私たちは今に至っている。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/17

「とんとある話。あったか無かったかは知らねども、昔のことなれば無かった事もあったにして聴かねばならぬ。よいか? はい。」(柳田国男が蒐集した昔話を語り始める際の決まり文句)大江健三郎「M/Tと森のフシギの物語」「同時代ゲーム」より5/18

思えば、この30年間に世界経済は激変し、中国のGDPは今や日本の3倍である。日本のお家芸であった製造業の多くは苦境にあり、次世代の5G技術でも米中に遠く及ばない。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/19

世界が猛烈なスピードで変わり続ける一方、この国は産業構造の転換に失敗し、財政と経済の方向性を見誤ったまま、なおも経済成長の夢にしがみついているのだが、老いてゆく国家とはこういうものかもしれない。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/20

思想家の加藤典洋氏が71歳で死んだ。もう半世紀以上前、彼がまだ国会図書館に勤務していた頃、東京文化会館で若杉弘指揮都響でブラームスの交響曲を聴いた夜のことが懐かしく思い出される。門君と北島君も一緒だった。黙祷。5/22

「命ちりじり 日ちりじり」by近松半二「妹脊山婦庭訓三段目・妹山背山の段」より5/23

自民党の一党支配に逆戻りして久しい政治がそうであるように、この国にはもはや変化するエネルギーが残っていないのだ。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/24

その一方で深刻な少子高齢化も、企業の多くに賃上げの体力がないまま進む貧困と格差の拡大も、とうの昔に破綻している原子力政策も、平成の30年間に、私たちが見て見ぬ振りをし続けた結果の危機でもある。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/25

平成が終わって令和が始まる今、何よりも変わる意思と力を持った新しい日本人が求められる。どんな困難が伴おうとも役目を終えたシステムと組織をここで逐次退場させなければ、この国に新しい芽は吹かない。常識を打ち破る者、理想を追い求める者、未知の領域に突き進む者の行く手を阻んではならない。(高村薫・朝日新聞19/4/30朝刊)5/26

全世界に史上最大の災厄を齎しつつある人物を国賓に迎えて鼻高々の、この国に史上最大の災厄を齎しつつある人物を眺めていると、つくづく世も末だと思わずにはいられない。5/27

去年の今頃は、ヘイケボタルはもちろんだが、滑川には若アユの大群が押し寄せ、ウグイスに混じって私の大好きなホトトギスが鳴いていた。初夏のわが目を楽しませてくれるのはホタルだけということか。5/28

テレ朝「白い巨塔」は、原作、脚本、演出が3拍子揃ってなかなか面白かった。私の嫌いな岡田准一が熱演、やはり大嫌いな沢尻嬢まで好演、ケンイチなど他の役者も良かったが、
原作と違って「病死せずにゴーマンかまし続ける超悪党財前」の姿を見たかったずら。5/29

今日が終われば明日が来て、またその次に明後日という日が来ることが、なんか空恐ろしいことのように、あえていうなら、奇跡のようにも思われる。いつかは絶たれる、細く長い、1本の灰色の線。5/30

お隣の逗子で生まれたピアニスト宮沢明子、ベルギーのアントワープに死す。78歳。すでに泉下の人となった宇野功芳が激賞しようがしまいが、かつてトリオ・レコードから出ていたモザール全集やハイドンのソナタは良かった。哀悼。5/31

     軍艦も戦闘機も要らんからその全額を年金に廻せ 蝶人
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鎌倉国宝館で「知られざる円覚寺の至宝」展をみて 

2019-06-08 13:31:52 | Weblog


蝶人物見遊山記309回& 鎌倉ちょっと不思議な物語413回



弘安5年1282年に創建された北鎌倉の円覚寺に伝来する古文書や羅漢図などの書画をずらずら並べた展覧会です。

前にも触れたけれど蒙古来襲で燃え尽きてように夭折した8代執権北条時宗の書上の若々しい「稚拙さ」が印象的。鎌倉幕府を滅亡させた第14代執権の高時の達筆や、南北朝時代の御醍醐天皇の雄渾な筆致などと合わせて鑑賞していると、今更ながら「文は人なり」という格言が思いだされます(来る6月16日まで開催中)。

それから鶴岡八幡宮の階段をあえぎながら登って拝礼しましたが、本宮前が無人だったのでおどろきました。いつものように妻が御神籤を引いたところ、またしても凶。なんでも半年間に5回抽いて1勝4敗だそうですが、いくらなんでも酷過ぎる。

籤引き場の前には狂の籤を捨てて弓を握って悪運を払う装置まで用意されているところをみると、1)まずは大量の凶を引かせ、2)階段下の別の籤場でもう一度引かせよう(ここはいつでも大吉、中吉、小吉で凶が出たことなし)とする悪辣な営業政策を採用しているに違いありません。

今日はこの近辺を鎌倉ガイド協会のおじさんの解説で歩いている修学旅行生のグループを見かけました。修学旅行の小中学生は、そのほとんどが糸の切れた凧のようにぶらついていつだけですが、このようなガイドさんに案内を託せば要領よく適切な歩きができて効果的ではないかなあと、拝殿前で帽を脱がせて一礼させているおじさんをみながら思いました。

   ニワトリをリアルに描けば描くほどニワトリを超える若冲の筆 蝶人
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ウィリアム・バロウズ著・鮎川信夫訳「裸のランチ」を読んで 

2019-06-07 11:51:22 | Weblog


照る日曇る日 第1263回

有名なアウトロー作家の代表作を有名な詩人が翻訳しているというので手に取って読んでみたが、私の文学趣味には程遠い糞味噌文字の氾濫だった。それは確かにいわゆるひとつの正統的な文学作品の世界を大いにはみ出して、麻薬中毒とその病者の暗闇に新しい光を注いでいるとはいえるだろうが、それがどうした。それが滅びゆく世界とおらっちにいかなる新しい光を照射してくれるんかいな、となると、ンなもんまるでなかったのである。

詩人の翻訳だからというても格別詩的な匂いは感じられなかったから、まあこれは詩人が生き延びるためのアルバイト仕事ではなかったのではないでしょうか。


   八年の大日常に呑みこまれ流されてゆく大震災 蝶人
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新潮日本古典集成新装版・信多純一校注「近松門左衛門集」を読んで 

2019-06-06 11:34:22 | Weblog


照る日曇る日 第1262回



「世継曾我」「曾根崎心中」「心中重井筒」「国性爺合戦」「心中天の網島」の6つの浄瑠璃を集成。いずれも近松が心血を注いで書き上げた傑作で、このシナリオを読んでいるとまざまざと舞台の人形と大夫の朗唱と太棹の響きが聞こえてくるような気がする。

近松に心酔した信多純一氏の校注と解説がまた素晴らしく、江戸時代の浄瑠璃芝居の小屋や芝居の具体的な展開について述べ、「心中重井筒」と伊勢物語の関連を丁寧に跡付けたりするくだりには目から鱗が落ちる思いがする。

さりながら、もしも氏が眼疾に侵されなければ、本書は上下2巻の規模で世に贈られたはずと思えば、隴を得て蜀を望むの嘆を抱かざるを得ないのである。


   溺れたる犬打つごとく日産は元会長のゴーン氏を叩く 蝶人
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「夢は第2の人生である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」 第73回 

2019-06-05 11:17:17 | Weblog


西暦2018年霜月蝶人酔生夢死幾百夜


地球上のおそよ5万キロの地点から地球を見下ろすと、橙色の点が点滅していたので、そここをめがけて降下していくと、案の定、彼奴がいた。11/1

わが社のパリ支店の電子機器は、すべて一時代前のものなのだが、現地のスタッフは平然と構えているので、「最新版に取り替えろ」などとはと誰も言えず、そのために、ますます時代遅れなものになっていった。11/2

シェークスピアのナベショウによる翻訳があまりにも酷いので、思い立って自分でやってみたが、これまたかなり酷いので、大きなショックを受けているところ。11/3

それまでは無能の極みと評されていた僕だったが、ある日突然なんたら賞を受賞した途端、さながら掌を返したように、社内外の評価が改まったので、僕は今までと同じ人間なのに、どうして世間はこうも気まぐれなのか、と驚かずにはいられなかった。11/4

敷布団のすぐ下が奇麗な海になっていて、目の前に目の覚めるような紅色の甲殻類が遊ぶようにして泳いでいるので、捕まえてやろうと思って、手を伸ばした途端に、夢がちょん切れて、海は布団に戻ってしまった。11/6

3年寝続けていたら、カド君が、「起きろ、起きろ、早く起きろ、どうあっても即刻起きろ!」と騒ぎ立てるので、「うるさいなあ、それほどいうなら起きてやるけど、なんせノーパンだからなあ」とぼやくと、彼は急いでパンツを買いに行った。11/7

洗濯物の山の中から、茶色と黒の2匹の犬がノソノソ出てきた。なかなか可愛いので、いい名前をつけてやろうと思うのだが、「黒」と「茶」、「天」と「地」、とか「山」と「川」くらいしか思いつかないので、こんな筈ではなかった、と焦っている私。11/8

籠城中に「トロイの馬」のデザインをした黒い立体物が届けられたので、みんなでいじくっているうちに大爆発して、全員死んでしまった。11/8

サルガッソー海に船出をしようとしたが、私は「稲妻組」の連中を養っているので、なかなか難しいことがわかった。11/9

白雪姫からパーティに誘われたので、愛人を連れて出かけたところ、私に目をつけた白雪姫が、私を密室に連れ込んで優しく愛撫すると、驚いたことに長年に亘ってインポの私が勃起し始め、なんとか挿入も出来たので、射精は我慢して帰宅して、急いで愛人としたのョ。11/10

知り合いの女性と四方山話をしていると、彼女の旦那が資生堂の宣伝部で働いているというので「そりゃいいね、うらやましいな」というたら、彼女の隣にいた男性が振り向いて「そんなに羨ましがられるような職場じゃないッスよ」というたので驚いた。11/11

私は誰かに拾われた金魚として、ビニールの奥でヒレを静かにそよがせながら、この世のすべてのことどもを、じーっと観察していた。11/12

小学館のS編集長は、私の眼をじっと見据えながら、「それであなたが本にしたいという原稿は、どういうものですか?」と尋ねたので、私は、なんだか嫌な感じに襲われた。11/13

七夕広場で、大勢の男女が踊っているのを眺めていたら、見知らぬ女性がやってきて、私の腕の中で踊り始めた。11/14

毎年恒例の親睦会が、今年はタイのバンコクで開催され、わが社のスポーツ部門の記者7人が派遣されたが、生憎の集中豪雨で、ゴルフもできなかったそうだ。11/15

歩いても歩いても、見知らぬ町の見知らぬ道と建物が続いているばかりで、目指す駅は見つからない。いったいここはどこなんだ? 私はやっとこさっとこ、見覚えのある「なんとか会社」のビルヂングを見つけた。
それはシチズンだったので、「ああシチズンか」と思いながら門から中に入っていくと、技術者が待ち構えていて、「お名前は存じております。さっそく時計を作ってください」と頼まれたので、「早く駅に行かなければ」と焦りながら、時計を作っているわたし。11/16

絶海の孤島に、私を含む2組の男女が暮らしていた。そのうちの1組が旅立つというので、私たちは見送ったが、「いよいよ、たった二人になったのかあ」と思うと、心細さが一入募って来るのであった。11/17

死んだ黒澤監督が蘇って、待望の新作を撮るというので、エキストラの私らが現場に行くと、「全裸になって茶色に塗った体を、折り重ねるようにして横たわってくれ」という。白馬にまたがったヒロインが、その上を疾走するというのだが、はてさてどうしたものか?11/18

大至急、新しい住まいを見つけなければならない。しかし、妻が急病で動けないうえに、某不動産屋から派遣された担当者が、どうしようもない無能者なので、そいつを撒いて別の不動産屋に飛び込み、彼らの一押しマンションを即決した。11/19

「ではここでお別れしましょう」と、こもごも決別の挨拶を交わしたのち、パリ在住半世紀を過ぎた、3人の80代の女性を乗せたバスは、みるみる、私の視界から遠ざかっていった。11/20

「佐々木眞文学全集全1巻」という、見るからに枕より膨大な単行本が「らんか社」から出版されたので、思わず手に取ってみると、意外に軽いので驚いたが、その内容がもっと軽かったので、なおなお驚いた。11/21

東北一円にネットワークを張った魔女たちの、自立した生き方を取材するために、私は、勇んで出発した。11/22

彼女は、白いドレスで4つの曲を歌ったが、そのあとで、私らは4度交わった。11/23

氏は、私の質問に対して、最初はちゃんと答えていたが、しばらくすると、何も答えなくなったので、よく見ると、眠り込んでいた。氏は、しばらくしてから眼を覚ましたので、私がまた質問を続けると「私はdrawするものしか書きません」と言明したが、そのdrawとは、いったいどういう意味なのかが、さっぱり分からなかった。11/24

私は、すでに過去6年間にわたって「主」を探してきたのだが、見つからない。すると今度は、まだ行ったことのない西日本を調べてくれ、と頼まれたので、早速出かけた。11/25

アオキ選手からまたメールが入って、「ヤブキ色のマフラーを買って下さい」と強請るので、「ヤブキ、カヤブキ、ヤマユキ」と返信した。11/26

ガン検診の長い列に並んでいたら、ウッちゃんとその奥さんも並んでいたので、少し気が楽になったが、総身刺青のヤクザが割り込んできたので、みんな困っていると、魔法使いのお婆さんが、凄い裏技を使って、そやつをぶっ飛ばしたんだ。11/27

大久保卿の私は、激烈な政争と公務を慰藉するために、手当たり次第に美女を大奥に囲い込んでいたので、そこに紛れ込んだ女スパイは、いともやたすく卿の私を、暗殺することができたのだった。11/28

「八丈島で最期を迎えたい」と、そのカメラマンがいうので、私らは、江の島の港の桟橋まで、見送りに行った。11/29

以前職場で作った「こんな時にはこうしよう」という例題集を、肌身離さず持っていたおかげで、私はリストラされても、すぐに次の職場が見つかり、なんとか苦しい時代を生き延びることが出来たのだった。11/30

  1989年6月5日戦車隊の前に立ちふさがった青年よいずこ 蝶人
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なにゆえに第64回~西暦2019年皐月蝶人花鳥風月狂歌三昧 

2019-06-04 13:49:41 | 短歌


ある晴れた日に 第570回


なにゆえに改元ばかりを放送する沈着冷静なテレ東を見習え

なにゆえにイランから石油を買わぬ安倍蚤糞はトランプのポチ

なにゆえに梱包だけを映し出す「三種の神器」を開いて見せよ

なにゆえに年代測定器にかけないせっかく出てきた「三種の神器」

なにゆえにネズミは林檎を丸かじり駆けずり回ってお腹が空いた

なにゆえに林檎の餌をまるで食べない安倍蚤糞より賢いネズミだ

なにゆえに「お母さんふきのとう舎まで車で送ってください」という雷予報に怯えたか

なにゆえにネズ公はダンスを止めたプロ仕様粘着シートで年貢を納めた

なにゆえに北原白秋は死んだのか「新生だ」と一言遺して

なにゆえに右手の親指が激しく痛む蝶よ花よとシャッターを切りしが

なにゆえに短歌ばかりを詠んでいる旋頭歌も長歌もあるというのに

なにゆえに東証2万円割れと騒いでいる昔は8000円台だった

なにゆえにノートルダムの塔をデザインする昔の通りに建て直しなさい

なにゆえに手拍子を要求するそんなお前は三流ミュジシャン

なにゆえに安倍蚤糞のテカとなる反原発を封印してまで

なにゆえに中国人は「無印良品」を訴える自分がそっくりパクッた癖に

なにゆえに能の上演はもたもたしている3倍速でちょうどよろしい

なにゆえに米中貿易戦争でワイワイ騒ぐクタバルまでやらせておけばいいだろう

なにゆえに衆参同時選挙を目指している大敗北して自滅するべく

なにゆえに阿呆莫迦トランプは火をつけて喚くなんとしてでも再選されたい

なにゆえに貴景勝は無理に出るキセノサトと同じになるぞ

なにゆえに加藤典洋は亡くなったこんな世の中もう見たくない

なにゆえに今年の蛍は数が少ない火曜日の大水で流されちまった

なにゆえにトランプが大相撲見物にやってくる日本国民は歓迎しないぞ

なにゆえに栃ノ心は負けちゃった放駒の目の付けどころがおかしい

なにゆえにトランプは日本にやって来る遊びながら脅しをかけに

なにゆえにヤクルトは泥沼16連敗この国の没落を先取りしつつ

なにゆえに田中は2回も勝利をふいにしたリリーフがてんでダメなので

なにゆえに5月のカレンダーを破り捨てるコウ君はすべてを前倒しする

なにゆえにとれたての魚は不味い 古い方が美味しいともいえます

なにゆえに「浜辺にて」が出てこない書斎のどこかにあるはずなのに

 70年代の英国ロックスターのビデオをみるその多くは姿を消した 蝶人

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西暦2019年皐月蝶人花鳥風月狂歌三昧 

2019-06-01 14:59:56 | Weblog


ある晴れた日に 第569回


散策の途中でカラオケ屋に入り13曲を唄う歌人

ゴルフして大相撲見せて飯喰わせ天皇に会わせて戦闘機買う 

生活感も存在感も消え失せてただの局アナ日テレ有働

トランプの走狗となりてその尻をペロペロ舐める安倍蚤糞

名と齢と住所をいえない「心失者」は殺すべきだという植松聖

もし君の子が「心失者」でも殺すのか植松聖に尋ねたきこと

思いがけぬ番狂わせは起こるもの大相撲でも総選挙でも

思いがけぬ番狂わせよ起これ起これ大相撲でも参院選でも

カトリック信者同士のおばさんがいつものように井戸端会議

ツイッギーがロンドンのスタジオで歌ってる1977年2月12日

今場所は栃の心を応援することに決めているぐあんばれ栃の心優勝するんだあ

ぼきりぼきり列島の背骨がボキボキと折れゆく音なぞ聞こえてこないか?

連休だわが世の春だとネズ公がリビングルームをぐるぐる廻る 

ネズ公がドアの塗装を齧ったのに耕君のせいにしてごめんなさいね

恭しく従者たちが捧げ持つあれが噂の「三種の神器」か

お前さんのいったいどこが変わるのか天皇元号が変わるにしても

悪童も議員となるや万愚節 

八重桜嫁の代わりに咲き誇る

憲法の第20条に違反して神道行事を国家が支える

汗だくで立派な主張を盛り込めど疾く腐りゆく私の時事詠

新聞の見出しを見てからそれと知る8年目となる3.11
 
全員が「いらっしゃいませ」と迎えてくれる「ダンデリオン」は障害者レストラン

金婚式に50本の薔薇を贈りたり誰かが歌ったシャンソンのように

「観光客もう来るな」とは言えないが歌に詠むなら構わないでしょ

驚天動地生成流動才気煥発丁々発止清新溌剌縦横無尽

そこまでだ。安倍蚤糞よ、無駄な抵抗は もうやめたまえ。

悪質な移民がアメリカを棄損するその代表がトランプ一族

「素晴らしい!とてもステキだ!」トランプの幼児のごとき単純明快

クレンペラーのグランカッサの一撃でおんぼろ我が家はゆらゆら揺れる

「ノートルダムの鐘つき男」はどこにいる?そう思いつつ眺めた塔が

尖塔が紅蓮の炎に包まれて崩れゆく世界の終りの姿にも似て

スマホなど右手に持ちて運転す命知らずの無法者たち

令和とか連休とかも流れ去り普通の火曜日今日から始まる



  若葉色若菜深碧花緑青ミドリを率いて五月は旅する 蝶人

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