あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ジャン・ド・ブリュノフ作・矢川澄子訳「おうさまババール」を読んで 

2019-06-11 09:07:59 | Weblog


照る日曇る日 第1265回

「ぞうのババール」シリーズの第3巻では、立派なおうさまになったババールが、ぞうたちの王国を大車輪で建設します。壮大なセレストビルには王宮や顧問になったおばあさんの邸宅、ぞうさん全員の住宅をはじめ、公園や港、劇場や学校、みやこにふさわしいインフラが整備され、「ぞうのくにのうた」という国歌まで誕生します。

ぞうのくにでは初めて職業と職人が作りだされ、ぞうさんたちはそれぞれのぞうさんにふさわしい仕事をするようになります。

くに一番の賢人コルネリウスとおばあさんは不慮の災難に見舞われて死にかけますが、空向こうからやって来た天使たちが悪魔たちを追い払って、めでたしめでたし、ぞうのくにには長く平和が続いたのでした。

この絵本は物語も素晴らしいが、翻訳担当の矢川澄子さんの手描きのレタリングがいい味を出している。一気呵成に書き上げた文字のひとつひとつに、かけがえのない個性が宿っているようです。

 トランプはんがもし運転手なら誰ひとりバスや電車に乗らないだろう 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする