歌舞伎とおしゃべりの会・10月の会「高麗屋の芸を磨く」(10月2日・可児市文化創造センター)
コロナ禍のせいで巡業公演も定期公演もほぼ中止で地方の歌舞伎ファンには辛い日々。この地方でも御園座を除けばほぼ観ることが出来ない日々が続く。岐阜県可児市の「可児市文化創造センター」で年4回程行われているこの「歌舞伎とおしゃべりの会」のような講座でさえも中止になった回があるようだ。今回告知された内容を見てビックリ。超大物、松本幸四郎の登場だ。さすがに席数の多い主劇場を使っての講座開催。ネットで予約を入れて駆けつけた。
消毒、検温して入場。会場は席をひとつづつ空けて設けてある。まずは聞き手の元・NHKアナウンサー、葛西聖司氏が登壇。続いて松本幸四郎が紹介され登壇した。スーツでびしっとキマった幸四郎。イタリアの某高級A社のオーダー・メイドだとのこと(笑)。
この地での思い出話などを交えながら、全体としては”コロナ禍での歌舞伎公演”というのを大きなテーマとして、映し出された画像を交えながら進行していく。地方や巡業はもちろん、歌舞伎座も昨年の3月から7月まで公演が完全に中止となったが、8月からは歌舞伎座のみ様々な制約を設けつつ公演を実施している。幸四郎は再開してからずっと出演し続けているのだとか。葛西氏はそれを歌舞伎の名跡「高麗屋」の「そういう星の元に…」と説明していた。確かに役者は基本的に出演を立候補するものではないから、誰もがそうやって出続けられる訳ではないものなァ。松竹が幸四郎を当代のリーダーとしてみなしているということだろう。都度演目や出演者の背景を詳しく説明してくれる葛西氏の知識の量にはいつも驚かされる。プロだから当たり前だけれど、自分なんて彼よりずっと若いのに妻に見てきた演目や役者を説明するにも固有名詞や単語が全然出てこなく、「あのー、アレアレ…」なんてことばかりだものなァ…。
歌舞伎の時以外の幸四郎はご存じの通り、ちょっと抜けたような(つまり”天然”・笑)ところがあり、話を聞いていてもその人柄が伺えて何だか可笑しい。こういうところが憎めなくてファンが多い所以でもある。しかしそこは流石、歌舞伎を語る時は熱く、そして自分がリーダーだという自覚がしっかりと伺えた。次に幸四郎を観ることが出来るのはいつになるかな。東京在住の人が羨ましい。
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