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こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

プレゼンテーションの技術(の勉強)

2012年03月24日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
プレゼンテーションの技術を向上させるのはとても難しい。
とくに、私のように基礎体力(知識、経験)の乏しい人間が話をするときなどは、その乏しい内容だけでもオウディエンスに理解し、お持ち帰りいただこうと、努力をするが、大概は徒労に終わる。

パワーポイントで美しいスライドを作ることが大切なのは、大前提であるが、そのまた前提として大切なのは、゛話し方の技術゛だ。


今日、日本病理学会関東支部の第54回学術集会が横浜で開催された。横浜で、近いということもあったのだが、それよりも私がとても尊敬している先生のお話を聞けるチャンスだったので、時間に遅れないように行った。

その先生は病理医としてはわが国を代表する実力を有し、人間的にも素晴らしい方なのだが、さらに、すごかったのは、文章力。
診断書を添削していただくときにはじまり、各種論文などの文章はとても解りやすい。
CPCや学会のプレゼンテーションも同様だ。
対象をとても深く理解されているから、わかりやすいのだろうと思っていたが、どうやらそれだけではなさそうだということを、先日お電話で話した時に思った。

「これには、何か目に見えない秘密(コツ)があるにちがいない」


その秘密(コツ=プレゼンテーションの技術)を知るために行ったようなものだ。

いくつかわかったことがある。
1)ゆっくり話す・・・よくわからないまま話しているとどうしてもごまかしたくなって、スライドの方を向いて早口でぼそぼそ話してしまうが、それはダメだ。
聴衆の方をみて、そのスライドで言いたいことを限りなく絞って、ゆっくり話す。私の場合まずは、発声練習から。

2)ユーモアをまじえる・・・日本人にとって一番難しい技術。それを、先生は今日、3,4度会場を笑わせていた。無理やり笑わせるような内容ではなく、温かいさらっとした内容で、笑わせ、聴衆をリラックスさせる。あれは、ちょっとやそっとではまねのできないものだった。どうやればいいのか、コツがさっぱりわからなかったが、少なくとも上から目線では笑いは取れないことは分かった。

3)スライドはスッキリ、美しく・・・表はスッキリと大きく、顕微鏡写真は美しいものを極力少なく、かつ、その1枚で10枚分の内容を聴衆にわからせるもの、そういう写真を厳選する。まだ、私が駆け出しのころからわかっていたことだが、いまだ、その域に達することができない。もっと標本を読み込まないとならない。

4)正しく美しい日本語を使う・・・電話で話して気が付いていたことはこれ。病理医は病理診断書という文章こそが技術の表出方法。私が駆け出しのころから尊敬していた文章力というのは、正しく美しい日本語を駆使することでしか実現できない。プレゼンの時も当然、このことが大切になる。それには、ボキャ貧の私としてはどうするか。やっぱり、改めて読み原稿を作ってよく推敲することが大事か。このブログも、もう少しきれいな文章にしよう。

5)与えられた時間は正確に・・・残念ながら2分ほど超過してしまったが、超過する際には、最後のスライドであること、2分ほど超過することを座長に断ってから、話す。
私なんぞ・・・もう情けなくなるので、これ以上、考えたくない。



ほかにもたくさんあったのだと思うが、私にとっては、上記が理解、文章化することのできる精いっぱいのこと。なにか、ご意見があれば、お知らせいただきたい。

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