こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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体罰は年だけとった子供のすること・・・学校教育(2)

2013年09月26日 | 日本のこと、世界のこと
学校のみならず、すべての教育・指導で、教育者・指導者はどうすればいいのか考える。
生徒、選手の勝手にさせていては指導はうまくいかない。
勉強はつらいし、練習もつらい。できれば、勉強しないでいい成績がとれたらいいし、練習しないで優勝したい。
だが、競争相手は、勉強するし、練習する。

だから、負けないように厳しく指導する。そして、そこに体罰を用いる指導者が数多くいる。

体罰について、私はブログの中で取り上げてこなかったが、昨年の大阪市立桜宮高校の事件をきっかけに、今年に入って、3度考えを述べている。
しつけ、体罰、愛の鞭(1月13日)では、子供をたたく指導者にどれほどの覚悟があるのかということを問うた。
今が、わたしたち日本人の転換点では(1月31日)では、日本人そのものが変わっていく必要があると考えた。
私は大人になれるか(2月12日)で、体罰をするのは精神年齢の発達無く、年だけとった子供のすることという結論に達した。

体罰で指導する者というのは、結局のところ自分に自信の無い子供なのであろう。暴力で口を塞げば、自分への応酬は無い。だから、何でもし放題となる。体罰を受けた子供達がどのように心に傷を負うかなど考えたりもしない。

先日、WOWOWで『コーチ・カーター』という映画を観た。落ちこぼれ高校のバスケット部のコーチになったカーター氏が生徒達を更生させ強いチームを作っていくという話だ。

当たり前だが、そこには体罰は一切出てこない。
選手達を愛し、話し合い、育てていく。
カーター氏は大人であり、指導を受ける選手達も大人になっていった。そういう意味で、素晴らしい映画であった。

バスケットしかなくて、バスケットが好きで、それでも自殺した選手は最期の時をどんな思いで過ごしたのだろう。


【朝日新聞デジタル 9月26日】
体罰自殺、元顧問に有罪判決 桜宮高事件 大阪地裁
【岡本玄】昨年12月に自殺した大阪市立桜宮(さくらのみや)高校バスケットボール部主将で2年生の男子生徒(当時17)に対する傷害と暴行の罪に問われた元顧問の小村基(はじめ)被告(47)=懲戒免職処分=の判決が26日、大阪地裁であった。小野寺健太裁判官は、懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。
小野寺裁判官は「効果的な指導と信じて暴力的指導を続けてきた」と指摘。そのうえで「生徒が肉体的苦痛に加え、精神的苦痛を受けたことは自殺したことから明らかだ」と体罰と自殺の因果関係を認めた。その一方で、「自殺を量刑上大きく考慮するのは相当ではない」として猶予判決とした。
判決によると、小村元顧問は昨年12月18日、同校体育館であった練習試合で、ボールに飛びついて捕球する姿勢を見せなかったため、生徒の顔や頭を数回平手打ちしたほか、4日後の同22日には「自分の意に沿わないプレーをした」などとして十数回たたき、口を切る約3週間のけがを負わせた。生徒は翌日未明、自宅で自殺した。