2度目の緊急事態宣言が3月21日に解除される見通しとの発表があり、そのことを見越してのせいか、今朝の電車は混んでいた。感染状況のどの点が好転したから、解除するのかがわからないがとにかくそういうことなのだ。
緊急事態宣言を解除したら、ただでさえ下げ止まりというよりむしろ増えてきている感染者数に歯止めはかからず、早晩1、000人越えとなる。そうなるといよいよオリンピック・パラリンピックの開催は難しくなる。女性蔑視に感染拡大、そんな国に誰が自国の大事な選手を送ろうとするだろうか。オリンピック・パラリンピック開催に向けて、世界で最も男女同権、差別が無くて、コロナ清浄国、というような国にしようという発想がないこと自体、開催する資格がないというか、そういう当たり前のことがアピールできない政治家たちは馬鹿じゃなかろうかと思う。
コロナ禍には事実しかないのだ。有効な施策を実行できなければ感染は拡大し、基礎疾患のある人や高齢者は重篤な症状を呈し、亡くなることも少なくない。そういう人を切り捨てたらいいというのは間違っていて、重症患者の治療は、当然行うしか、それが病床の逼迫につながる。やがては国民すべての医療が逼迫することとなって、医療の安全そのものが脅かされる。新型コロナウイルスの感染拡大は抑え込まなくてはならないのだ。
コロナ禍にはそういった事実しかなく、裏も表もない。機密だのなんだのなどない。あるのは感染者数と死亡者数とベッド数だけで、とても評価しやすい。政治家を評価するにはその結果を持って点数をつけたらいい。現時点での判断が正しいのかどうかはあと2ヶ月後ぐらい、大型連休の頃にはわかるだろう。医療者側も政治家による数のごまかし許さないでほしい。
医療者と違って政治家はただ単に感染コントロールをどうするかということではなく、そんな中で生活に困窮する人をどうするかということまで行わなくてはならない。そしてこれでまた失敗となったら、現政権の政権担当能力が疑われる。まあ、自民党政権がやってダメなものを、野党がやったところで、大したことはできないだろうから、同じことか。
コロナ禍は今の世界の矛盾を、洗いざらい掘り返しつつある。それに対してなんとか抗おうとしている人もいないわけではないが、そんなところにはクラスターを発生させて潰していく。ワクチンに生き延びる道を見出そうとしているのかもしれないが、ウイルスの方も変異して生き延びる。理想としては、新型コロナウイルスが感染力を強めることと引き換えに、毒性を弱めてくれるといいのだが、そうそう虫のいい話はないのが世の常だ。
おととしまでのような世界が戻ってくるということは、少なくとも今回この免疫を獲得する子供たちが大人になるまでの、数十年間はない。コロナ前の生活様式に固執し続ける人はいるだろうが、そういう人たちは感染源としてのグループを形成することとなる。そして、”感染したくない”と当たり前のように口にすることができるようになった人たちと別の世界で生きていかなくてはならなくなり、新たな二極化が進んでいくことになる。
そこに貴賎はなく