こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

自由と義務とワクチンと

2021年09月14日 | 自然災害・事故・感染症
 曇りらしい曇り。東シナ海で足踏みしている台風14号、2本の偏西風、そして前線と、いくつもの要因が重なり合っての結果が今日の空、あしたの空。今夜から雨模様となり、週末は大荒れの予想だそうだ。雨続きは勘弁してほしいが、なかなか人間の思い通りにはならない。

 日本国内で新型コロナウイルスワクチン接種完了者の割合が50%を超えたそうだ。3月ごろ、医療従事者ですらなかなか受けることのできなかったことを考えると、ものすごい巻き返しだ。これはファイザーの最高責任者に直談判した菅総理の功績だ。ほかの人だったらあんなことできなかったのではないだろうか。新規感染者数も東京で減少し続けているとのことで、緊急事態宣言を今月いっぱい続けたら100人台まで抑え込むことができるのではなかろうか。それで、11月からワクチン接種証明書の利用による経済活動を再開したら、状況も上向くような気がする。

 ニューヨークでは、ワクチン接種証明書の提示要求を義務化 違反には罰金ということになったらしい。昨日のエントリーでも触れた通り、フランスではワクチン接種証明書について賛否が分かれているそうだ(ワクチン接種証明書の是非で分断進むフランス)。自由を標榜するこれらの国で新型コロナウイルス感染症感染拡大とワクチン接種とがせめぎあっている。おそらく、ワクチンを接種した人であっても、このようなことは私権制限につながると懸念しているのだろう。

 行動する時に何を起点とするかは人それぞれだ。人権を起点にするにしても、新型コロナウイルスに感染したらある程度の人は重症化して亡くなる、と考えるとき、その亡くなる人の命は、個人の自由に優先するのかということに突き当たる。ニューヨークにしてもフランスにしてもそういう観点で、ワクチン接種証明書の利用を推進することにしたのだろう。イギリスに留学中の娘がこの夏休みにイタリアに旅行した時には、レストランでワクチン接種証明書の提示を求められたそうだ。だから、店内で撮った写真にマスクをしている人がいなかったのだ。ワクチン接種が未来永劫万能ではないにせよ、新型コロナウイルスの感染拡大はどこかで平衡点に達するだろうから、それまでの間、妥協点を探していくことが人類一人一人の義務であると考える。
なぜ抑えこまなくてはならないのか

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