PCの蓋を開けたら、わけのわからない画面が出てきて、ファイルが全て見えなくなっていて腰を抜かした。
震える手で、OSを確認するとVenturaとかいうのになっていて、デスクトップはまっさらで、書きかけの原稿、今度書こうと思っている本の写真、その他もろもろが消えている。
物理的にファイルが消失することはないだろうとは思っているが、何かの具合で全てなくなってしまっているかもしれない。
クラウドを利用するのが当たり前の、若い人にそんな経験はないだろうが、ほんの30年ほど前にはハードディスクが全部吹っ飛ぶなんてことがあった。
どうしよう、どうなってしまうんだ
PCなど単なる記憶媒体に過ぎないと思っていたが、そんなことはない、とてつもなく依存していて、それが自分の頭脳の延長上にあることを実感した。
とりあえず、再起動しようとしたら、ログアウトの文字が見えたので、そうしたら、コロ健で再ログインでき、ことなきを得た。
この間、わずか4、5分のことだったが、不安が絶望感に変わってしまうのにそう時間はかからなかった。
こういう状況というのはいったいなんなのだろう。
それこそ青くなったり赤くなっていたかもしれないが、取って食われるわけでもないのに、人生が終わってしまったかのうような錯覚に陥っていた。
原稿なんて書き直したらいいし、アーカイブ化していた私の写真は諦め、本を出すのはお断りするか、事情を話して別の形を模索したらいい。
メールだって、よく考えてみたら、gmailと病院のものを使っているのだからスマホが生き残ってたらPCは不要だ。
過去を捨て、未来に生きると決めたら怖いものはないはずで、きわめて便利とはいえ、しょせんは記憶媒体に過ぎないPCに振り回される必要はない。
こうやって、パニックになっていたことを落ち着いて遡及して考えると、PCに依存し過ぎていた自分というのが明確になる。
たかがPCなのだが、されどPCなのである。
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