西川町志津地区にある自然博物園。ここは、月山の中腹に位置する豊かなブナ林のあるところ。例年7,8mの雪に覆われ、5月中旬になっても雪の上を歩きながら鳥見できるポイントだ。しかし、今年は雪が少なかったので、早目に行ってみることにした。行ってみると、雪がだいぶ少なくなっていた。ギリギリ間に合った感じだ。気温が高いので、日中は雪が柔らかくなってぬかるようになる。なので、早朝から8時頃までが勝負だ。当日は、志津の手前の弓張平で朝食をとった。そこからは、月山と姥ヶ岳が見えた。また、緑が濃くなった樹をバックに咲く桜も見ることができた。
<弓張平の桜と月山>
ネーチャーセンターに着いたのが5時半頃。カメラ機材を準備し、早速山の斜面を上って行った。雪の上はひんやりして寒いくらいだ。だいぶ雪が消えているが、ブナ林の新緑と残雪が作り出す「雪紅葉」は相変わらずきれいだ。ブナの樹が淡く緑色に芽吹き、その芽を包んでいた赤い皮が残雪の上に落ち、雪の上に一面赤い色が広がったのが「雪紅葉」だ。
<ブナ林と残雪>
昨年はコルリの声が響き渡っていたが、今年は全然聞こえない。すでに到着はしていると思うのだが・・・。代わりに聞こえてくるのがクロジのさえずりだった。昨年はすでにクロジのペアができていたので、さえずりは聞かれなかった。遅かったという事だが、逆にコルリがさえずり真っ只中という感じだった。という事は、コルリのさえずりはこれからという事かな?ただ、おそらくその頃には残雪はほぼほぼ消えているのではないかと思う。・・・と言う事で、次はクロジの画像をペッタン。画像を見ると、この個体はまだ若い雄のようだ。
<クロジ雄若>
クロジの次は、キビタキ雄に出てほしいところではあったが、キビタキのさえずりは遠くの方で聞こえ、結局近くには来てくれなかった。ただ、運よく雌を見つけることができた。ワンカットしか撮れなかったけど・・・。
<キビタキ雌>
散策道を歩いていると、ヤマツツジが咲いていた。まだ咲き始めのようだが、とっても綺麗なので、撮ってみた。今日のレンズは、携帯用という事で300mmF4に2倍テレコン付きだが、これが、最短撮影距離が1.4mということで、テレマクロ撮影ができてしまうのでした。撮ってみた画像がこれです。
<ツツジ>
さらに歩いて斜面を下る道と交わるところに来た時、近くで動く鳥さんを見つけた。あまりに近かったので、大木の陰に隠れるようにして撮影。撮ったのはヒガラでした。飛ばれる前に何とか2,3枚撮ることができた。
<ヒガラ>
少し開けた所に出てきたので、遠くを見ると、姥ヶ岳が見え、春スキーで滑った後のような雪の模様が見えた。また、山の稜線上に人のような姿も見えた。
<姥ヶ岳、タムシバ?コブシ?>
さらに上の方まで歩いていくと、今度はミソサザイの声が聞こえてきた。ミソサザイが居たのは、こんなところ。
<石跳川>
この川は石跳川という川で、自分にとっては、とっても苦い思い出がある。それはさておき、
日本で見られる野鳥の中でも小さい部類に入るミソサザイ。なかなか見つけられない。声はどこまでも聞こえるような大音量だが、声があまりにも大きすぎて、居る方向を定めるには大きすぎる。何とか見つけ出すことができ、さえずる姿を撮影することができた。画像を見ると、眼を閉じて鳴く様子も見られ、おもしろかった。最後のアップは、デジタルズーム機能で撮ったもの。
<ミソサザイ>
今日は、期待したコルリの声も姿も出会うことができなかったが、何とか、クロジのさえずりを堪能することができた。雪解けが早く、危うく残雪が無くなってしまうところだったが、何とか今年も無事に春の月山鳥見を楽しむことができた。