最近、全然マイフィールドを回っておらず、かなり気になっていたところ、最近、野鳥を保護するという体験をしたので、今回は、野鳥を保護した経過を記録としてまとめておきたいその前に、このブログを読んでくださる方々に保護した場所について説明させていただきたいと思う。山形県寒河江市三泉地区。ここは、村山地方に位置し、サクランボの生産がとても盛んな地域である道の駅は「チェリーランド」という名称で、JAの2色アイスクリームが大人気である。ちなみに、自分の好みは「ごま」と「ラフランス」だ。「ラフランス」は別のものでも構わないが、「ごま」は外せない。ちょっと話が逸れたが、自分の勤め先は、その寒河江市内である。近くを最上川の支流の一つである寒河江川が流れていて、夏のアユ釣りや鮭の遡上で知られている
11月5日の午前9時半頃、職場の同僚が「これ、何だ?」と、大きな鳥を抱えて、私のところに持ってきたそれが、この鳥だ。 正面がカラスの羽根のように黒い。首が白く、頭は白地に黒の斑点。ゴマ模様だ。パッと見、「何だろう?これは???」と、わからなかった。でも、足に水かきがあり、嘴の先が下に曲がっている。「これは海鳥だな。でも、カモメ類とは違うぞ。・・・ミズナギドリかな?」と思い、近くにある図鑑で確かめると、やはりミズナギドリのようだでも、ここは内陸だ。海上で生活するミズナギドリがどうして?と思った。数年前、朝日町の上郷ダムでユリカモメを観察したことがあるが・・・。 とにかくダンボールに新聞紙とタオルを敷いて、ミズナギドリを入れた。それから、大江町のTさんにして、アドバイスをいただいた。また、支部のYさんに写メールを送り同定とアドバイスをいただいた。結果は、自分が予想したように「オオミズナギドリ」だったこの鳥は、玄関脇の地面にいたということで、壁にぶつかって、脳震とうを起こしたのかもしれない。見たところ、特に外傷は無いが、立ち上がることなく、ずっとうずくまった状態だ。もちろん、元気に動くことも無いそれで、冷蔵庫に1本あった栄養ドリンクを持ってきて、スポイトで飲ませようとやってみた。後になって思えば、誰かに嘴を開けてもらって飲ませればよかったが、この時は、自分一人で嘴にスポイトでつけてやるような形で行った。時々、威嚇するように、こちらに嘴を開けて向かってきたので、その時に、口にスポイトを入れて飲ませるようにした。この日は日差しもあり窓際がポカポカと暖かかったので、そこに箱を置いて、体が冷えないようにした。Yさんのアドバイスで、河北町の児童動物園にして、引き取ってもらえないかお願いしたが、「検討します。」との事。結局この日、連絡は無く、誰も引き受けてくれないので、仕方なく自分が家に持ち帰ることになった自分の見た感じでは、元気も無く、食べ物も無いので、明日の朝には冷たくなっているだろうと悲観的な思いであった何せ、海上で生きた魚などを捕って食べているのだから。エサとしては生きた魚でないと・・・、と考えていた。家に帰る途中、Tさんの家に寄って、オオミズナギドリを見てもらった。話しているうちに、「そうだ!刺身だったら食べるかも?」と思いつき スーパーに行ってするめイカの刺身を買った。家に帰るや家族をびっくりさせてしまったがみんな快く協力してくれた。妻からは食事の手伝いおばあちゃんからは大事なホッカイロを分けてもらい娘からは記録用写真を撮ってもらった嘴を開けてイカ刺しを食べさせるのはなかなか大変だったのどの方までしっかり入れないと、嘴を振ってイカを飛ばしてしまうのだ。何とか4本ぐらい食べてくれたので、まずは一安心。夜、冷やさないようにホッカイロを敷いてあげた。
6日朝、ゴトゴトゴトとダンボールを嘴でたたく音が聞こえ、ホッとした出かける前に、またイカ刺しを3本ほど食べさせて、 職場に同伴出勤。昨日よりは元気そうだやはり、イカ刺しが効いたのかも。時々水や昨日の栄養ドリンクをスポイトで飲ませ、11時半すぎ、持ってきたイカ刺しを4本ほど食べさせた。そうしたら、だんだん元気になって、ダンボールから首を出して出ようとしたり、羽を広げてのびをしたりする様子が見られた。 「これは、もしかすると、とんでくれるかもしれないぞ」オオミズナギドリは歩くのが苦手な鳥で、地上から直接飛び立つことができず、崖の上から助走をつけて飛び立ったり、木に登って飛び降りるようにして飛び立つ鳥だ。そこで、外にある築山に持って行き、頂上で地面においてみた。はじめは動こうとしなかったが、少しずつ歩き出した。でも、羽をバタバタすることもなく、飛ぶ気配なし。斜面の草むらを下って、下のサクランボ畑に下りて行った。畑の草むらにもぐりこんだり、トコトコ歩いたり、とってもめんこい。思わず写真を撮りまくる。だいぶ元気になってきた感じだ。緑の中のオオミズナギドリというのも、滅多にお目にかかれない場面だ。貴重な写真をたくさん撮ることができた。でも、ボケもたくさんあったしばらく遊ばせ、お昼の時間になったので、ダンボールに入れて戻ることに。そしたら、箱から身を乗り出して、地面に落ちてしまった。ずいぶん元気になったなぁぁぁ。もう一度箱に入れ、持ち上げた。・・・と、次の瞬間、また箱から飛び出して・・・。でも、今度は地面に落ちず、地面すれすれをはばたきながら、飛んだ! そして、2,30mぐらい飛んで、空に向かって飛び立っていった。これは言葉にできないほど感動的な光景だった。よかったぁ、無事飛び立ってくれて自分も滅多に体験できない貴重な体験をすることができた。オオミズナギくん(さん?)元気に海まで行くんだよぉぉぉ職場の人からはこう言われた。「きっと、何日かすると、きれいな女の人が訪ねてくるよ!」 ・・・・・・・・ つるの恩返しかょ~!
p.s. ◆今だ、きれいな女性は訪ねてきておりません ◆あのイカ刺しの残りは、自分が晩酌の時に食べました ◆オオミズナギドリの村山地方での観察は、山形県支部HPの「山形県産鳥類目録」によれば、1971年11月2日小国町で観察されて以来のことで、実に37年ぶりということになるようです。