アベノミクス それホント?④ さらに暮らし苦しく
Q:景気はよくなる?
A:金融市場は乱高下を繰り返しています。
中小業者と庶民の暮らしはさらに苦しくなっています。
中小は苦境続く
長引く不況の下、景気回復を求める声はますます大きくなっています。「アベノミクス」の金看板である「異次元の金融緩和」を始めた直後に円安・株高となったものの、史上10番目の大暴落を記録した5月23日を境に、株価は乱高下を繰り返しています。
「円安・株高はアベノミクス効果だ」などと胸を張っていた安倍晋三内閣の閣僚も、「株というものはあがったり下がったりするものだ」(麻生太郎副総理兼財務・金融相)、「デフレという病で伏せっていたのが、いきなり立ち上がったら立ちくらみする」(甘利明経済財政担当相)、などと言い訳する始末です。政府が「投機とバブル」をあおる異常な経済政策の危うさが表れています。
大企業の景況は改善の傾向にあります。日本銀行が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業製造業で3四半期(9カ月)ぶりに改善しました。円高是正や海外経済の持ち直しで、自動車が大きく好転し、全体を押し上げました。
一方で、中小企業製造業は5期連続で悪化。円安にともなう原材料や電気代などの値上がりが重荷となったからです。
この中小企業の苦境は、その後の調査にも表れています。全国中小企業団体中央会が発表した4月の中小企業月次景況調査は、「輸入原材料等の調達コストがさらに上昇しているにもかかわらず販売価格への転嫁ができない、収益の改善が進まない等の影響が鮮明にあらわれ」ているとして、「依然として厳しい状況」と指摘しました。商工中金の5月の景況観測でも、2カ月連続で悪化しました。
円安による原材料高に加え、売り上げの減少や資金繰りの悪化などが影響しています。
(厚生労働省「毎月勤労統計」から作成)
店先で商品を選ぶ買い物客=東京都内
生活品値上がり
円安によって電気・ガソリンなどエネルギーや食料品の値段が上昇しています。生活必需品が値上がりすると、庶民生活を直撃します。しかも賃金は上がっていません。民間労働者の平均賃金は1997年のピーク時から年間約70万円も下落しました。
安倍政権がまとめた成長戦略には、解雇しやすい「限定正社員」の導入などが盛り込まれました。不安定・低賃金の雇用が増大するのでは、ますます個人消費が冷え込みます。日本経済の6割を占める内需の冷え込みは景気悪化に直結します。
加えて、安倍政権は消費税増税と社会保障の削減を狙っています。来年4月に8%、再来年10月に10%へ消費税が引き上げられれば、庶民から購買力がさらに奪われます。増税分を販売価格に転嫁できない中小企業の経営も危うくし、倒産や廃業の増大が懸念されます。社会保障の負担増と給付減も庶民から所得を奪い、景気悪化に結びつきます。
「アベノミクス」は、大企業にとっては景気のいい話でも、庶民生活と中小企業の経営を破壊するものです。
景気をよくするためには、内需を拡大する必要があります。日本共産党は、消費税増税と社会保障削減を中止するとともに、働く人の所得をあたためることを求めています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年6月21日付掲載
「アベノミクス」で、一時期株価が上昇したものの、その後乱高下を繰り返しています。
庶民の生活は、ガソリン代、電気代、食料品などの値上げで良いことはありません。
Q:景気はよくなる?
A:金融市場は乱高下を繰り返しています。
中小業者と庶民の暮らしはさらに苦しくなっています。
中小は苦境続く
長引く不況の下、景気回復を求める声はますます大きくなっています。「アベノミクス」の金看板である「異次元の金融緩和」を始めた直後に円安・株高となったものの、史上10番目の大暴落を記録した5月23日を境に、株価は乱高下を繰り返しています。
「円安・株高はアベノミクス効果だ」などと胸を張っていた安倍晋三内閣の閣僚も、「株というものはあがったり下がったりするものだ」(麻生太郎副総理兼財務・金融相)、「デフレという病で伏せっていたのが、いきなり立ち上がったら立ちくらみする」(甘利明経済財政担当相)、などと言い訳する始末です。政府が「投機とバブル」をあおる異常な経済政策の危うさが表れています。
大企業の景況は改善の傾向にあります。日本銀行が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業製造業で3四半期(9カ月)ぶりに改善しました。円高是正や海外経済の持ち直しで、自動車が大きく好転し、全体を押し上げました。
一方で、中小企業製造業は5期連続で悪化。円安にともなう原材料や電気代などの値上がりが重荷となったからです。
この中小企業の苦境は、その後の調査にも表れています。全国中小企業団体中央会が発表した4月の中小企業月次景況調査は、「輸入原材料等の調達コストがさらに上昇しているにもかかわらず販売価格への転嫁ができない、収益の改善が進まない等の影響が鮮明にあらわれ」ているとして、「依然として厳しい状況」と指摘しました。商工中金の5月の景況観測でも、2カ月連続で悪化しました。
円安による原材料高に加え、売り上げの減少や資金繰りの悪化などが影響しています。
(厚生労働省「毎月勤労統計」から作成)
店先で商品を選ぶ買い物客=東京都内
生活品値上がり
円安によって電気・ガソリンなどエネルギーや食料品の値段が上昇しています。生活必需品が値上がりすると、庶民生活を直撃します。しかも賃金は上がっていません。民間労働者の平均賃金は1997年のピーク時から年間約70万円も下落しました。
安倍政権がまとめた成長戦略には、解雇しやすい「限定正社員」の導入などが盛り込まれました。不安定・低賃金の雇用が増大するのでは、ますます個人消費が冷え込みます。日本経済の6割を占める内需の冷え込みは景気悪化に直結します。
加えて、安倍政権は消費税増税と社会保障の削減を狙っています。来年4月に8%、再来年10月に10%へ消費税が引き上げられれば、庶民から購買力がさらに奪われます。増税分を販売価格に転嫁できない中小企業の経営も危うくし、倒産や廃業の増大が懸念されます。社会保障の負担増と給付減も庶民から所得を奪い、景気悪化に結びつきます。
「アベノミクス」は、大企業にとっては景気のいい話でも、庶民生活と中小企業の経営を破壊するものです。
景気をよくするためには、内需を拡大する必要があります。日本共産党は、消費税増税と社会保障削減を中止するとともに、働く人の所得をあたためることを求めています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年6月21日付掲載
「アベノミクス」で、一時期株価が上昇したものの、その後乱高下を繰り返しています。
庶民の生活は、ガソリン代、電気代、食料品などの値上げで良いことはありません。