「ピースアート展」 展示規制・反撃した若者
福井市で若者たちが取り組んだピースアート展(4月29日~5月8日)で、展示作品の取り外しを求められる事件が起こりました。顚末(てんまつ)を、憲法改悪反対福井県共同センターの松原信也さんに寄せてもらいました。
憲法改悪反対福井県共同センター 松原信也さん
「ピースアート展憲法と平和」初日。実行委員会の若者たちは「平和、未来、希望、エネルギー、憲法」をテーマにした絵画、詩、短歌などを展示しました。
会場はJR福井駅東口の複合商業・公共施設「アオッサ」の福井県・福井市・地権者の3者が管理する共有スペースで、管理は業者に委託されています。
一方的に通告
会場へやってきた管理会社の会場責任者が「展示は思想的、政治的で会場は貸せない」と一方的に通告したのが“事件”のはじまりでした。
「政治的だ」と取り外しを求められたのは、憲法の条文を絵の具で描いた作品や前文を活字で印刷したもの。「憲法条文がなぜ政治的、思想的なのか」と抗議する若者たちと「憲法条文を撤去しなければ貸せない」と言い張る責任者の押し問答の末、実行委員会は「アート展の中止はできない」と、やむなく憲法条文を展示パネルから外し、机の上に並べました。
若者たちは、行政の圧力が怪しいと福井県と福井市に抗議し、メディアに訴えました。憲法改悪反対福井県共同センターも緊急に、原状復帰を文書で要求しました。
メディアは、「『憲法の条文』作品の取り外しを管理請負業者求める」(朝日新聞4月30日付)、「憲法条文書いた展示作品アオッサ側が撤去要請」(福井新聞5月1日付)などと報じました。
そのなかで、県、市が入った管理運営協議会(4月23日)で、行政側が「K君の計画には注意するように」と管理会社に言ったことが判明しました。(管理会社は後で否定)
福井ピースアート展で展示された憲法の作品(松原さん提供)
「原状に復帰」
アート展実行委員会は、当初の展示終了日だった5月6日、改めて抗議し、原状復帰の要望書を出しました。共同センターの仲間も含め32人が集まり、「表現の自由を守れ」と抗議しました。
「テナントや来訪者が不快感を示したので私の独断と偏見で撤去を求めた」としていた管理会社の責任者は、抗議や批判を受けて結局、「原状に復帰し貸出期間を2日間延長し、深くおわびする」と謝罪しました。
「公務員は表現の自由を守り憲法を守る義務があるのではないか」という要求に、県と市は最終的に「憲法改悪反対の意思を施設利用可否の判断にはしない」と言明しました。
アート展の中心だったK君(31)は「見過ごすことはできないという思いを貫いて頑張り、謝罪もさせ、周りの人の関心も高まった。こういう積み重ねが大事。いいなりではいられないことが分かった」と語ります。
来場した若者たちは「未来を変えるなら、今取り戻せ。今できないことは未来もできない」「夢は逃げない、逃げるのは今の自分だ」「平和を守れ・手をつなげ」などと書き込みました。
この取り組みのなかで、県の施設ゆうあい館でも、県民主催の原発を問う連続講座が2回目以降、中止させられたことが判明しました。青年たちは「これも許さない」と取り組みを強めています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年6月14日付掲載
若者たちの「表現の自由を守りたい」という無垢の思いを実際の行動に起こし、「憲法を守る」という展示は当然のこととして勝ち取ったことはうれしいことですね。
現在上映中の「図書館戦争」。これも「表現の自由を守る」ことの大事さを訴えた映画です。
ともに応援したいですね。
福井市で若者たちが取り組んだピースアート展(4月29日~5月8日)で、展示作品の取り外しを求められる事件が起こりました。顚末(てんまつ)を、憲法改悪反対福井県共同センターの松原信也さんに寄せてもらいました。
憲法改悪反対福井県共同センター 松原信也さん
「ピースアート展憲法と平和」初日。実行委員会の若者たちは「平和、未来、希望、エネルギー、憲法」をテーマにした絵画、詩、短歌などを展示しました。
会場はJR福井駅東口の複合商業・公共施設「アオッサ」の福井県・福井市・地権者の3者が管理する共有スペースで、管理は業者に委託されています。
一方的に通告
会場へやってきた管理会社の会場責任者が「展示は思想的、政治的で会場は貸せない」と一方的に通告したのが“事件”のはじまりでした。
「政治的だ」と取り外しを求められたのは、憲法の条文を絵の具で描いた作品や前文を活字で印刷したもの。「憲法条文がなぜ政治的、思想的なのか」と抗議する若者たちと「憲法条文を撤去しなければ貸せない」と言い張る責任者の押し問答の末、実行委員会は「アート展の中止はできない」と、やむなく憲法条文を展示パネルから外し、机の上に並べました。
若者たちは、行政の圧力が怪しいと福井県と福井市に抗議し、メディアに訴えました。憲法改悪反対福井県共同センターも緊急に、原状復帰を文書で要求しました。
メディアは、「『憲法の条文』作品の取り外しを管理請負業者求める」(朝日新聞4月30日付)、「憲法条文書いた展示作品アオッサ側が撤去要請」(福井新聞5月1日付)などと報じました。
そのなかで、県、市が入った管理運営協議会(4月23日)で、行政側が「K君の計画には注意するように」と管理会社に言ったことが判明しました。(管理会社は後で否定)
福井ピースアート展で展示された憲法の作品(松原さん提供)
「原状に復帰」
アート展実行委員会は、当初の展示終了日だった5月6日、改めて抗議し、原状復帰の要望書を出しました。共同センターの仲間も含め32人が集まり、「表現の自由を守れ」と抗議しました。
「テナントや来訪者が不快感を示したので私の独断と偏見で撤去を求めた」としていた管理会社の責任者は、抗議や批判を受けて結局、「原状に復帰し貸出期間を2日間延長し、深くおわびする」と謝罪しました。
「公務員は表現の自由を守り憲法を守る義務があるのではないか」という要求に、県と市は最終的に「憲法改悪反対の意思を施設利用可否の判断にはしない」と言明しました。
アート展の中心だったK君(31)は「見過ごすことはできないという思いを貫いて頑張り、謝罪もさせ、周りの人の関心も高まった。こういう積み重ねが大事。いいなりではいられないことが分かった」と語ります。
来場した若者たちは「未来を変えるなら、今取り戻せ。今できないことは未来もできない」「夢は逃げない、逃げるのは今の自分だ」「平和を守れ・手をつなげ」などと書き込みました。
この取り組みのなかで、県の施設ゆうあい館でも、県民主催の原発を問う連続講座が2回目以降、中止させられたことが判明しました。青年たちは「これも許さない」と取り組みを強めています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年6月14日付掲載
若者たちの「表現の自由を守りたい」という無垢の思いを実際の行動に起こし、「憲法を守る」という展示は当然のこととして勝ち取ったことはうれしいことですね。
現在上映中の「図書館戦争」。これも「表現の自由を守る」ことの大事さを訴えた映画です。
ともに応援したいですね。