落日のアベノミクス① 弱る家計 消費税増税が襲う
17日に発表された2013年10~12月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・3%増(年率1・0%増)にとどまりました。事前に発表されていた民間予測を大きく下回りました。安倍晋三首相が「この道しかない」と強力にすすめてきたアベノミクスの効果がはがれ落ち始めています。
個人消費伸びず
家計の6割近くを占める個人消費が伸び悩んでいます。10~12月期の家計最終消費支出は名目では0・9%増となったものの、実質では0・5%増にとどまりました。名目が実質を上回るのはこの間の物価上昇を反映しています。
安倍晋三政権は4月から消費税率を8%に引き上げることを狙っています。その前となる10~12月期は増税を見越した駆け込み需要が予想されていました。ところが1~3月期(1・1%増)、4~6月期(0・7%増)をも下回る結果となりました。
総務省の家計調査では、2人以上の世帯の消費支出(住居などを除く)は昨年10~12月の3カ月連続で前年同月を下回りました。
内閣府が発表した昨年12月の景気ウオッチャー調査では「消費税増税のため、駆け込み需要で販売量は前年比150%と大きく増えている」(北関東・自動車販売店)、「消費税増税前の駆け込み需要もあって、住宅、自動車、小売りなど販売業については、例年に比べてかなり景気は良い」(東海・金融業)など売れ行き好調を示す声がありました。
一方で、「今年4月の消費税率引き上げを見込んだ駆け込み需要は全くみられない状況下にある」(北陸・スーパー)などの声も見られます。
「ごく一部の富裕層のみが活況で、その他の一般層では価格競争に走るなど厳しくなっている」(東北・百貨店)という指摘もありました。
消費税増税中止署名をする女性=1月24日、松山市
所得の落ち込み
個人消費が伸びないのは労働者の所得が増えていないからです。
昨年12月の家計調査で2人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は名目で前年同月を0・3%上回ったものの、実質では1・7%の減少。実収入が実質減少するのは3カ月連続です。家計の判断で使用できるとされる可処分所得にいたっては5カ月連続で実質減少しています。アベノミクスの「異次元の金融緩和」の影響で円安が進行し、輸入品を中心とした物価上昇が家計を苦しめているのです。
18日に厚生労働省が発表した昨年12月の毎月勤労統計では基本給と残業代を合わせた「きまって支給する給与」が前年同月比0・2%の減でした。19カ月連続の減少です。
こうした状況で消費税増税を強行すれば家計は持ちません。読売新聞(17日付)の世論調査では4月から消費税増税が実施された場合家計支出を「減らそうと思う」という人が54%となりました。毎日新聞(17日付)の世論調査では同様の質簿問に65%が支出を抑えると回答しています。
賃金が上がっていないのにもかかわらず、増税による可処分所得の減少と物価上昇が家計を襲うダブルパンチとなります。(つづく)(4回連載の予定です)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月19日付掲載
1997年に消費税が3%から5%にアップした時は、確かに駆け込み需要がありました。消費税増税後は一気に消費が落ち込みました。
今回は1997年の時の様に景気が上向きでないので、駆け込み需要もほとんど表れていません。
4月からの消費税増税は中止すべきです。
17日に発表された2013年10~12月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・3%増(年率1・0%増)にとどまりました。事前に発表されていた民間予測を大きく下回りました。安倍晋三首相が「この道しかない」と強力にすすめてきたアベノミクスの効果がはがれ落ち始めています。
個人消費伸びず
家計の6割近くを占める個人消費が伸び悩んでいます。10~12月期の家計最終消費支出は名目では0・9%増となったものの、実質では0・5%増にとどまりました。名目が実質を上回るのはこの間の物価上昇を反映しています。
安倍晋三政権は4月から消費税率を8%に引き上げることを狙っています。その前となる10~12月期は増税を見越した駆け込み需要が予想されていました。ところが1~3月期(1・1%増)、4~6月期(0・7%増)をも下回る結果となりました。
総務省の家計調査では、2人以上の世帯の消費支出(住居などを除く)は昨年10~12月の3カ月連続で前年同月を下回りました。
内閣府が発表した昨年12月の景気ウオッチャー調査では「消費税増税のため、駆け込み需要で販売量は前年比150%と大きく増えている」(北関東・自動車販売店)、「消費税増税前の駆け込み需要もあって、住宅、自動車、小売りなど販売業については、例年に比べてかなり景気は良い」(東海・金融業)など売れ行き好調を示す声がありました。
一方で、「今年4月の消費税率引き上げを見込んだ駆け込み需要は全くみられない状況下にある」(北陸・スーパー)などの声も見られます。
「ごく一部の富裕層のみが活況で、その他の一般層では価格競争に走るなど厳しくなっている」(東北・百貨店)という指摘もありました。
消費税増税中止署名をする女性=1月24日、松山市
所得の落ち込み
個人消費が伸びないのは労働者の所得が増えていないからです。
昨年12月の家計調査で2人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は名目で前年同月を0・3%上回ったものの、実質では1・7%の減少。実収入が実質減少するのは3カ月連続です。家計の判断で使用できるとされる可処分所得にいたっては5カ月連続で実質減少しています。アベノミクスの「異次元の金融緩和」の影響で円安が進行し、輸入品を中心とした物価上昇が家計を苦しめているのです。
18日に厚生労働省が発表した昨年12月の毎月勤労統計では基本給と残業代を合わせた「きまって支給する給与」が前年同月比0・2%の減でした。19カ月連続の減少です。
こうした状況で消費税増税を強行すれば家計は持ちません。読売新聞(17日付)の世論調査では4月から消費税増税が実施された場合家計支出を「減らそうと思う」という人が54%となりました。毎日新聞(17日付)の世論調査では同様の質簿問に65%が支出を抑えると回答しています。
賃金が上がっていないのにもかかわらず、増税による可処分所得の減少と物価上昇が家計を襲うダブルパンチとなります。(つづく)(4回連載の予定です)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月19日付掲載
1997年に消費税が3%から5%にアップした時は、確かに駆け込み需要がありました。消費税増税後は一気に消費が落ち込みました。
今回は1997年の時の様に景気が上向きでないので、駆け込み需要もほとんど表れていません。
4月からの消費税増税は中止すべきです。