きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

落日のアベノミクス④ 世界は質の高い雇用へ

2014-02-27 13:15:15 | 経済・産業・中小企業対策など
落日のアベノミクス④ 世界は質の高い雇用へ

低迷する経済状況からどうしたら抜け出すことができるのでしょうか。
世界は今、雇用を重視して持続的成長を実現する道を探求しています。

対照的なドイツ
ドイツは他の欧州主要国とは違い、欧州債務危機の中にあっても中小企業が雇用を伸ばし、低失業率に貢献しています。そのドイツ経済のけん引役が、ミッテルシュタンドと呼ばれる中堅企業です。
このミッテルシュタンドに、経済産業省の2013年版通商白書が注目。その特徴について次のように指摘しました。
「従業員の技術と経験が企業の重要な基盤であり、そのタレント(能力)は一度失ったら二度と手に入らないと考える企業が多く、欧州経済危機の間も、従業員の雇用が維持された」
さらに白書は「価格競争を行わず、製品の品質で勝負することを特徴」としているといいます。コスト引き下げのために正規社員を非正規に置き換え、派遣切りを繰り返し、短期的利益を追求してきた日本の大企業とは対照的です。
国際的な経済協力のもっとも重要な協議体として位置づけられている20力国・地域首脳会議(G20サミット)は13年9月に開かれたロシアのサンクトペテルブルクで「多くの国における、特に若者の、失業および不完全雇用は、引き続き、世界経済が直面する主な課題の一つであり、G20の最優先事項である」とする首脳宣言を採択しました。
宣言は言います。
「生産的でより質の高い雇用を創出することは、強固で持続可能かつ均衡ある成長、貧困削減および社会的一体性の向上を目指す各国の政策の核である」
その上で宣言は「失業、不完全雇用および非正規雇用を持続的に減少させるとともに、より高い雇用水準の確保に貢献する」と強調しました。



最低賃金の引き上げを求めてデモ行進する人たち=2013年7月29日、米ニューヨーク(島田峰隆撮影)

安倍政権は逆行
リーマン・ショック後の世界的金融緩和は、雇用問題に悪影響を及ぼすにいたっています。国際労働機関(ILO)が発表した14年版の「世界雇用動向」は、緩和マネーの大部分が実体経済に向かうより資産市場に流入していると指摘。将来、株式市場や住宅価格のバブルを生み出す危険がある一方、持続可能な仕事の回復にのしかかるリスクを生んでいる、と警鐘を鳴らします。
この報告書は、「雇用と社会的格差是正には、仕事重視のマクロ経済政策が必要」としています。ライダーILO事務局長は、「増加した賃金は需要を生み出す。解決策の重要点は、適切な最低賃金を設定することである」と強調します。
世界的傾向となっている格差の拡大には、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も深刻な懸念を表明。「極端にゆがんだ所得の分配は、長期にわたって成長のペースと持続可能性を損なう。疎外の経済、ひいては可能性を廃棄した廃虚を生み出す」と断言します。
ところが、世界の流れの逆コースをひた走っているのが安倍晋三内閣です。日銀は、18日の金融政策決定会合で異次元の金融緩和をさらに強化。「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指す安倍政権は、大企業のために労働法制の改悪を狙っています。
「廃虚を生み出す」経済政策からの決別が求められています。(おわり)
(この連載は金子豊弘、清水渡が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月22日付掲載


世界的には安定した雇用と賃金アップを追及する方向にある。特にドイツは「価格競争を行わず、製品の品質で勝負」という事です。かつて、日本でもそうだったのに、今は価格破壊とまで言われるような競争をしています。
不安定な雇用と低賃金で、いい品質の製品が作れるはずがありません。
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