立憲主義の回復へ 金田峰生 参院兵庫選挙区候補 吉江仁子 弁護士 対談(上)
金田 地震を利用 度し難い
吉江 “王様を縛る決まり”
日本共産党の金田峰生参院兵庫選挙区候補と、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)兵庫支部事務局長の吉江仁子(きみこ)弁護士が語り合いました。
金田 初めに熊本地震の被災者の皆様にお見舞い申し上げたいと思います。私たちは被災者救援に全力を挙げる決意です。一方、菅官房長官は震災を口実に、憲法に緊急事態条項が必要と言いました。私は阪神・淡路の経験から、被災者支援で最も大切なのは被災者の権利擁護であり、被災者のきめ細かなニーズに対応する自治体に権限を移すことも必要だと思います。ところが緊急事態条項は国民の権利を停止し、権限は中央政府に集中する。逆行しています。
吉江 おっしゃる通りです。菅官房長官が「全員屋内避難」と言ったことに、熊本県知事が「現場の気持ちをわかっていない」と反発しましたが、東京に権限を集中させても意味ないんですね。
金田 災害を利用して憲法改悪とは度し難い考えです。
吉江 自民党の改憲草案では、内閣は国会開会中であろうと国会と関係なく政令を発するよという条文になっています。国会軽視も甚だしく、軍事と自然災害を一緒くたにして政府に権力を集中させようというもので、災害をダシにとんでもないことがおこなわれようとしています。
理解してくれる
金田 憲法は国民が守るものという誤解が結構あったと思うんです。そうじゃない、国民が権力者に守らせるものだという理解が広がったのは、「あすわか」さんが大きな役割を果たされたと思います。立憲主義を理解すると、なぜ憲法がここまで国民の権利について書いているのか得心がいくんですね。いまは立憲主義と言ってそのまま通じるようになってきました。
吉江 通じますか!
金田 結構通じるようになっていると思います。街頭演説では立憲主義の説明をする時間がないのですが、立憲主義を取り戻すんだと言うとみなさんそれなりに理解してくれる。ありがたいです。
憲法の縛りない
吉江 立憲主義って言葉が難しいですよね。「あすわか」の紙芝居で「私たちが話し合ってつくった王様を縛る決まりが憲法だ」というセリフがあるんです。「王様を縛る決まりが憲法だ」。これが立憲主義。「私たちがつくった(王様を縛る)決まり」。これが国民主権。「私たちが話し合ってつくった」。これが民主主義です。このセリフをぜひはやらせたい。長いですけど(笑)。
金田 凝縮されて伝わってきますよ。だから憲法違反の戦争法(安保法制)は一刻も早く廃止しなくてはと思います。実際に自衛隊員が殺されますし、外国人を殺してしまう可能性もありますから。
吉江 安保法制はいろいろと問題があるんですが、憲法はわが国のどの国家機関にも軍事に関する権限を認めていないんですね。どこが戦争することを決めるのか明記していない。ですから、いざ他国と一緒に戦争するとなれば、憲法の縛りを全く受けないままの内閣の事実行為になります。そういう意味では、安倍政権の立憲主義無視はきわめて甚だしいものです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年4月29日付掲載
「りっけんしゅぎ」と街頭で語っても、有権者に普通に通じるようになった。
戦争法強行後の、市民と野党との共闘が有権者の中に浸透していっています。
金田 地震を利用 度し難い
吉江 “王様を縛る決まり”
日本共産党の金田峰生参院兵庫選挙区候補と、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)兵庫支部事務局長の吉江仁子(きみこ)弁護士が語り合いました。
【金田峰生候補】 | 【吉江仁子弁護士】 |
金田 初めに熊本地震の被災者の皆様にお見舞い申し上げたいと思います。私たちは被災者救援に全力を挙げる決意です。一方、菅官房長官は震災を口実に、憲法に緊急事態条項が必要と言いました。私は阪神・淡路の経験から、被災者支援で最も大切なのは被災者の権利擁護であり、被災者のきめ細かなニーズに対応する自治体に権限を移すことも必要だと思います。ところが緊急事態条項は国民の権利を停止し、権限は中央政府に集中する。逆行しています。
吉江 おっしゃる通りです。菅官房長官が「全員屋内避難」と言ったことに、熊本県知事が「現場の気持ちをわかっていない」と反発しましたが、東京に権限を集中させても意味ないんですね。
金田 災害を利用して憲法改悪とは度し難い考えです。
吉江 自民党の改憲草案では、内閣は国会開会中であろうと国会と関係なく政令を発するよという条文になっています。国会軽視も甚だしく、軍事と自然災害を一緒くたにして政府に権力を集中させようというもので、災害をダシにとんでもないことがおこなわれようとしています。
理解してくれる
金田 憲法は国民が守るものという誤解が結構あったと思うんです。そうじゃない、国民が権力者に守らせるものだという理解が広がったのは、「あすわか」さんが大きな役割を果たされたと思います。立憲主義を理解すると、なぜ憲法がここまで国民の権利について書いているのか得心がいくんですね。いまは立憲主義と言ってそのまま通じるようになってきました。
吉江 通じますか!
金田 結構通じるようになっていると思います。街頭演説では立憲主義の説明をする時間がないのですが、立憲主義を取り戻すんだと言うとみなさんそれなりに理解してくれる。ありがたいです。
憲法の縛りない
吉江 立憲主義って言葉が難しいですよね。「あすわか」の紙芝居で「私たちが話し合ってつくった王様を縛る決まりが憲法だ」というセリフがあるんです。「王様を縛る決まりが憲法だ」。これが立憲主義。「私たちがつくった(王様を縛る)決まり」。これが国民主権。「私たちが話し合ってつくった」。これが民主主義です。このセリフをぜひはやらせたい。長いですけど(笑)。
金田 凝縮されて伝わってきますよ。だから憲法違反の戦争法(安保法制)は一刻も早く廃止しなくてはと思います。実際に自衛隊員が殺されますし、外国人を殺してしまう可能性もありますから。
吉江 安保法制はいろいろと問題があるんですが、憲法はわが国のどの国家機関にも軍事に関する権限を認めていないんですね。どこが戦争することを決めるのか明記していない。ですから、いざ他国と一緒に戦争するとなれば、憲法の縛りを全く受けないままの内閣の事実行為になります。そういう意味では、安倍政権の立憲主義無視はきわめて甚だしいものです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年4月29日付掲載
「りっけんしゅぎ」と街頭で語っても、有権者に普通に通じるようになった。
戦争法強行後の、市民と野党との共闘が有権者の中に浸透していっています。