きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

熊本地震1カ月 苦難続く被災地④ 震災で仕事なくなった

2016-05-19 21:12:31 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
熊本地震1カ月 苦難続く被災地④ 震災で仕事なくなった

熊本市中央区にあるハローワーク熊本。駐車場の空きを待つ車の列は昼近くまで途切れません。
「震災で仕事がなくなった」という三嶋幸子さん(35)は中1、小1、4歳の3児の母です。「震災前に病院の清掃をする会社に就職が決まっていて4月15日から働くはずでした。しかし病院が被災してだめになりました。家計が苦しいので早く次の仕事をみつけたい」と話します。

広がる雇用不安
熊本地震によって多くの会社や中小業者が被災して営業が困難に。被災者が解雇されたり休職に追い込まれたりする事態が相次ぎ、被災者に雇用不安が広がっています。
ハローワークや労働基準監督署には連日、熊本地震にともなう休業や解雇の労働相談がたくさん寄せられています。熊本労働局によると13日には相談件数が1万1千件を超え、解雇・雇い止めの椙談は211件あります。
熊本市の女性(25)は勤めていた飲食店が被災しました。「再開したものの、お客さんが戻らず見通しがたたないので、店長から給料を払えないといわれました。別の仕事につくため、職業訓練を受けるつもりです」
農業を営んでいた男性(49)は「地震で水路が壊れ、今年は田植えができなくなってしまったので、ほかの仕事を探しにきた」といい、熊本市に住む女性(55)は「宇城(うき)市にある会社が被災して7月まで休むので休業補償の手続きにきました」と話します。



早朝からハローワークの開所を待つ人たち=5月12日、熊本市中央区、ハローワーク熊本

「さらに厳しく」
ハローワーク熊本の富田浩二管理次長は「今後、震災関連の解雇などで相談に訪れる人が本格的に増える可能性がある」と見ています。
震災前から同県では、パート、アルバイト、派遣労働者、契約・嘱託社員といった非正規労働者が増える一方でした。総務省の統計によると2002年に20・8万人だった県内の非正規労働者が12年には25・8万人と、約5万人も増えています。
「非正規労働の増加にともなって、ブラック企業も横行しています。今回の熊本地震で、労働者はさらに厳しい状況に置かれている」と熊本県労働組合総連合の重松淳平事務局長は指摘します。
「震災に便乗した悪質なリストラも起きています。たとえ震災であっても労働者を勝手に解雇することはできません。労働者に周知徹底するよう労働局にも要請していきます」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月17日付掲載


当面は、失業による雇用保険の給付の申請が多いと思いますが…。
これから、本格的な就労探しが始まります。
労働者だけでなく、中小事業所への支援が求められます。