きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

熊本地震1カ月 苦難続く被災地⑤ 営業再建 足がかりを

2016-05-20 15:11:54 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
熊本地震1カ月 苦難続く被災地⑤ 営業再建 足がかりを

店舗や工場、自宅が震災で大規模な被害を受けた自営業者。大きな困難があるなか、営業の再建に向けて立ち上がっています。

商売を続けたい
1905年に創業した熊本市中央区の「御菓子司しぼりや」。3代目店主の岩原和哉さん(61)は「お菓子屋人生をまっとうしたい」と自身を鼓舞します。
店舗入り口がきしんで開かず、土壁がはがれています。工場の機械が動くのかどうか不安だと口にします。
県産鶏卵と小麦粉、国内産ハチミツ、白あんの豆を使った「漱石まんじゅう」を20年以上つくる岩原さんは今年、張り切っていました。夏目漱石が熊本に来て120年、没後100年、生誕150年が連続する年だからです。「この商品をもう一度世に出すんだ。恥じない生き方をしたい」
6月から再開するとしても、看板商品に絞り通常の4割での営業だといいます。「35年間やっていますが、60過ぎて手ごたえを感じていたところです。この町に誇りを持って商売を続けたい」
被災商工業者の実態把握が進んでいないのが現状です。県商工団体連合会は全国商工団体連合会とともに、中小企業を支援するためのグループ補助金の創設、債務免責などの特別措置、復旧・復興に伴う公共工事の地元発注などを要求しています。県商連の井芹栄次事務局長は「地域全体の復興のために中小企業が再建しなければなりません」といいます。



100年以上続く菓子店舗兼工場の前で震災当時の状況を話す岩原和哉さん=5月11日、熊本市中央区

国の応援が必要
宇土市に100席の宴会場を持つ中華料理店「宝友」代表の末野博子さん(58)。母の跡を継いで40年の2代目も、被災者です。
4月14日午後9時26分。60人が宴会中でした。博子さんは、「「よかよか」という客の安全を最優先に、外へ避難させました。16日の本震では壁が割れ、足の踏み場がない状況に。
店は8月末まで予約が入っていました。「踏ん張ってね」、「再開はいつごろになると」。客の言葉に、「はいつくばって、もう一花咲かせたい」といいます。
大工の夫・哲康さん(67)や料理人も支えます。博子さんは「店内が鉄骨で広く、図面もないので大手業者でないと見積もれません。遅くても忘年会の12月には再開したいのですが」と話します。
息子の妻が後継者になる予定です。「少しでも補償があれば、再建の足がかりになります。国や県は業者を応援してほしい」(おわり)
(この連載は、丹田智之、矢野昌弘、安川崇、武田祐一、大串昌馨記者が担当しました) 

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月18日付掲載


東日本大震災で実施したグループ補助金などは、熊本でも実施してほしいですね。
復旧・復興工事の公共事業も、地元企業に分割発注など、できることはたくさんあります。